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 『ONE PIECE』の人気を支えている一つの要因は、やはり主人公であるモンキー・D・ルフィの魅力でしょうが、尾田栄一郎先生はそんなルフィを描くために「あるポリシー」を貫いているそうです。

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◆尾田先生が大事にするのは「ルフィらしさ」

 実は、尾田先生は魅力的なルフィを描くために、連載当初から漫画でよく使われている“ある演出方法“を使わないと決めていたそうです。それが、いわゆる「モノローグ」という心情描写です。

 漫画においてモノローグは、キャラクターの本心や思考などを読者に伝える手法として重要な役割を担っています。特にバトル漫画では、内心の焦りや駆け引きの演出として、読者に緊迫感やリアリティを伝えてくれるのです。

 しかし、尾田先生はルフィにだけこのモノローグを一切使っていません。その理由についてコミックス54巻の「SBS」で尾田先生は、「読者に対して常にストレートな男である為に“考えるくらいなら口に出す”または、“行動に移す”という事を徹底しております」と語っています。

 ちなみに第298話ではルフィがモンブランに対してモノローグで語りかけるシーンがあります。これは相手の心に「叫び」かけるということなので、あえてあのような演出方法になったとも尾田先生はこのSBSの回答で明かしています。

 

──読者がルフィに変わらない魅力を感じているのには、尾田先生がポリシーとして掲げていた仕掛けが大きく関わっているのでしょう。何より、ルフィのセリフは常に裏表のない本心の言葉だからこそ、我々読者の胸に刻まれるのかもしれません。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE〝3D2Y〟 エースの死を越えて! ルフィ仲間との誓い」(販売元 ‏ : ‎ エイベックス・ピクチャーズ)』

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