<この記事にはTVアニメ『ワンピース』と原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 ベガパンクとドラゴンの過去が明かされ、既に死んでしまったと思われたあのキャラクターの生存が明らかに──!?

 ついにベガパンクの本体(ステラ)が堂々の登場となった前回を経て、第1097話「オハラの意思!受け継がれる研究」ではルフィの父であるドラゴンとの関係や、ロビンがオハラを離れてからの出来事が明らかになります。

 そして、エッグヘッドには懐かしのあのキャラクターもついに迫ってきています──。

◆サウロは生きていた!ベガパンクとドラゴンの過去が明らかに

 今回のエピソードは、いきなり22年前のバスターコールを受けた後のオハラの場面から始まります。

 若かりしベガパンクが登場するのですがその姿がまた衝撃的。異常なほどに頭が上に伸びきっていて、人には思えないような姿をしています。その理由については後半に明らかになるのですが、前半ではあまりその姿には言及せずシリアスな会話が続きます。

 というのも、ここで追って登場するのがルフィの父親である若かりし頃のドラゴン。

 この頃はまだ革命軍ではなく自勇軍に所属しており、ベガパンクと同じくクローバー博士に縁があって、花を手向けに訪れていました。クローバー博士の顔の広さに驚くと共に、オハラの事件が革命軍の創設のきっかけになったことや、ベガパンクが財力や海軍には理解者もいるという理由で政府側となったことなどが二人の会話で明らかになります。

 そして、オハラに残された大量の本が、新巨兵海賊団であり、麦わら大船団6船船長であるハイルディンたちによって回収され、それらの本がエルバフへ運ばれていたこと。そしてそれを指示していた人物が、どうやらハグワール・D・サウロであることまでも明らかになります。

 青キジによって氷漬けにされてしまったサウロはてっきりオハラの戦火と共に散っていったと思われていましたが、なんと生存していたということで、今後再登場の見込みが出てきました。そしてそれを知ったロビンは先週以上に幸せそうな涙を流します。伝聞の形で亡くなったはずのキャラクターの生存が明らかになる展開がまた珍しい話。ぜひロビンとサウロには再会してもらいたいです。

◆規格外すぎるベガパンクの構想!さすが未来に生きている男

 後半では、ルフィサイドの現在のベガパンクとのやり取りががっつりと描かれる回となっています。

 改めて本体(ステラ)が登場したのに合わせて、ベガパンクという人物がどういう仕組みで分裂しているのかや、それを自分たちだけでなく他の人類にまで波及させようとしているといった思想の部分に至るまでが語られます。

 そしてベガパンクの異常な知識量が悪魔の実の能力の恩恵も受けていることが発覚します。

 ベガパンクはノミノミの実の能力者で、知識を際限なく記憶できるという能力者でした。そのせいで頭がどんどん肥大化していったようですが、そこは天才科学者というべきか、なんと脳を分離させることで問題を解決。エッグヘッドの巨大な卵の殻の部分にベガパンクの脳みそが格納されているらしく、現在の脳の大きさがとてつもないサイズであることが予想できます。

 このベガパンクの構想でさすがだと思うのが、この『ワンピース』を観ている私たち側も“未来の楽しさ”を想像させられてしまう楽しさがあるところです。

 自動販売機やホログラムなど想像しやすい未来のイメージとは違って、脳を図書館のように自由にアクセスできるようにする……という具体的なベガパンクの構想は、現実世界よりも遥か先の未来を描いていて、我々も未来の島であることを体感する瞬間になっていました。

 また「悪魔の実を人工的に作れる」ということが決定的となったというのも実は重要な回でした。

 モモの助が食べた悪魔の実は、やはりカイドウの食べたウオウオの実とほぼ一緒の性能ということで、ここに来て同じ悪魔の実は2つ以上存在しないという設定が揺らぐ事態となりました。

 エッグヘッド編に入ってから毎エピソード、新事実が明らかになっていく最近の『ワンピース』ですが、さらに謎が深まるのがルフィたちの見つけた“鉄の巨人”です。

 マリージョアを襲撃したという話が出てきたかと思えば、さらにはCP-0がついにエッグヘッドに迫るという展開で次回へと続いていきます。

 ベガパンクは政府側の人物でありながら敵ではなさそうな描かれ方から、エッグヘッド編のヴィランはCP-0になっていきそうな気配。穏便に島を通過できることなんてないとは思いますが、次回の第1098話「奇想天外!天才が想い描く夢!」でどう物語が動いていくかにも注目です。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル 『ONE PIECE公式YouTubeチャンネル』より

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