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 現在ついに最終章へ突入し最高潮の盛り上がりを見せる『ONE PIECE』ですが、実は尾田栄一郎先生の頭の中には連載当初から明確な「ラスト」が決まっており、当初の構想では“驚くほど短い期間”で完結させる予定だったそうです。

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◆当初の連載予定は「5年!」 尾田先生が語った構想とは

 読者からの質問に尾田先生が直接答えるコミックスの名物コーナー「SBS」。その第42巻に掲載された質問の中に、多くのファンが気になっていた核心に迫るものがありました。

 「ワンピースはもう結末を考えているのですか?」という、読者なら誰もが一度は抱く疑問です。

 これに対し尾田先生は、驚くべき回答をしています。なんと『ONE PIECE』は連載開始当初、わずか「5年間」で完結させる予定だったというのです。

 尾田先生によると、物語のクライマックス、つまり「ラスト」自体は連載初期から既に頭の中にあり、そこへ向けて描き続けていることは間違いありません。

 しかし、実際にルフィたちの冒険を描き始めると、新たな島やキャラクター、そして世界観が想定していた以上に豊かに広がり始めました。

 その結果、当初の「5年」という見積もりが甘かったことに気づき、物語は収まりきらなくなってしまったと本人は笑いを交えて語っています。

 このSBSが掲載された当時、連載は既に9年目に突入していましたが、尾田先生は「あとどれくらい続くかは分からない」としつつも、決して行き当たりばったりで描いているわけではないことを示唆しています。

 つまり、連載が長期化している理由は、結末が決まっていないからではなく、そこに至るまでの過程があまりにも魅力的で、描くべき要素が膨大な量に膨れ上がってしまったという「嬉しい誤算」によるものなのです。

 ちなみに、この42巻が発売されたのは物語の中盤「エニエス・ロビー編」のあたり。そこからさらに15年以上が経過した現在も、尾田先生の頭の中にある「ラスト」へ向かって、ルフィたちの冒険は熱量を失うことなく進み続けています。

 

 ──当初の5年という構想をはるかに超えて膨らんだこの壮大な冒険。それは、決して迷走などではなく、尾田先生の頭の中に最初からある「ラスト」へ向かうための“必然の寄り道”だといえるでしょう。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『ONE PIECE 第100巻(出版社:集英社)』

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