<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>
一刻も早くベガパンクを見つけ出さなければいけない中、ついに怪しい動きをしている人物の正体が判明! 麦わらの一味が次に戦わなければいけないのはアイツ──!?
CP-0との戦いの次は、迫り来る海軍……かと思いきや、早くもベガパンクを狙う怪しい影の正体が判明する第1107話「戦慄!研究所へ忍び寄る魔の手」では、意外な人物が麦わらの一味たちの前に立ちはだかります。謎がさらに深まる驚きの回となっていました。
◆ボニーが目撃! バーソロミュー・くまの子供時代になにがあった?
ルフィたちの動向と並行して大きく動いているのがボニーが目撃しているバーソロミュー・くまの記憶です。前回、幼いくまが怯えて泣いている様子が明らかになりましたが、今週はさらに詳しく描かれています。
怯える子供時代のくまは複数の人間に追われており、そこから逃げ出してきた様子。そんなくまに容赦なく暴行を加える様子はなかなかに残酷でかなり辛い子供時代を経ているとうかがえます。ボニーもくまへの暴行を止めに入ろうとするのですが、そこはやはり“くまの記憶”。どうも幼いくまを助けるような関与はできないようです。
果たして子供時代のくまはなぜ追われていたのか? そして、今レッドラインを登っているくまはなにをしようとしているのか? ルフィたちの物語とは不自然なほど交わらない状況が不気味ですが、二人とは知り合いであることも描かれているベガパンクの存在が今後のカギとなって来そうです。となると、なおさら本体(ステラ)の不在がもどかしいです。
◆麦わらの一味とサテライトのベガパンク捜索の平和ムードも束の間──早くも事件発生
そんなベガパンクの本体の捜索をする麦わらの一味と猫(サテライト)の面々の動向が今回のエピソードのメインとなっていきます。
CP-0を倒して一息という気ままな雰囲気の一味たちの様子に反して、次々と不穏な事件が起きます。何者かの襲撃を受けるピタゴラス。不自然に遮断される通信機。意図的に攻撃されていくカメコ。明らかに“敵”となる行動を取っている人物の存在が示唆されていきます。
そんな中、一味の面々は3班に分かれてベガパンクを捜索しつつ、ベガパンクの科学力を体験していきます。人工ダイヤを発見するナミ・ブルック・エジソンチーム。人工の臓器を発見するチョッパー・ロビン・アトラスチーム。兵器開発フロアを進むジンベエ・サンジ・ステューシーチーム。そして具体的な武器“バブルガン”を目の当たりにするウソップ・フランキー・リリス・ヨークチーム。それぞれのやり取りはコミカルではありつつ、話題となっていくベガパンクの発明があまりにもこれまでの『ワンピース』で描かれてきた文明とはかけ離れているので、冷静に考えるとやはりどれも凄まじいものを見せられていると感じます。
しかし、そんな和やかなやり取りをする中で事件が起こるのがウソップやフランキーのいるチーム。ついに連絡が取れなかったピタゴラスを発見するのですが、次なる事件が発生していきます。
◆怪しい影の正体はS-スネークだった! 一体なにが起きている?
攻撃を受けたピタゴラスは顔だけの状態になっても生きていて無事だったのですが、早々にピタゴラスを襲った影の正体が明らかになります。
その犯人はまさかのセラフィムことS-スネーク。油断して近づいたヨークをハンコックのメロメロの実の能力を使って石化させてしまいます。さすがメロメロの実の能力と言わんばかりに、このS-スネークの攻撃シーンはしっかり“かわいく”描かれているのがさすがです。
こうして早くも判明した研究層の不振な動きの正体ですが、この時点でもまだ謎が残ります。
本来セラフィムは誰かの命令なしには勝手に動けないはずです。一度攻撃を中止されていたセラフィムがなぜ襲ってきたのか? セラフィムが自発的に動いているのか、それとも誰かの命令を受けて襲ってきたのか? とはいえ、セラフィムに命令できるのはベガパンクやCP-0のみに限られていることを考えると、研究層にいるメンバーの中でも命令をした人物も限定されてきます。こうなってくると姿を隠したステラや、一度は寝返ったステューシーも怪しく見えてくるので不気味です。
なぜセラフィムが攻撃してきたのか、という謎を追求していきたいところですが、麦わらの一味たちはそれを考えている暇がないのが実際のところ。
次回はセラフィムとの戦いが描かれる第1108話「理解不能!セラフィムの反逆!」が放送されます。本格的にセラフィムとの第2ラウンドがスタート。今回登場したS-スネーク以外のセラフィムたちも登場するようでさらにド派手な展開に突入していきそうです。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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