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 「ヤミヤミの実」と「グラグラの実」。悪魔の実は“一人一つ”という常識を破り、黒ひげは二つの最強クラスの能力を持つ、唯一の存在です。

 しかし、彼の海賊旗が示す「3」という不気味な数字。それは、彼がまだ“最後のピース”を探していることを示しているのではないでしょうか。

 黒ひげが3つ目の能力を手に入れるとしたら、それはどんな力なのか。黒ひげの恐るべき最終形態は、彼の“異形”の体の謎を解くことで見えてきます。

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◆なぜ黒ひげは複数の能力を持てるのか?──「魂の器」を見抜いたマルコの眼

 黒ひげがなぜ、世界の常識を破り複数の悪魔の実の能力を持てたのか。その始まりは、マリンフォード頂上戦争で白ひげ海賊団一番隊隊長マルコが放った一言にあります。「ティーチは少し違う……!体の構造が……“異形”なんだよい!!」。

 この「異形」とはいったい何なのでしょうか。謎を解くヒントは、シャンクスとバギーの会話にあります。ロジャー海賊団の見習い時代、彼らは黒ひげについて「生まれてこの方一度も眠った事がねェんだとよ」と噂していました。「眠らない」という異常な生態。それこそが、彼の“異形”さの根源なのかもしれません。

 では、マルコはなぜその「異形」に気づけたのでしょうか。彼は一番隊隊長であると同時に、高度な医学知識を持つ「船医」でもあります。長年同じ船で過ごす中で、黒ひげが眠らないこと、あるいはそれによって起こる医学的に不自然な特徴(心音が複数ある、体内に二つの脈動が響くなど)を知っていたのではないでしょうか。だからこそ彼は、「体の構造が……」と断言できたのかもしれません。 

 人は眠ることで意識と肉体を休ませます。しかし黒ひげが眠らないのは、「一つの体に複数の意識があり、交代で活動しているため休息を必要としない」構造を持つからではないでしょうか。一つの魂が疲れても、別の魂が表に出ることで活動を続けられるといえるでしょう。

 「眠らない」という異常。それは、黒ひげが複数の人格や魂を持つことを示しているのかもしれません。ルフィがジャヤで初めて黒ひげに会ったとき、「あいつ」ではなく「あいつ“ら”だ」と表現したのも、この伏線と考えられます。

 つまり、黒ひげの体は悪魔の実という“魂の乗り物”を複数収められる特別な“器”になっている。これこそが、マルコが見抜いた「異形」の正体であり、黒ひげが複数の能力を得られる根本的な秘密なのではないでしょうか。

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◆「ヤミ(捕獲)」と「グラ(破壊)」──黒ひげが揃えた“2つの人格”の力

 黒ひげの体が、複数の魂を宿す特別な“器”であるとしたら、彼の能力集めはそれぞれの魂に異なる役割を与える、恐るべき計画に基づいているのかもしれません。

 ここでいう「魂」とは、たんなる精神の断片ではなく、一つの肉体に並存する“独立した人格”と考えられます。

 まず、一つ目の魂が求めたのが「ヤミヤミの実」でした。彼はこの能力を手に入れるためだけに、20年以上もの間、白ひげの船で息を潜めていました。すべての能力者を無力化し、そして能力そのものを奪い取るための“捕獲”の力。これこそが、彼の壮大な計画の始まりであり、土台となる能力だったといえるでしょう。

 次に、マリンフォードの頂上戦争。白ひげを討ち取ったあと、彼は前代未聞の「能力強奪」を成功させます。これは、空いていた「二つ目の魂」を新たな器として、最強の破壊力を持つ「グラグラの実」を、その身に取り込んだのではないでしょうか。

 ここで注目すべきは、黒ひげ海賊団の海賊旗に描かれた「三つのドクロ」です。よく“ケルベロス”を象徴しているといわれますが、それは彼が幻獣の能力者であるという意味ではないのかもしれません。むしろ「一つの肉体に三つの魂を宿す」という、彼自身の“異形”な体質そのものを象徴した旗なのではないでしょうか。

 つまり、黒ひげの能力収集は偶然ではなく、複数の魂を“役割ごとに別々の能力で満たす”計画だったと考えられます。現在、彼の器のうち二つは「捕獲(ヤミ)」と「破壊(グラ)」で埋まっています。しかし旗が示すように、まだ最後の一つ“第三の魂”は空いたままです。

 黒ひげの真の恐怖は、まだ完成していないという点にあります。最後のピースがはまるとき、彼は「捕獲」「破壊」に続く第三の力を得て、世界を終わらせる存在へと完成してしまうのかもしれません。

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◆空っぽの“第三の器”──彼が最後に求める能力とは?

 黒ひげの計画が、三つの魂に三つの能力を宿らせる「三位一体」のものであるならば、まだ空席である“第三の器”には、いったいどんな力が収まるのでしょうか。

 彼の持つ二つの能力、「捕獲」のヤミヤミと「破壊」のグラグラ。これらはどちらも攻撃面に特化した、最強クラスの能力です。しかし、彼には明確な弱点があります。それは、ヤミヤミの実の副作用によって「常人の倍のダメージを受けてしまう」という肉体的な脆さです。

 ルフィや五老星といった、神の名を持つ者たちとの最終決戦を生き残るためには、この弱点はあまりにも致命的です。彼が最後に求めるピースとは、この弱点を完全に克服し、自身を完成させるための「圧倒的なタフネス」と「回復力」ではないでしょうか。

 その条件をもっとも満たすのが、動物(ゾオン)系の能力、それも覚醒したカイドウが見せたような、常識はずれ打たれ強さと回復力を持つ「幻獣種」です。あるいは、エッグヘッドでサターン聖が見せた、驚異的な再生能力を持つ幻獣種かもしれません。

 黒ひげが最後に「動物(ゾオン)系幻獣種」の能力を手に入れたとすれば、「自然(ロギア)系」「超人(パラミシア)系」「動物(ゾオン)系」すべてを制覇する、史上初の存在が誕生することになります。

 「捕獲」「破壊」、そして「再生」。この三つの力が揃ったとき、黒ひげはもはや弱点のない、文字通り“悪魔”として完成してしまうといえます。彼の計画の最終段階は、神々さえも超えようとする、恐るべきものなのかもしれません。

 

 ──黒ひげがねらう「3つ目の能力」。それは、彼の異形の体を器とし、弱点を克服するための「動物系幻獣種」である可能性が高いといえます。

 「ヤミ(捕獲)」「グラ(破壊)」、そして「ゾオン(再生)」。三つの力が揃ったとき、黒ひげは弱点のない“悪魔”として完成します。「神」を象徴するルフィの“自由”の力に対し、黒ひげは「悪魔」としての“支配”の完成体。そのときこそ、物語は神と悪魔の最終決戦へと突き進むのかもしれません。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:『「ONE PIECE」105巻(出版社:集英社)』

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