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※この記事にはTVアニメ・原作漫画『鬼滅の刃』のネタバレが登場します。ご注意ください。

※本記事は漫画『ONE PIECE』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 元海軍大将の青キジ・クザンですが、赤犬との決闘に敗れたのち、なぜ彼は黒ひげの仲間になったのでしょうか。

 青キジが黒ひげの元にいる本当の目的と、その牙を剥く「裏切りの日」はいつ訪れるのか──。その答えは、彼の掲げる「だらけきった正義」の本当の意味を解き明かすことで、見えてくるのかもしれません。

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◆「だらけきった正義」の本当の意味──組織に縛られない個の信念

 クザンが黒ひげの仲間になった。その衝撃的な事実の裏にある彼の真意を理解するには、まず彼が掲げる「だらけきった正義」という言葉の、本当の意味を知る必要があるでしょう。

 彼の正義感が大きく揺らいだ原点は、20年以上前のオハラの悲劇にあります。親友であったハグワール・D・サウロの「正義」と、海軍が下した非情な「命令」との間で葛藤した末、彼はサウロの意志を継ぎ、たった一人の生き残りであるニコ・ロビンを逃しました。これは、彼が海軍の「絶対的正義」に、初めて明確に背いた瞬間といえます。

 その心の葛藤は、頂上戦争後、頂点に達します。元帥・センゴクから次期元帥に推薦されたクザン。しかし「徹底的な正義」を掲げる赤犬・サカズキは彼の下につくことを良しとせず、その座を懸けて10日にもおよぶ死闘を繰り広げクザンに勝利します。

 クザンの海軍離脱は、オハラの悲劇を再び繰り返しかねない赤犬の危険な正義を、彼自身の信念が許さなかったからといえます。組織の歯車になることを拒否し、彼は自らの意志で動く道を選んだといえるでしょう。

 そしてその“変わらぬ心”は、パンクハザードで示されました。海軍を去ったにも関わらず、彼はドフラミンゴによって窮地に陥った、スモーカーを、迷うことなく救います。そして「おれはおれだ……スモーカー」と、静かに語りました。

 この言葉こそ、彼の「だらけきった正義」の真髄です。それは、決して怠惰や無責任のことではありません。海軍や海賊といった「組織」の枠に縛られることなく、ただ己の信念と、仲間を思う心に従って自由に行動する。それこそが、彼の掲げるあまりにもストイックな生き様の宣言なのかもしれません。

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◆なぜ“黒ひげ”なのか?──闇の中に潜む「真の目的」

 自らの信念で動くクザン。ではなぜ、そんな彼がもっとも相容れないはずの黒ひげ海賊団に身を置いているのでしょうか。そこには、クザンの「真の目的」が隠されているのかもしれません。

 まず、黒ひげ海賊団は、クザンの信念とは正反対の組織です。仲間同士の裏切りも日常茶飯事で、目的のためなら民間人の犠牲もためらわない。これは、旧友を救い、市民を優先したクザンの「正義」とは、決して交わらない価値観といえます。

 ではなぜ、彼はそんな組織にいるのか。それは、海軍を離れた彼が「世界の真実」を探るためにもっとも効率的な場所を選んだからではないでしょうか。

 黒ひげは「Dの一族」であり、その目的のためには「歴史の本文」の解読が不可欠だと考えられます。クザンは黒ひげの仲間になることで、海軍にいては知ることのできない「空白の100年」や「Dの意志」といった、世界の謎に内部から迫ろうとしているのかもしれません。

 あるいは、もっと具体的な任務を帯びている可能性もあります。黒ひげは、最後の「ロードポーネグリフ」の在処を知る「火ノ傷の男」を探しています。クザンは、黒ひげがラフテルに到達するのを内側から阻止するため、あるいはその動向を監視するために、元帥時代のセンゴクや師であるガープ、あるいはシャンクスなど、誰かから依頼を受け、あえてその懐に飛び込んだ「番人」なのかもしれません。

 クザンが黒ひげの元にいるのは、決して彼に心酔したからではなく「世界の真実を探る」か「黒ひげの暴走を止める」という、「真の目的」を果たすための危険な潜入捜査である可能性が高いです。彼は、黒ひげに牙を剥く機会を、静かにうかがっているといえるでしょう。

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◆「Xデー」はいつか?──元大将が黒ひげを“裏切る”瞬間

 クザンが黒ひげを内部から崩壊させるための“潜入捜査官”だとしたら、彼がその牙を剥く「Xデー」は、いつ訪れるのでしょうか。

 その引き金となるのは、黒ひげの非道な行いが、クザンの「正義」が決して許容できない一線を超えたときである可能性が高いです。

 たとえば、黒ひげが自らの野望のために、無関係な市民を大規模に、そして無慈悲に犠牲にする作戦を実行しようとしたとき。クザンの脳裏には、民間人の避難船を砲撃し、焼き尽くした赤犬の姿が蘇ると考えられます。オハラの悲劇を繰り返させない。その強い思いが、彼に反旗をひるがえさせる、最初のきっかけとなるのかもしれません。

 あるいは、そのタイミングはより戦略的なものになる可能性もあります。黒ひげがすべてのロードポーネグリフを揃え、ラフテルへの道筋が見えたまさにその瞬間。クザンは、自らの潜入任務の最終目的を果たすため、内部から黒ひげ海賊団を奇襲し、その野望を根底から打ち砕く、最大の“裏切り”を仕掛けるのではないでしょうか。

 では、黒ひげを裏切ったクザンは、その後どうするのか。彼が再び海軍に戻ることは考えにくいでしょう。彼は海軍でも、海賊でもない、完全に独立した「第三勢力」として、最終戦争の渦中に立つことになるといえます。

 そして、そんな彼が最後に味方するのは、ルフィたち麦わらの一味なのかもしれません。彼の「ヒエヒエの実」の能力は、能力者の弱点である「海」そのものを凍らせ、広大な足場を作れます。これは、最終戦争において、ルフィたちが自由に戦うための決定的な助けとなるといえるでしょう。

 クザンが黒ひげを裏切るXデー。それは、彼の正義の心が燃え上がるとき、あるいは彼の任務が最終段階を迎えたときである可能性が高いです。いずれにせよ彼は、組織の枠を超えた一人の“人間”として、世界の夜明けを信じるルフィの側に立ち、自らの「だらけきった正義」を、最高の形で貫くのではないでしょうか。

 

 ──元海軍大将クザンが黒ひげの仲間になったのは、世界の真実を探るための“潜入捜査”なのではないでしょうか。

 彼の「だらけきった正義」とは、組織に縛られず己の信念だけで動くこと。黒ひげの非道が一線を超えたとき、彼は必ずその牙を剥くでしょう。

 海軍を捨て、闇に潜んだ“氷の男”。彼が再び正義の心で動き出すとき、最終戦争の勢力図は大きく塗り替わるといえます。彼が最後に選ぶのは、ルフィの隣なのかもしれません。

〈文/凪富駿〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に、フリーライターとして活動中。特にジャンプアニメに関する考察記事の執筆を得意とする。作品とファンをつなぐ架け橋となるような記事の作成がモットー。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE Log Collection  “FOXY”」』

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