昨年、劇場公開された『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』は、土井半助(以下、土井先生)をフォーカスした作品に仕上がっていましたが、実はこの「土井半助」という名前は本名ではなく、偽名だったことが、原作やTVアニメで判明しています。なぜ土井先生は本名を隠し、忍術学園で教鞭を取っているのでしょうか?
◆忍術学園に来た当初は「若い人」と呼ばれていた
土井先生はもともと教師を志していたわけではなく、2011年出版のコミックス第50巻で、子供時代に襲撃されたことがきっかけで家や家族を失ったことが明かされました。
その後、忍務に失敗したところをピクニック中の山田伝蔵(以下、山田先生)一家に助けてもらいましたが、当初は抜け忍ということもあり、本名である下の名前を名乗れませんでした。
またアニメ第63話「若い人の段」でも土井先生の過去が語られており、このエピソード知っていると土井先生への思いが強くなります。
第63話で知れる事実の一つとして、土井先生と六年生の関係性があります。まだ先生になりたてだった土井先生が担当を受け持つことになるのが当時の一年生だったのですが、その当時の一年生たちが現在の六年生であることがその顔立ちから分かります。
この情報があると『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』に登場する六年生のシーンにより思い入れが増します。
もともとぬけ忍だった土井先生は名前を聞かれても身の危険を踏まえて答えられずにいて、みんなから“若い人”と呼ばれていた様子が描かれています。
しかし、次第に不便さを感じさせてしまうことから名前が必要になるのですが、そこで土井先生に「土井半助」という名前を付けたのが山田先生だったことがこのエピソードで描かれます。
土井半助という名前が偽名だったこと。そしてその名付け親が山田先生だったこと。実はこれらはこのエピソードで初めて明かされた事実です。
元気いっぱいの子供たちと接するうちに土井先生も元気を取り戻したのか、今では日々明るく過ごせるようになり、境遇の似ている教え子の摂津のきり丸のことは特に気にかけています。
──この事実を知っていると『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』もより味わいを増していきます。作中では山田先生が土井先生のことを呼ぶシーンが何度も登場するのですが、「土井先生」と「半助」と二種類の呼び方が用意されています。意図的に呼び方が分けて描かれていることが分かるとともに、原作や第63話のエピソードを知っていると、より彼の名前への思い入れが増していきます。
〈文/士隠カンナ〉
《士隠カンナ》
1990年〜2000年代に放送されたアニメに中学・高校の頃にどっぷりとハマり、その後フリー編集・ライターに。主にアニメ・漫画のムック本のブックライターといて活動中。最近のマイブームはもっぱら『ちいかわ』。
※サムネイル画像:『「『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』」キービジュアル (C)尼子騒兵衛/劇場版忍たま乱太郎製作委員会』


