いまだに明かされていないモンキー・D・ルフィの母親ですが、既に原作マンガに登場しているのではないかとファンの間で噂されています。いったいどんな人物が、ルフィの母親候補としてあがっているのでしょうか?

◆尾田先生が北米版『ジャンプ』で言及している?

 原作者の尾田栄一郎先生は、2008年に北米版の『週刊少年ジャンプ』、『SHOUNEN JUMP』(SJ)に収録されている「SBS」のようなコーナーで、ルフィの母親について言及したといいます。

 そこでは「ルフィの母親はどんな人なのか?」という質問に対して尾田先生は、

①典型的な中年女性らしいパーマヘア

②キレイではない

③屈強で厳格な女性

 と答えていたそうです。

 ①〜③にすべて当てはまっている人物として、幼少期のルフィの面倒を見てきた山賊のカーリー・ダダンが候補として挙がっていますが、もしも彼女がルフィの母親であれば、ガープからルフィの面倒を見るよう頼まれた際、我が子に気づかないというのはあまりにも不自然ですし、なぜそれまで離れ離れになっていたのかという疑問も出てきます。

 また、ダダンはガープの古くからの「知り合い」ですが、仮に彼女がドラゴンの妻や恋人だった場合、そのような他人行儀な言い回しもしないと思われるので、ルフィの母親候補からは外れるでしょう。

◆イム様──麦わら帽子と手配書がヒント?

 原作第906話で初登場したイム様は、2024年末の時点で鮮明な容姿が一切描かれておらず、長らく性別も不明の存在です。

 そんなイム様がなぜルフィの母親だといわれているかというと、住んでいる聖地マリージョアにあるパンゲア城内の「花の部屋」に、凍結された大きな麦わら帽子があったからです。

 そのため、イム様は「ルフィと深く関わっている人物=母親では?」とファンの間で噂になりました。

イム様がルフィの手配書を引き裂いたのは、「息子であるルフィや、彼を出産したという過去との決別を意味しているのではないか」とファンの間では考察されています。しかし、ルフィのほかにも、マーシャル・D・ティーチや、人魚のしらほしの写真もメチャクチャにしているため、真意は不明です。

 ただし、原作1085話でイム様の本名が「ネロナ・イム聖」であることが明かされ、名前の下に「聖」という字がついていることから、性別は「男性」であることが濃厚とされています。

 とはいえ、男性だと確定したわけではなく、ルフィの母親ではない決定的な証拠もないため、原作の今後の展開に注目です。

赤ちゃんを抱っこした女性──たったワンシーンで母親説が浮上

 2022年公開の映画『ONE PIECE FILM RED』では、入場者特典として『巻4/4UTA〟』という漫画が配布されました。

 その中に、赤ちゃんを抱っこした女性がワンシーンだけ描かれていますが、この女性もルフィの母親ではないかと考察されています。

 なぜ、そのようなモブキャラにすぎない女性がルフィの母親だと推測されているかというと、ルフィと仲の良かったウタの生い立ちを描いた同作では、シャンクス率いる赤髪海賊団のクルーたちがウタをあやしているシーンがあり、ウタと年の近いルフィの赤ちゃん時代の描写もあるのではないかといわれているからです。

 そして、注目すべきは女性が抱っこしている赤ちゃんです。その赤ちゃんの髪型はルフィに似ており、髪の色も黒でした。

 赤ちゃんや母親が単なるモブキャラである可能性も高いのですが、尾田先生はたったワンシーンにも重要な伏線を張ることが多いため、無意味にルフィに似ている赤ちゃんを描くとも思えず、このような考察が生まれました。

ニコ・オルビア──ルフィとロビンは血がつながっている?

 意外なことに、ニコ・ロビンの実母のニコ・オルビアも、ルフィの母親候補として名前があがっています。

 ドラゴン率いる革命軍にとって、ロビンは「革命の灯」と呼ばれ、10年以上にわたって捜索されていました。

 その理由はいまだに原作で触れられていないものの、ロビンだけがポーネグリフを解読できることなどに関係していると考えられます。

 しかし、それ以外にもドラゴンがロビンに会いたがっていた理由が「愛するオルビアの娘だからではないか」とファンの間で囁かれています。

 オルビアはロビンが8歳のころ、古郷のオハラが滅ぼされたときに亡くなっているとされていますが、遺体が見つかったわけではないため、実は生存していてのちにドラゴンと結ばれルフィが生まれたのではないかと考察されています。

 また、オルビアは白っぽい髪の色をしていますが、ロビンは黒髪のため、亡くなった前夫の遺伝子を受け継いだ可能性が高いとファンの間でいわれています。そのため、ルフィとオルビアの髪の色が似ていないことにも納得できます。

 もしもロビンとルフィが姉弟関係だとしたら、ファンを中心に大きな衝撃を与えることになりますが、はたして真相はどうなのでしょうか。

 

 ──数多くの女性がルフィの母親として考えられていますが、既に原作に登場しているのか、未登場なのか、はたまた一切登場する予定がないのかは今のところ不明となっています。

 しかし、麦わらの一味の母親の素性は明かされることが多いため、余程のことがない限り、主人公のルフィだけが謎のまま終わるというのも考えにくいでしょう。

 強くてたくましいルフィの母親がどんな人物なのか、今後明かされるのか気になるところです。

〈文/花束ひよこ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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