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 「生きてるだけで罪」。世界政府がニコ・ロビンにかける、あまりにも重い言葉です。なぜ彼女は、強大な武力もないのに世界でもっとも危険な存在なのでしょうか。その理由は、彼女が背負う800年の“宿命”に隠されています。「歴史を読める」という彼女の能力こそ、世界政府の偽りの平和を根こそぎ破壊する本当の脅威と考えられます。

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◆「オハラの意志」──なぜロビンの一族だけが歴史を読めるのか?

 ロビンを理解するには、まず彼女の故郷「オハラ」が、なぜ世界政府によって滅ぼされなければならなかったのかを知る必要があります。

 世界政府がもっとも恐れるもの。それは、「歴史の本文(ポーネグリフ)」に記された「空白の100年」の真実です。彼らは、この歴史を解き明かそうとすること自体を「重罪」とし、800年間、徹底的にその研究を禁じてきました。オハラの学者たちがバスターコールで消し去られたのは、彼らがこの世界最大のタブーに触れ、政府が隠してきた「不都合な真実」に近づきすぎたからでした。

 しかし、なぜ世界中の誰も読めない古代文字を、オハラの学者たちだけが継承できたのでしょうか。

 それは、彼らがたんなる研究者ではなく、800年前に滅ぼされたという「巨大な王国」と、何らかの深いつながりを持つ人々だったからかもしれません。あるいは、その王国の“意志を継いだ者たち”だった可能性もあります。

 彼らにとって、古代文字の解読は、知的好奇心を満たすための「研究」ではありませんでした。それは、先祖から受け継いできた大切な「遺産」であり、未来へと真実を伝えなければならない命懸けの「約束」だったといえます。

 ロビンが歴史を読めるのは、彼女がただ優秀な学者だから、というだけではなく、世界政府によって歴史から消された「巨大な王国」の意志を継ぐ、唯一の存在なのかもしれません。そしてその存在自体が、世界政府が築いた800年の歴史が嘘であることの「生きた証拠」となり得る存在といえるでしょう。

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◆「ハナハナの実」の真価──“真実”を世界に咲かせる力

 ロビンが「巨大な王国」の意志を継ぐ者である可能性があることは分かりました。しかし、世界政府が彼女を恐れる理由は、それだけではありません。彼女が食べた悪魔の実、「ハナハナの実」の能力にも、恐るべき可能性が隠されています。

 一見すると、この能力は体のあらゆる部分をどこにでも花のように咲かせるというもので、歴史の解読とは直接関係がないように思えます。しかし、その本当の価値は戦闘ではなく、別のところにあるのかもしれません。

 ロビンはこれまで、無数の目を咲かせて一瞬で広範囲の情報を集めたり、無数の耳を壁に咲かせて敵の会話を盗聴したりする描写があります。彼女の能力の本質は「情報を集めること」、そして「情報を広めること」に非常に優れているといえます。

 これは、世界中に点在する「歴史の本文(ポーネグリフ)」というバラバラの情報を一つに集め、そしてその答えを世界中に広める力なのではないでしょうか。

 このハナハナの実が「覚醒」したとき、彼女が読み解いた「空白の100年」の真実を、無数の口が世界中の町や村の地面や壁に咲き、一斉に語りだす。そんな悪夢のような光景が、実現されるかもしれません。

 世界政府は新聞社「ワールドエコノミーニュース」を通じて報道内容を操作し、民衆が知るべき情報を意図的に遮断してきました。さらに、オハラの壊滅のように「不都合な歴史」を徹底的に抹消することで秩序を維持してきました。

 そんな世界政府がロビンを恐れる本当の理由。それは、彼女がラフテルにたどり着くことだけではなく、彼女の「ハナハナの実」の能力こそが、政府が800年間隠し続けてきた嘘を、一瞬にして世界中に暴き立てられる可能性を秘めているからといえます。ロビンの能力は、まさに政府にとって「最悪の情報兵器」と呼ぶにふさわしい能力だといえるでしょう。

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◆“生きてるだけ”で世界を滅ぼせる、その本当の意味

 ここまで見てきた二つの要素──「巨大な王国の意志」と「真実を広める手段」。この二つをあわせ持つことこそ、ロビンという存在の本当の恐ろしさといえます。

 彼女の故郷オハラの学者たちは、歴史を解き明かすという強い「意志」を持っていました。しかし、その真実を世界中に広める「手段」を持っていませんでした。だからこそ、彼らは政府によって、静かに歴史から消し去られてしまったのです。

 一方、ロビンはどうでしょうか。彼女は、オハラの生き残りとして滅ぼされた王国の「意志」を継ぐ可能性がある、唯一の存在といえます。そして同時に、その真実を世界中に咲かせられる、「ハナハナの実」という最強の「手段」を持っているといえるでしょう。

 800年の歴史の中で、この二つを手にした人間はおそらく彼女が初めてなのでしょう。

もちろん彼女がただ生きているだけで、世界がすぐに滅びるわけではありません。しかし、彼女が麦わらの一味と共に旅を続け、いつか「ラフテル」にたどり着き、「空白の100年」のすべての真実を知ってしまったとしたら。

 その瞬間、物語は最終局面を迎えるのかもしれません。彼女の存在は、世界政府が築き上げてきた800年間の偽りの秩序を、根底から破壊する“引き金”となるのではないでしょうか。

 ロビンが「生きてるだけで世界を滅ぼせる」と言われる、その本当の意味。それは、彼女が「空白の100年の真実」という“弾丸”をその頭脳に装填し、「ハナハナの実」という“銃”をその身に構えている状態だからといえます。彼女がラフテルで“引き金”を引く瞬間、世界政府の支配は終わりを告げるといえるでしょう。

 彼女の旅は、たんなる冒険ではない、オハラの仲間たちの夢を乗せた800年越しの“真実をつなぐ旅”なのかもしれません。

 

 ──ロビンが世界でもっとも危険な存在とされる理由。それは、彼女が「巨大な王国の意志」と「真実を広める能力」を持つ、800年越しの“生きた情報兵器”だからではないでしょうか。

 彼女がラフテルで歴史の真実を告げるとき、世界政府が築いた偽りの秩序は終わりを告げるといえます。ルフィの冒険は、彼女の長く孤独だった戦いを終わらせる、最後の希望の光なのかもしれません。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE Log Collection “NICO・ROBIN”」(販売元:エイベックス・ピクチャーズ)』

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