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 『ONE PIECE』のナミといえば、天候を操る魔法の棒「クリマ・タクト」を駆使する優秀な航海士ですが、実は連載前の初期構想では、現在とは似ても似つかないキャラクターとして設定されていました。

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◆武器は「巨大な斧!?」 公式本で明かされた意外なルーツ

 ナミの武器といえば、クリマ・タクトから繰り出される天候攻撃がお馴染みですが、2010年11月に出版された公式ファンブック『ONE PIECE GREEN SECRET PIECES』(出版社:集英社)で公開された初期構想のスケッチは、ファンに衝撃を与えました。

 なんとそこには、身の丈ほどもある「巨大な斧」を背負った、バリバリの戦闘派なナミの姿が描かれていたのです。現在の知的な航海士のイメージとはかけ離れた、武闘家のようなデザインでした。

 最終的に斧の設定はボツとなり、現在のような魔法の棒を駆使するスタイルに落ち着きましたが、実はこの「斧」という初期設定と、尾田栄一郎先生がのちに明かした「ある設定」を組み合わさることで、非常に興味深い考察が浮かびあがってきます。

 コミックス56巻のSBSにて「麦わらの一味を現実の国に例えると?」という質問に対し、尾田先生はナミのイメージ国を「スウェーデン」と回答しています。スウェーデンといえば、かつて武器を持って海を渡った「ヴァイキング」の歴史がある国。初期案の斧を持ったナミは、このヴァイキングのイメージから来ていたのかもしれません。

 さらにファンの間では、この「スウェーデン」という回答が、物語の核心に触れる伏線ではないかとささやかれています。

 実はスウェーデンには、ヴァイキング時代の重要な遺跡として「ビルカ」という都市が存在します。そして「ビルカ」とは、空島編で登場したエネルの故郷であり、月にある古代都市と同じ名前なのです。

 「天候を感じ取る」というナミの異常なまでの才能は、たんなる航海士としてのスキルを超えています。彼女のモデルに「ビルカ(空の民)」の要素が含まれているとしたら……。

 初期設定の斧とSBSの回答は、ナミの出生に隠された秘密を紐解くカギなのかもしれません。

 

 ──初期案の「斧」自体はなくなりましたが、尾田先生の頭の中にあるナミのイメージ国は一貫しており、それが「ビルカ」というキーワードを通じて物語の重要な伏線につながっている可能性は十分にあり得ます。最終章に向けてナミの出生の秘密が明かされるとき、この意外な初期設定が形を変えて意味を持ってくるのかもしれません。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE Log Collection “NAMI”」(販売元:エイベックス・ピクチャーズ)』

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