＜この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。＞
ルフィとルッチの戦いはセラフィムの参戦で有利に進むかと思いきや、戦桃丸の命が危ぶまれる事態に進展する──!?
エッグヘッドの町を破壊するほどのCP-0との戦いが早くも佳境を迎える第1101話「最強の人類！セラフィムの能力！」では、ルッチとの戦いがひと段落を迎えることになります。
意外なこの対決の行方はどんな決着を迎えたのでしょうか？
◆なんでもありのギア5ルフィ！ 新たな能力もお披露目
前回、勃発したルフィとルッチの再戦はカイドウ戦を思い出させるような迫力の映像となっていましたが、今週もそれに負けないダイナミックな戦いが繰り広げられました。
ルッチの攻撃を喰らい命を奪われたと思われた戦桃丸は、さすがの“ガードは世界一”を謳う男。ルッチに気づいて防いでいたようで、意識を残していました。とはいえ、防いでいても満身創痍な様子から戦桃丸とルッチとの圧倒的な力量差を感じさせます。
セラフィムへの命令権限を奪取するべく追い討ちをかけるルッチでしたが、二度目はないと言わんばかりにそれを防ぐのがギア5ルフィ。
“ゴムゴムの白い鞭（ドーンウィップ）”でルッチを遠くまで弾き飛ばします。ここであまりの勢いにカートゥーンアニメーションのように回転の勢いで地面に潜ってしまうのがまたギア5らしいところです。
そのムチャクチャぶりは止まりません。さらにその隙をついて戦桃丸に再び迫るルッチを、ギア5のルフィが今度は地中から高らかに笑いながら巨大な顔を覗かせます。
瓦礫を口に含んでスイカの種を飛ばすように乱れ撃ったかと思えば、今度はエッグヘッドのパイプをパチンコのようにして“ゴムゴムの白い（ドーン）ロケット”をルッチに直撃させます。ここでかつてのエニエス・ロビー編でギア3を見せつけたときのルッチとの戦いが重なるように描かれるのが、また粋な演出となっています。
今回の戦いでルフィが突然ゴーグルを出現させたのも驚きの能力でした。悪魔の実の覚醒が周囲にまで影響を与えることは明かされていましたが、ルフィのギア5はさらに“そこにないもの”まで作ってしまうというさり気なくすごいことを披露しています。
◆セラフィムの能力の秘密！ S-シャークの能力が明らかに
そんなルフィとルッチの戦いと平行して繰り広げられたのがセラフィムたちの戦いです。今回のエピソードはそんなセラフィムたちの活躍も重要なポイントでした。
ミホーク型のS-ホーク、ジンベエ型のS-シャーク、そしてハンコック型のS-スネークは子供の姿でありながらも、その能力で政府のエージェントたちを軽々と倒していきます。
その様子を観たフランキーが、S-シャークがセニョール・ピンクのスイスイの実の能力を使っていることに気づくわけですが、その仕組みが今回ベガパンクから以下のように語られます。
・人工の悪魔の実は「動物（ゾオン）系」のみ製造できる
・特殊な悪魔の実も莫大な金と時間があれば恐らくその全てが再現可能
・人工の悪魔の実で“覚醒”させられるかは未確認
・「自然（ロギア）系」は例外で再現が難しい
・「超人（パラミシア）系」は能力者の血統因子があれば特殊な血液“グリーンブラッド”を生成し投与することで能力を得られる。
セリフでさり気なく語られましたが、いずれも衝撃的な事実。
これまで同じ実の能力者は二人といないはずでしたが、超人系・動物系に関しては少なからず現れ得ることが明言されたわけです。
そしてその恩恵を受けているセラフィムたちは現在は味方側にいるので頼もしいですが、本来は政府側の存在ということで麦わらの一味もこれを聞いて恐怖を感じています。
◆最悪の事態に早くも突入？ ルフィの選択とは？
そしてセラフィムの脅威が早くもルフィたちに牙を剥く顛末へと向かっていきます。
研究所までの真空ロケットの最終便が迫る中、ルフィは真空ロケットに乗るか、地上に残ってルッチと戦うかの選択を迫られます。そこで口を開いたのが戦桃丸。ベガパンクを頼むよう伝えた戦桃丸の意思を受け取り、間一髪のところでルフィも真空ロケットへ飛び込み、研究所へと出発します。
後に残った戦桃丸はここで力尽きて倒れます。生死は不明ではあるものの戦桃丸の意識はなさそうなので、これはセラフィムの権限をCP-0に奪われたと判断できるでしょう。
ルッチたちだけでなく、3人のセラフィムまでもCP-0のところに残してしまったルフィたち。果たしてこの判断は正しかったのか、次の展開が気になるところです。
エッグヘッドの戦いも次のフェーズに突入。次回の第1102話「蠢く陰謀！エッグヘッド脱出作戦」では、島を脱出しようとする麦わらの一味やベガパンクと、そんなベガパンクの命を狙うCP-0の第2ラウンドがスタート。ついに一味が合流するという意味でも、盛り上がって来ました。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
(C)尾田栄一郎／集英社・フジテレビ・東映アニメーション
アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。
