いまだ謎に包まれた存在のイム様。しかし、一部の読者の間では「ルフィの母親なのでは?」という説が浮上しています。はたして、イム様とルフィの母親にはどんな関係があるのでしょうか?

◆ルフィの母親はイム様? 名前に隠された伏線

 「イム様こそがルフィの母親なのでは?」そう考察される理由の一つに、名前があります。

 105巻のSBSでは、ゾロの家系図が公開されました。その中で、彼の母親の名前が「テラ」であると明かされています。テラとは、ラテン語で「大地」を意味する言葉です。また、サンジの母親の名前は「ソラ」 。これは見ての通り「空」を表します。

 この2つの名前に共通するのは、どちらも自然を構成する要素に由来している点です。「大地・空」とくれば、次に来るのは「海」。もしこの法則がルフィにも当てはまるなら、彼の母親の名前は「海」に関連しているはずです。

 ここで浮上するのが、イム様の名前。イム(IMU)を逆から読むと「UMI(海)」になります。もしイム様の名が「海」を意味しているとすれば、ルフィの母親と関係している可能性があるのではないでしょうか。

◆ドラゴンが天竜人を憎むワケ

 ルフィの父、モンキー・D・ドラゴンは、「世界最悪の犯罪者」と呼ばれています。その目的は、天竜人を打倒し世界政府の支配を覆すことです。しかし、なぜ彼はそこまで天竜人を憎んでいるのでしょうか?

 そのヒントとなるのが、ドラゴンがサボと出会った際に心の中で放った「とうとう子供にコレを言わせるのか......」 というセリフです。この言葉には、過去に誰かから「貴族に生まれて恥ずかしい」といったことを言われた経験があるようなニュアンスが感じられます。もし、その「誰か」が彼の妻、つまりルフィの母親だったとしたらどうでしょう。

 ルフィの母親は、もともと天竜人の血を引いていた。しかし、何らかの理由で天竜人の在り方に反発し、弾圧されたのかもしれません。もしそうであれば、ドラゴンが天竜人打倒を掲げるのも納得がいきます。

 また、第1101話では、ドラゴンが「子は親の弱点だ」と語るシーンがありました。これはルフィへの愛情を感じさせる描写です。同じように彼が妻に対しても、深い愛情を抱いていたとすれば、その死が彼の革命の原動力になった可能性は十分にあるでしょう。

 ドラゴンが世界政府と戦う理由。それが、亡き妻への復讐であるとすれば、彼の行動すべてに一本の筋が通ります。

◆ルフィの母親はイム様に取り込まれた可能性

 第1086話で、イワンコフは「イム様の正体は、800年前に存在した最初の20人の一人、ネロナ=イムではないか」と推測しました。もしこの推測が正しければ、イム様は800年以上生き続けていることになります。

 しかし、人間がこれほど長く生きることは現実にはありえません。仮にそうなら、イム様がどのようにして不老不死の身体を保っているのかという疑問が生まれます。

 イム様は五老星に対し、「ビビが欲しい……」 と発言しています。この言葉は、イム様には他者を「取り込む」力があり、ビビをねらっているとも解釈できます。

 もしイム様が他者を取り込むことで不老不死を維持しているのだとしたら、過去にも同じように誰かを犠牲にしてきたはずです。その犠牲者の一人が、ルフィの母親だった可能性があります。

 ルフィの母親は、もともと天竜人に反発していた「異端の天竜人」だったのかもしれません。そして、弾圧された結果として、イム様によって取り込まれた。だからこそ、イム(IMU)という名は、「海(UMI)」を連想させるものなのではないでしょうか。

 ◆尾田先生の発言「ルフィの母親は登場しません」

 YouTube番組『丈熱bar』に、ルフィ役の声優・田中真弓さんが2022年12月に出演した際にこんなエピソードを語っていました。田中真弓さんは尾田先生に直接「ルフィの母親が知りたい」と尋ねたことがあるのだそうです。すると尾田先生は、「冒険物語を書きたいので、母親は出てきません」と答えたとのこと。

 また、単行本78巻のSBSでは、読者から「ワンピースの登場人物は母親が不明、または亡くなっていることが多いのはなぜか?」と質問が寄せられました。これに対し、尾田先生は「冒険の対義語が母だから」と説明しています。

 この発言を聞くと、尾田先生はルフィの母親を登場させる気がないように考えられます。しかし、これは「ルフィの母親としての役割では登場しない」とも解釈でき、過去回想や別の形で関わる可能性は残されています。また、もしルフィの母親が既にイム様に取り込まれて亡くなっているとすれば「母親は出てきません」という尾田先生の発言とも矛盾しません。

 一方、2008年に発売された北米版の『週刊少年ジャンプ』のSBSでは、尾田先生がルフィの母親について「屈強な女性」「典型的な中年女性がするようなパーマをかけている」などと語ったといいます。

 しかし、これは「育ての母に近いポジションのダダン」のことをさしていると考えられます。ルフィの実母は、そこで語られた容姿とはかけ離れているというのはあり得るでしょう。

 

 ──今後作中で明かされるであろう、ドラゴンの行動理由やイム様の不老不死の謎。それらが語られることで、ルフィの母親の正体が明らかになる日がくるかもしれません。

〈文/鷹野あやね〉

 

サムネイル画像:Amazonより

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