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 地図から消えたルルシア王国。そこにいたはずのサボは生きており、革命軍に持ち帰ったのは、世界の王「イム様」の存在という800年間隠された最大の禁忌でした。なぜ、神のごとき力を持つイム様は、このもっとも危険な“目撃者”を逃したのか。

 神のたった一つのミスが世界の運命をどう変えるのか。その真相は、サボが見た光景から見えてくるのかもしれません。

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◆「世界の禁忌」を目撃した男──サボが見た“虚の玉座”の真実

 サボが生きていた──。その事実の重さを理解するには、まず彼が何を“目撃”してしまったのかを知る必要があります。

 サボが世界中から追われる身となった直接の理由は、アラバスタ王国のネフェルタリ・コブラ王の命を奪った、という濡れ衣でした。しかしその事件の裏で、彼はもっと恐ろしい、世界の根幹を揺るがす光景を目の当たりにしていたのです。

 それは、誰も座ってはならないはずの「虚の玉座」に、静かに座る一人の人物。そして、その人物の前にひざまずき、忠誠を誓う五老星の姿でした。

 世界政府とは、800年前に20人の王が「世界に唯一の王は作らない」という平等の誓いを立て、その象徴として「虚の玉座」を置いた、という“建前”の上に成り立っています。

 イム様の存在は、この800年間続いてきた世界政府の“大嘘”を、根底から覆してしまう絶対的な証拠といえます。サボは、この世界の支配構造が、まったくの偽りであったことを知ってしまったのです。

 当然、イム様と五老星は、この禁忌の場面を目撃したサボを、生かしておくはずがありません。彼が通信のために逃げ込んだルルシア王国ごと、天から降り注ぐ光で、跡形もなく消し去ろうとしました。

 島を地図から消し去るという、神のごとき力による、完璧な“証拠隠滅”。しかし、その完璧なはずの計画に、たった一つの“想定外”が起こりました。

 それは、サボが生きていたのです。彼は、800年間隠され続けた「世界の嘘」の、唯一の生き証人となりました。サボが生きてその事実を伝えたこと。それ自体が、イム様にとって計算外の、そして致命的な“ミス”だったといえるでしょう。

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◆神の“たった一つのミス”──なぜ“世界最悪の目撃者”を逃したのか?

 島一つを地図から消し去るという、神のごとき力を持つイム様。その完璧なはずだった証拠隠滅から、なぜサボは逃れることができたのでしょうか。

 原作で明かされた描写によると、ルルシア王国が消滅したその瞬間、サボは既に王国から出航した船の上にいました。つまり、彼はイム様の攻撃範囲から、わずかに外れていたのです。

 ではなぜ、全能に見えるイム様は、そんな単純なミスを犯してしまったのでしょうか。

 一つは、能力の限界かもしれません。イム様の攻撃であろうあの大きな影は、広範囲を破壊する絶大な威力はあっても、海上の小さな船を一隻だけ正確にねらい撃つような、精密なコントロールは苦手だった可能性があります。

 しかし、もっとも大きな要因は、イム様と五老星の“油断”と“傲慢”ではないでしょうか。

 彼らは、サボが「虚の玉座」を目撃したことは知っていても、彼がどこへ逃げたかまでは、リアルタイムで正確に把握できていなかった──。サボはルルシア王国から出航すると同時にドラゴンへ間接通信を行っていました。その通話から、彼らはサボがまだルルシア王国にいると“判断”し、その王国ごと消し去れば問題はすべて解決すると、安易に考えてしまったのかもしれません。

 800年間、絶対的な支配者として君臨し、自分たちの計画が失敗することなど想像もしたことがない。そんな彼らの“傲慢”。このわずかな情報のズレと油断こそが、サボを取り逃がすという、致命的なミスにつながったのではないでしょうか。神が初めて見せた、この小さなほころびが、やがて世界の運命を大きく変えることになるのかもしれません。

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◆革命の“最終目標”の確定──神を討つための戦いへ

 イム様がサボを見逃してしまったこと。それは、革命軍の戦いを、まったく新しい次元へと進化させる、決定的な引き金となるのかもしれません。

 サボが命懸けで持ち帰り、ドラゴンたちに伝えた「虚の玉座に座る王」の存在。この情報によって、革命軍の“本当の敵”が、初めて明らかになりました。

 これまで彼らが戦ってきたのは、「天竜人」という“仕組み”や、その象徴である世界政府でした。しかし今、彼らはその仕組みの頂点に立つ、イム様という“個人”を、打倒すべき最終目標として、はっきりと捉えたのではないでしょうか。

 そして、この禁忌を目撃し、神の罰から生還したサボは、もはやたんなる革命軍のNo.2ではありません。彼は、偽りの神の存在を世界に告発し、人々の心に真実の炎を灯す「預言者」のような役割を担うことになったといえます。彼の二つ名「炎帝」は、今や兄エースの意志を継ぐだけでなく、世界の闇を照らし、革命の道を導く希望の炎の象徴となったといえるでしょう。

 この事実は、やがてルフィの戦いとも重なる可能性があります。ルフィは「太陽の神ニカ」として、イム様の天敵となりうる運命を背負っています。そして今、兄のサボがイム様の正体というもう一つの決定的な情報を手に入れました。

 物語の最終局面、世界の本当の歴史を知るルフィと、世界の支配者の正体を知るサボ。この二人の兄弟が情報を共有し、ともに戦うときこそ、800年間も続いた偽りの支配に、終止符が打たれる瞬間なのではないでしょうか。

 イム様がサボを見逃した、たった一つのミス。それは、革命軍に「神を討つ」という最終目標を与え、そして「太陽」と「炎」という二人の兄弟を、一つの目的のために固く結びつけてしまったことといえるでしょう。この神の油断こそが、800年続いた支配を終わらせる、すべての始まりとなるのかもしれません。

 

 ──なぜイム様はサボを見逃したのか。それは、800年の支配が生んだ、神の“油断”によるたった一つのミスだった可能性が高いといえます。しかし、そのミスこそが、革命軍に「神を討つ」という最終目標を与え、世界の運命を動かす引き金となったといえるでしょう。

 世界の禁忌を目撃した「炎帝」サボと、神の天敵「太陽の神」ルフィ。神のあやまちによって今、二人の兄弟の力が一つになろうとしています。偽りの神が倒れ、世界の夜明けが訪れる日も、そう遠くないのかもしれません。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE Log Collection “SABO”」(販売元:エイベックス・ピクチャーズ)』

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