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 『ONE PIECE』の人気キャラクター、トニートニー・チョッパー。連載初期と現在では、その見た目が大きく変化しています。実は尾田栄一郎先生は当初、チョッパーを「マスコット」にすることを意図的に避けていました。その方針を変えさせた意外な理由とは?

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◆尾田先生の考えを変えた「ある出来事」

 『週刊少年ジャンプ』202234号と『週刊少年サンデー』202235号に掲載された、尾田先生と『名探偵コナン』の作者・青山剛昌先生の対談「OVER100雑誌横断対談」において、尾田先生はチョッパーのデザイン変化について驚きの事実を明かしています。

 当初、尾田先生には「媚びたマスコットを描きたくない」という強いポリシーがありました。そのため、チョッパーを意図的にマスコットキャラクターとして扱わない方針を貫いていたといいます。連載初期のチョッパーは、現在のようなかわいらしい姿とは異なり、もう少しリアルなトナカイの要素が強く描かれていました。

 しかし、アニメでチョッパーを演じる大谷育江さんの声を聞いて、尾田先生の考えは一変します。大谷さんの声があまりにかわいかったため、「これに合わせない(かわいく描かない)のは損だ」と判断。等身を下げるなど、マスコットキャラクターとしてのデザインに寄せる決断をしたそうです。

 尾田先生は対談の中で「アニメの声を聞いてチョッパーをマスコットキャラにシフトチェンジした」と語り、ある時期から「マスコットになってもらおう」と覚悟を決めたことを明かしています。こうして現在のチョッパーのデザインが確立されました。

 興味深いのは、青山先生も同様の経験をしていたことです。青山先生は、TVアニメ『名探偵コナン』でチョッパーと同じく円谷光彦役の大谷育江さんの声を聞いてから光彦をかわいく描くようになったと語り、声優の演技……特に大谷育江さんが原作者の描き方に影響を与えたことについて共感を示しています。

 原作者とアニメスタッフがお互いに影響を与え合い、キャラクターがより魅力的に進化していく。これこそが長寿作品ならではの醍醐味といえるでしょう。

 なお、この対談は『ONE PIECE イラスト集 COLORWALK 10 DRAGON』(集英社、20234月出版)にも収録されています。

 

 ──声優の演技が作者の描き方に影響を与えるという、原作とアニメの理想的な相乗効果が生んだエピソード。チョッパーのかわいらしさは、大谷育江さんの声があってこそ完成したものだったのです。

〈文/コージ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより 『Blu-ray「ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜」(販売元:TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))』

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