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 『ONE PIECE』屈指の人気キャラクターである白ひげには、尾田栄一郎先生が若いころに出会った“ある人物”の面影が色濃く宿っているといいます。

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◆尾田先生が語った「酒場の親方」というモデル像

 白ひげのモデルとなったのは、尾田先生が若いころによく通っていた飲み屋の親方だといいます。

 2007年のコミックスに付属していた『ONE PIECE』連載10周年の記念情報誌にあたる『ONE PIECE PARADISE! vol.2』では、尾田先生がその人物の圧倒的な存在感について語っており、白ひげらしい豪快さの源流がどこにあったのかが明かされています。

 尾田先生によると、この親方は圧倒的な存在感を放つ人物だったといいます。

 そして、客に向かって「ハナッたれとは話したくねェよアホンダラ」と言い放つような破天荒さを持ち合わせていました。

 このセリフは、白ひげが初登場した際に放った印象的な一言であり、白ひげの代名詞といえます。しかし、この言葉が実在した人物の口癖そのままだったという事実は、多くのファンにとって驚きを伴うエピソードといえるでしょう。

 さらに尾田先生は「これほど明確にモデルを立ててキャラ作りをすることは少ない」と語っています。

 普段は特定の人物を直接キャラクターに重ねることはほとんどないにもかかわらず、親方だけは白ひげの“核”として強く心に残っていたことがうかがえます。

 戦争の体験を語り、酒を飲みながら人生を笑い飛ばすような肝の据わった姿勢が、白ひげの持つ“父性”や“包容力”といったイメージのもとになっていたのでしょう。

 尾田先生が「マンガに描いたと言うと喜んでくれた」と振り返っている点も印象的です。豪快でぶっきらぼうな一方で、どこか憎めず人を惹きつける魅力を持っていた親方の姿が、白ひげの“男気”として作品の中に息づいていることが伝わってきます。

 

 ──白ひげの揺るぎない“男の魅力”は、尾田先生が若いころに出会った破天荒な親方の魂が宿っていたからこそ、読者に“本物の強さ”として響いているのかもしれません。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「ONE PIECE」第57巻(出版社:集英社)』

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