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<この記事にはTVアニメ・原作漫画『NARUTO -ナルト-』のネタバレが登場します。ご注意ください。>

 うちは一族ではないのに、なぜカカシだけが万華標写輪眼の固有瞳術「神威」を使えたのでしょうか?

 コピー忍者と呼ばれた彼が決してコピーできないはずのその力。この謎を解くカギは、カカシと眼の元の持ち主であるオビトが「リンの死」という悲劇を、同時に目撃してしまったあの場面にあると考えられます。

 二人の心がシンクロしたあの瞬間、移植された左目に何が起きたのか。その真実を紐解くことで、カカシの眼に宿った奇跡の本質が見えてくるのかもしれません。

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◆固有瞳術の“例外”──万華鏡写輪眼のルールとカカシの謎

 カカシがなぜ固有瞳術「神威」を使えたのか。この謎を解くには、まず「万華鏡写輪眼」がいかに特別で、個人的な力であるかを理解する必要があります。

 万華鏡写輪眼は「もっとも親しい者の死」を経験した者だけが開眼できる、写輪眼の上位互換の力です。その眼には、天照や月読、そして神威といった、その人固有の特別な瞳術が宿ります。これは同じうちは一族でも誰もが同じ術を使えるわけではなく、個人の資質に深く関わる稀な能力なのです。

 では、うちは一族ではない者が写輪眼を移植した場合はどうなるのでしょうか。

 その答えを示しているのが、志村ダンゾウです。彼は大量の写輪眼を右腕に移植していましたが、固有瞳術を使うことはできませんでした。うちはの血を持たない者が写輪眼を使えば体に大きな負担がかかり、その持ち主固有の術までは使いこなせない。これが作中の常識だったといえるでしょう。

 しかしただ一人、その常識を覆した男がいます。それが、カカシです。

 彼はうちはの血を引かないにもかかわらず、オビトから移植された左目に、オビト固有の術である「神威」を宿し、使いこなしました。ダンゾウにもできなかったことを、なぜカカシだけが成し遂げられたのか。この「カカシだけが唯一の例外だった」という事実にこそ、すべての答えが隠されているのかもしれません。

 つまり、カカシが神威を使えたのは、天才だから、努力したからという単純な理由では説明がつきません。それは作中のルールにおける極めて特殊な「例外」だといえます。そして、その例外がなぜ起きたのか。その背景には、通常の眼球移植とは異なる、何か特別な条件が揃っていたのではないでしょうか。

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◆“リンの死”という一点で交わった二人の精神──シンクロ開眼の真相

 カカシの左目に「神威」が宿った特別な条件とは何だったのか。その答えは、カカシとオビトが同時に絶望した、あの悲劇の瞬間に隠されているのかもしれません。

 原作で、カカシの千鳥がリンの胸を貫く光景を、カカシの左目であるオビトの写輪眼と、その光景を見ていたオビト自身の右目が、同時に目撃してしまいました。

 もっとも親しい者の死。それは、万華鏡写輪眼を開眼させる悲しい引き金です。カカシとオビトの眼は、場所を違えながらも、まったく同じ瞬間、同じ悲劇をきっかけに、万華鏡へと変化しました。

 ここからが重要なポイントです。万華鏡の開眼は、強烈な精神的ショックによって「脳内に特殊なチャクラが吹き出す」ことで起こる、個人的な現象です。

 あの瞬間、カカシとオビトは物理的には離れていました。しかし「リンの死」という一点において、彼らの心は深く強くシンクロしていたのではないでしょうか。親友の手で愛する少女の命が失われる。その絶望が、二人の精神をチャクラレベルで、瞬間的に一つにつなげた。そう考えることはできないでしょうか。

 その結果、オビトの脳内で発生した「神威」という固有瞳術の情報が、つながったチャクラを通じてカカシの左目にも“同期”された。これが「シンクロ開眼」の真相だと考えられます。

 つまり、カカシが神威を使えたのは、たんに眼球を移植したからではありません。眼球の物理的な移植と、開眼のきっかけとなる精神的ショックの共有。この二つの条件が奇跡的に重なったからこそ、本来ありえない例外が彼の身に起こった可能性が高いといえるでしょう。

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◆カカシとオビト──二人の英雄が“つながっていた”左目の意味

 リンの死で交わり「シンクロ開眼」を果たしたカカシとオビト。この仮説は、第四次忍界大戦のクライマックスで、時空を超えて証明されます。

 戦いのさなか、カカシが「神威」で飛ばした攻撃が、オビトの持つもう一つの「神威」の異空間に到達していました。これは、二人の万華鏡写輪眼が、物理的に離れていながらも常に同じ一つの異空間につながっていたことの証拠といえます。

 この事実は「シンクロ開眼説」を強力に裏付けます。二人の眼は、チャクラレベルで深く常につながり続けていたのではないでしょうか。カカシの左目は、常にオビトと一心同体だったといえるでしょう。

 そして、その絆の最終的な証明が、オビトが命を落とした後に起きた“最後の奇跡”です。

 大筒木カグヤとの最終決戦。攻撃を受けようとするカカシの前に、死んだはずのオビトの魂が現れます。「ちょっと早い火影就任祝い」として彼の力がカカシの両目に宿り、カカシは一時的に両目の万華鏡写輪眼と完成体須佐能乎(スサノオ)を発動させるという奇跡を起こしました。

 これは、二人の精神的なつながりが、肉体の死さえも超えるほど強固であったことの最終的な答えだと考えられます。カカシが神威を使いこなし、英雄と呼ばれる活躍ができたのは、カカシの左目が常に親友オビトと“共にあった”からだといえるでしょう。

 カカシの左目に宿っていたのは、写輪眼だけではありません。それは、オビトから託された“形見”であると同時に、二人の友情と意志をつなぐ“絆”そのものでした。彼の物語は、二人の英雄の、友情の物語でもあったのかもしれません。

 

 ──なぜカカシは「神威」を使えたのか。それは、眼球の移植に加え「リンの死」という悲劇の共有によって二人の魂がシンクロし、能力が“同期”されたからだと考えられます。

 カカシの左目に宿った力は、彼一人のものではなく、親友オビトとの絆が生んだ奇跡でした。死を超えて共闘した二人の英雄の姿は、友情という力の偉大さを描き続けた、この物語の象徴といえるでしょう。

〈文/凪富駿〉

※本記事は漫画『NARUTO -ナルト-』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「NARUTO -ナルト-」 第46巻(出版社:集英社)』

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