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※この記事にはTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが登場します。ご注意ください。

※本記事は漫画『ONE PIECE』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 圧倒的な風格と威圧感を兼ね備え、「四皇」の一角に君臨する赤髪のシャンクス。いまだ戦闘描写こそ少ないですが、エルバフ編に突入して以降、徐々にその強大すぎる戦闘力の片鱗が垣間見られています。そんなシャンクスは非能力者と思われていましたが、実は「ある人物」の登場によって「悪魔の実」の能力者である可能性が出てきたのです。

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◆シャンクス能力者説は以前から囁かれていた?

 実はシャンクス=悪魔の実の能力者説については、ファンの間でも昔から囁かれていました。その理由として、非能力者では説明がつかない違和感のある描写が多いからです。とりわけ、コミックス第579話で頂上戦争を止めにマリンフォードにやってきたシャンクスの描写には、SNSなどでも物議を醸していました。

 なぜなら頂上戦争が勃発する直前、シャンクスは「新世界」で当時四皇だったカイドウと小競り合いを起こしていたことが判明していたからです。作中では、突然のシャンクスの登場に海軍も驚いていましたがそれもそのハズ……。本来なら物理的にも時間的にも「新世界」からマリンフォードまで間に合うはずがありません。

 つまり、何かしら普通ではない手段を使って移動してきたと考えられるのです。そこで、ファンの間では1つの可能性として、悪魔の実の能力が浮上していました。候補として考えられていたのが、空間移動系の悪魔の実や、光月トキが食べたトキトキの実などです。

 またかつて四皇だった白ひげ、カイドウ、ビッグ・マム、新たな四皇であるルフィ、黒ひげ、バギーは全員「悪魔の実」の能力者です。新旧「四皇」のメンバーの中で、シャンクスだけが非能力者という点も違和感があるとも囁かれています。

 しかし同時にシャンクスが能力者だった場合、矛盾する点が多いのも事実です。まず、第1話でルフィを助ける際にシャンクスは海に飛び込んでいます。当時はまだ悪魔の実を食べていなかった可能性も十分に考えられますが、そもそも赤髪海賊団に悪魔の実の能力者が一人もいない点も気になります。

 また、物語が進むにつれ強さの指標が「覇気」にシフトしていきます。これに関しては、カイドウは「覇気だけが全てを凌駕する」と発言していますし、最強と名高い海賊王のロジャーも非能力者であることが明かされています。ロジャーはシャンクスの憧れの存在なので、ロジャーの意志を継ぐシャンクスが非能力者というのは読者としても納得感が増すのではないでしょうか。

 このように、シャンクスは能力者の可能性もあり、非能力者の可能性も考えられるのです。この辺りの塩梅は、さすがは尾田栄一郎先生というべきでしょうか。しかし、最近登場したある人物により、シャンクスは「悪魔の実」の能力を扱える可能性がグンと高まってきたのです。

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◆注目すべきはフィガーランド兄弟の「剣」

 シャンクスが能力者である根拠となる人物が、シャンクスの生き別れの兄であるフィガーランド・シャムロックです。シャムロックは神の騎士団団長の天竜人でありながら、その姿はシャンクスと瓜二つ。

 尾田先生は、キャラクターを作るうえで言葉遊びや語呂合わせを重要視していることが知られています。さらに、黒ひげとルフィ、天竜人の「支配」と海賊の「自由」など、作中でも多くの対比構造を盛り込んでいます。実はシャムロックとシャンクスの設定にも、語呂や対比などが多く見受けられるのです。

 たとえば、性格は「使えん奴らだ」と部下を切り捨てるシャムロックに対し、シャンクスは仲間想いです。さらに、利き腕もシャムロックは右手で、シャンクスは左手となっています。また、名前の語呂も「シャム6ック」と「シャン9ス」とまさに上下逆さまの数字が当てはまる仕掛けが隠されているのです。何より、シャムロックは「支配」を重んじる天竜人であるのに対し、シャンクスは長い間「自由」を求める海賊として過ごしていました。

 これらのことからも、尾田先生は2人にいろいろな対比要素を設定していることが分かります。実はこの対比こそがシャンクスの悪魔の実の能力についてのヒントにもなっています。注目したいのは、両者が持つ「剣」……。

 シャムロックの剣は「ケルベロス」、対してシャンクスの剣は「グリフォン」だと明かされています。そんなシャムロックの剣ですが、コミックス第1138話でシャムロックが愛刀を抜くと、なんと本物の「ケルベロス」が登場するのです。もちろん、剣が生物に変化する理由は1つしか考えられません。つまり、悪魔の実です。

 作中では、犬銃ラッスーや、象剣ファンクフリードなど悪魔の実を食べた武器がいくつか登場します。シャムロックのケルベロスも悪魔の実の能力を秘めているでしょう。そうなると、対比関係にあるシャンクスのグリフォンも悪魔の実の能力を持っていても不思議ではないです。

 実はTVアニメ第1112話でシャンクスがユースタス・キッドを倒す際、抜刀した剣が「グリフォン」に変化する演出が描かれていました。こちらは原作にはなかった描写なので、アニメならではの演出として組み込まれたのかもしれません。しかし、「ラフテル」など、過去にアニメで先に出された伏線もあるので、一概に根拠にならないとは言い切れないのです。

 なんにせよ、グリフォンが悪魔の実を食べた剣だった場合、シャンクスは非能力者でありながら、悪魔の実の能力を扱える人物ということになります。そうなると、先ほど触れた矛盾や謎にも整合性が出てくるのではないでしょうか。

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◆グリフォンは飛行能力を持った最後の「トリトリの実」?

 仮にグリフォンが悪魔の実の能力を持っていた場合、どんな悪魔の実なのでしょうか? グリフォンは、ワシの翼と上半身、ライオンの下半身を持つ伝説上の生物です。そして、TVアニメの描写を見る限り、飛行能力を有している可能性が高いと考えられます。

 飛行能力を持つ「悪魔の実」といえば、「世界で5種しか確認されぬ」というペルの発言を思い出す人も多いでしょう。実は作中では「リュウリュウの実」や「ムシムシの実」などを含めた場合、飛行能力を持つ悪魔の実はすでに5種類以上登場しています。

 しかし、原作に登場したペルと同じ「トリトリの実」に限定すると、実はまだ5種類揃っていません。現状判明している「トリトリの実」の能力者は、ペルのモデル“隼(ファルコン)”、マルコのモデル“不死鳥(フェニックス)”、モルガンズのモデル“アルバトロス”の3つです。

 さらに黒ひげ海賊団のラフィットが腕を翼に変えている描写があるので「トリトリの実」の能力者だと目されています。つまり、シャンクスのグリフォンが「トリトリの実」だった場合、5種類すべてが揃うことになります。その場合、グリフォンは「トリトリの実」の幻獣種となるのかもしれません。

 

 ──ルフィに帽子を託し、その成長を遠巻きに見守ってきたシャンクス。ルフィは「太陽の神ニカ」への覚醒で作中屈指の実力を持つことになりましたが、シャンクスはルフィの超えるべき壁として、さらなる能力を秘めているのかもしれません。

 〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE ワンピース 14thシーズン マリンフォード編 piece.8」(販売元:エイベックス・ピクチャーズ)』

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