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 スリラーバーク編でゾンビとしてゾロの前に立ちはだかり、黒刀「秋水」を託した伝説の侍・リューマ。実は彼の初登場は『ONE PIECE』本編ではなく、尾田栄一郎先生が19歳の若さで描いたある短編作品だったのです。

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◆19歳の若さで発表した短編『MONSTERS』の主人公 ゾロへと続く剣の系譜

 スリラーバーク編で、ゾロと激闘を繰り広げたゾンビのリューマ。彼は「空飛ぶ竜を斬った伝説の侍」として語られていましたが、その伝説の元ネタとなった作品こそが、1994年に『週刊少年ジャンプ 特別編集増刊1994年 Autumn Special』号にて尾田先生が当時19歳で発表した短編読切『MONSTERS』だったのです。『MONSTERS』は1998年に出版された『WANTED! 尾田栄一郎短編集』にも収録され、今でも読めます。

 その『MONSTERS』の主人公こそが、若き日のリューマ本人。彼はこの作品の中で、スリラーバークでの伝説どおりに見事ドラゴンを斬り伏せています。つまり、スリラーバークに登場したリューマは、新キャラではなく、尾田先生の原点ともいえる作品から『ONE PIECE』の世界へ出演していた存在だったのです。

 スリラーバークにてゾロに愛刀・秋水を託し、英雄から現代の剣豪へと魂が受け継がれる様子が描かれましたが、この二人の関係はたんなる「刀の譲渡」だけでは終わりません。

 ワノ国編やコミックス105巻のSBSで明かされた情報によると、リューマはワノ国の伝説的な「刀神様」であり、鈴後の大名・霜月牛マルの先祖にあたります。そして、その牛マルこそが、ゾロの大叔父であることが判明しているのです。

 つまり、リューマとゾロは遠い血縁関係にあり、ゾロがリューマのゾンビと戦い、秋水を受け継いだのは、数百年越しの運命的な巡り合わせだったといえます。

 また、2024年1月に配信されたアニメ『MONSTERS 一百三情飛龍侍極』。このサブタイトルにもなった「一百三情飛龍侍極」は、ワノ国編でゾロがキングを倒した技名と酷似しており、技の面でもその系譜が受け継がれていることが分かります。

 『ONE PIECE』の連載が始まる前から存在していた一人の侍の物語は、20年以上の時を経て『ONE PIECE』本編と完全にリンクし、ゾロというキャラクターに「最強の剣豪の血筋」という新たな深みを与えることになりました。

 

 ──リューマはスリラーバーク編で突然生まれたキャラクターではなく、尾田先生の原点ともいえる『MONSTERS』から続く存在であり、ワノ国、黒刀・秋水、そしてゾロの血筋を一本の線でつなぐ「剣の物語の核」でした。ゾロが背負う剣士としての運命は、その初登場以前から静かに仕込まれていたのです。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE Log Collection “KING”」(販売元 :エイベックス・ピクチャーズ)』

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