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 『ONE PIECE』マリンフォード頂上戦争編で、弟ルフィを庇い壮絶な最期を遂げたポートガス・D・エース。彼のトレードマークであるテンガロンハットには、泣き顔と笑い顔のような二つの表情マークが装飾されています。実はこのデザインが、彼の数奇な運命と最期の瞬間に深くリンクしていました。

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◆帽子のマークと最期の表情 読者の考察が導き出した奇跡

 その感動的な一致について語られたのは、コミックス第61巻の質問コーナー「SBS」でした。多くの読者から「エースの帽子に付いている二つの表情マークは、彼の人生そのものを象徴していたのではないか?」という鋭い質問が寄せられたのです。

 エースは幼少期、「おれは生まれてきてよかったのか?」という深い悩み(泣き顔)を抱えていましたが、白ひげやルフィと出会い、最期には「愛してくれてありがとう」という感謝(笑顔)と共に人生を終えました。そして、死の直前に見せた表情の変化も、まさに帽子のマークと同じ並びだったのです。

 しかし、これに対する尾田栄一郎先生の回答は意外なものでした。「驚いたという事は、勿論偶然そうなったというわけです」。

 なんと、あの象徴的な帽子のマークには当初、深い意味はなく、たんなる「おしゃれ」として描かれたものだったのです。エースの数奇な運命や結末自体は初登場時から決まっていたものの、帽子のデザインと最期の表情がリンクしたのは、作者自身も予期せぬ完全な偶然でした。

 一方で、エースが命を落とす際の表情については、徹底的に彼の心情を考え抜いた結果生まれたものだと語られています。痛みや苦しみ、申し訳なさ、そして命を落とすことへの恐怖。それらすべてを飲み込んだうえで、ルフィに対して「自分の人生に悔いはない」と伝えるために、彼は最期に精一杯の笑顔を見せたのです。

 「泣く赤ん坊をあやす時、みんな笑顔であやすでしょ? アレと同じです」。相手に笑ってほしいから、自分も笑ってみせる。エースの最期の笑顔は、残されたルフィたちへの優しさそのものでした。計算された伏線ではなく、キャラクターの感情を誠実に描き続けた結果、偶然にもデザインと物語が重なり合い、奇跡のような一致が生まれた。これこそが、エースというキャラクターが生きていた証なのかもしれません。

 

 ──エースの帽子のマークに深い伏線はなかった。これは“後付けの神演出”ではなく、本当に偶然でした。それでも結果的に物語と重なってしまった事実こそが意外であり、『ONE PIECE』のキャラクター設計がどれだけ強固だったかを証明しています。計算ではなく、感情の機微を積み重ねた先に生まれた奇跡だからこそ、エースの生き様は今も色褪せることなく、私たちの胸を打ち続けるのでしょう。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『「ONE PIECE」第18巻(出版社:集英社)』

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