『ONE PIECE』にはさまざまな伏線が登場していますが、ゾロとくいなの関係にも意外な伏線が隠されています。また、出自が明かされてないナミの正体についても、ファンの間でさまざまな考察がなされていますが、彼女はいったい何者なのでしょうか?
◆ゾロとくいなは親戚!?
ゾロは、生前のくいなと約束した誓いを果たすため日夜鍛錬を積んでいますが、実はくいなと「親戚関係」にある可能性が浮上し、ファンを驚かせています。二人の間には、いったいどのようなつながりがあったのでしょうか?
●ゾロの家系──祖父も剣士だった
コミックス第105巻で、ゾロの家系が明かされています。
ゾロはコミックス第1巻の第3話から登場しているにもかかわらず、ほかの麦わらの一味とは違って家族がいるのかいないのかさえも明かされていませんでした。
ところが、原作者の尾田栄一郎先生がコミックス第105巻のSBSで、「本編ではもう明かさないと思うから」との理由からついにゾロの家系図を公開しました。
それによると、ゾロの祖父は村で剣士をしていたロロノア・ピンゾロ、祖母は霜月フリコという名前です。
フリコは元大名の霜月牛マルの姉。つまり、牛マルはゾロにとって「大叔父」ということになります。
ピンゾロとフリコの間に誕生した息子のロロノア・アラシは、成長後、盗賊の娘であるテラと結ばれ、ゾロが生まれました。
ゾロの誕生の後、アラシは海賊との戦いで、テラは病気で亡くなっています。
成長したゾロは海に出ますが、元来の方向音痴のため故郷のシモツキ村に帰ることができなくなってしまいます。生活費を稼ぐために海賊を倒して懸賞金を得る生活を送っているうちに、「海賊狩り」として名を馳せるようになりました。
その後、海軍に捕まっていたところをルフィに助け出されて仲間となりましたが、当初、「海賊なんて外道だ」と吐き捨てていたのは、「父親が海賊との戦いで亡くなっているからではないか」とファンの間で考察されています。
●くいなの家系──祖父は刀鍛冶にして剣豪だった
コミックス第105巻では、ゾロと同時に霜月くいなの家系図も公開されています。
彼女の祖父である霜月コウ三郎は、ワノ国で刀鍛冶をしており、剣豪でもありました。
祖母は「村の娘」という情報しかありませんが、2人の間に生まれたのがくいなの父親であり、のちに一心道場の師範となるコウシロウでした。
コウシロウは、のちに結ばれた女性との間にくいなをもうけますが、くいなの母親の名前は明かされていません。
しかし、2009年公開の映画『ONE PIECE FILM STRONG WORLD』の入場者特典『ONE PIECE 巻零』で、生まれたばかりのくいなをかわいがる両親の姿が描かれています。
その中で、「この子には道場を継がせたかったが…女の子ではねェ…」とのコウシロウの発言に、くいなの母が「あら大丈夫よ」「強くなるわよねーくいな」と答えています。
母親の言葉通り、くいなは道場の門下生の中で誰よりも強く育ち、ゾロとの勝負には2001回も勝つほどの実力を身につけましたが、11歳のときに家の階段から落ちて亡くなっています。
●第96巻の見事な伏線回収
ゾロとくいなは、「親戚である可能性が極めて高い」といえるでしょう。
なぜなら、コウ三郎と牛マルはどちらも、ワノ国に古くから存在する大名一族の名「霜月」を名乗っているためです。
コミックス第93巻の、モモの介が「スナッチ」という掛け声を口にするシーンでは、ゾロも幼少期に「村のジジー」から剣を振るときの「勇気が出るおまじない」として「スナッチ」を教えられたと語っています。
実は、この「村のジジー」こそ、霜月コウ三郎だったのです。
尾田先生はコミックス第96巻のSBSでこの事実を明かした際、「あれ?もしかして…ゾロの血筋って…!?」と読者に問いかけ、第105巻でついにゾロの家系図が公開されました。
詳しく読む⇒ゾロとくいなは親戚!? 家系図が導き出した見事な伏線?【ワンピース考察】
◆ナミは「実は人魚」なのか?
ナミの出生の秘密はまだ明かされていませんが、コミックス第8巻で、サンジは「実はナミさんは人魚なのではないか」と言っています。
人間にしか見えないナミですが、人魚のしらほしと意外な共通点があり、一部のファンの間では、ナミは人魚なのではないかと考察されています。
●謎の多いナミの出生──早くから「人魚の伏線」があった?
前述の通り、コミックス第8巻という早い段階でナミは「人魚なのではないか」とサンジに思われていましたが、このときはそれ以上深く掘り下げられず、ルフィが描いた半魚人のようなナミの似顔絵を見て、サンジが激怒して終わっています。
しかし、『ONE PIECE』はキャラクターの何気ない一言が重要な伏線になることも多く、実際に、自分のことを「プリンス」と言っていたサンジはジェルマ王国の王子でした。
ナミの出身地も人魚に関係があるのかと思いきや、詳しいことはいまだに分かっていません。
ナミは東の海の「ココヤシ村」で育ちましたが、ここは生まれた場所ではありません。義母であるベルメールに引き取られ、義姉のノジコとともにココヤシ村で暮らすようになりました。
ベルメールとノジコと出会ったのは同じ東の海にある「オイコット王国」。オイコット王国が海賊に襲われた際、生みの親とは死別したと考えられています。
当時、赤ちゃんだったナミを拾った3歳のノジコが、ナミを抱っこしながらあてもなく歩いていたとき、海兵だったベルメールが声をかけ、二人を養女にしたのでした。
●しらほしとの意外な共通点──二人とも母親が……
その後、ナミと人魚の関係について、作中で触れられることはありませんでしたが、コミックス第64巻で人魚のしらほしと出会い、ナミが人魚である可能性を示唆する伏線が再び登場します。
しらほしはナミを見て「初めて会ったのになんだかホッとする」と口にし、それに対しナミは「境遇が少し似てるからかな」と返答。
実際に二人の境遇を照らし合わせてみると、驚くほど似ています。
まず、二人は母親を魚人に射殺されています。さらに、二人は魚人の手により10年近く部屋に閉じ込められていました。
ナミは泥棒をするため外出することもありましたが、アーロン一味に海図を描くことを強制され、それが終わるまで部屋を出てはいけないと厳しく言いつけられていました。
一方しらほしは、バンダー・デッケン九世から付きまとわれ、飛んでくる凶器がから逃れるため、竜宮城の硬殻塔に幽閉されていました。そのため、母親の墓参りにも行くこともできませんでした。
さらに、二人の母親は、似たような言葉を娘に残しています。
コミックス第9巻で、ベルメールはナミに「女の子だって強くなくちゃいけない」「どんなことがあっても生まれてきたこの時代を恨まないで」と言っています。コミックス第63巻では、オトヒメがしらほしに「私のために怒りや憎しみに囚われないで」「しらほし、心をしっかり」と言っています。
二人とも、母親の命を奪われた悲しみを乗り越え、強く生きようと決意したのでした。
●二人とも古代兵器なのか?──しらほしはポセイドンだったが……
コミックス第65巻で、海王類と話すことができ、その行動を操ることができるしらほしの正体は「古代兵器ポセイドン」だと、ロビンが指摘しています。
実は、ナミも古代兵器の一つである「ウラヌス」なのではないかと一部のファンは考察しています。
ウラヌスという名前は、ギリシャ神話に登場する「天空神・ウーラノス」に由来するとされています。
ナミは、天候棒を使って天候を操り、麦わらの一味がバラバラになったあと、コミックス第54巻で天候を科学する国「ウェザリア」という場所に飛ばされています。
そのため、天候を操る能力を持つナミも、古代兵器なのではないかと考察されています。
詳しく読む⇒ナミは「実は人魚」なのか? しらほしとの意外な共通点【ワンピース考察】
〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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