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※本記事にはTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はTVアニメ・原作漫画『ONE PIECE』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 ハンコックが次に向かう先は、ルフィの船ではなくクロスギルドかもしれません。海軍と黒ひげの襲撃でアマゾン・リリーが危機にさらされた今、彼女には「国を守る皇帝」としての責任があります。一方で、ルフィに会いたいという想いも捨てられないはずです。その2つを同時に満たす選択肢として、元七武海が集う危険な組織が浮かび上がります。

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◆ハンコックはなぜルフィの元へ行けないのか 女帝が背負うアマゾン・リリーの危機

 ここでまず重要なのは、「ハンコックが個人でルフィの船に合流することは難しい」という厳しい現状です。

 ハンコック自身が国を飛び出してルフィの後を追えば、残されたアマゾン・リリーの国民は海軍や黒ひげのような海賊にとって格好の標的になり、人質にされてしまう危険があるといえます。皇帝として国を背負う彼女のプライドが、国民を見捨てて愛に走ることを許さないのではないでしょうか。彼女には「国ごと守ってくれるような受け皿」が必要だと考えだすのかもしれません。

 その事実を裏付けるのが、第1059話で明らかになった「16億5900万ベリー」というハンコックの新たな懸賞金です。この数字は、海軍本部が彼女の「メロメロの実」の能力を危険な戦力とみなしている証拠だといえます。

 さらに今後もハンコックの懸賞金目当てに、海賊や海軍大将クラスの強者が彼女をねらって何度も攻めてくる可能性があり、「ハンコックがいる場所=戦場になる」という過酷な現実を意味している可能性があります。

 つまり故郷を守るためには、彼女自身が島を出て、海軍すらも手出しできない組織に入るしか道はないのではないでしょうか。

 そこで考えられるのが、元王下七武海たちが結成した「クロスギルド」という選択肢です。第1056話でユースタス・キッドの口から語られたように、クロスギルドの目的は海軍に懸賞金を懸けることで、追われる身となった元七武海のミホークとクロコダイルが互いを利用し、守り合うことにあります。

 同じく元七武海であり、組織の盾を必要としているハンコックにとって、これほど利害が一致する場所は他にないといえるでしょう。

 ハンコックがクロスギルドを選ぶのは、皇帝としての責任を果たすうえでもっとも合理的で唯一の手段だと考えられます。彼女は、愛よりもまずは責任を選び、一時的にあの男たちと手を組む可能性が今後生まれるかもしれません。

◆クロスギルド入りは遠回りではない? ルフィへ近づく女帝の“最短ルート”

 クロスギルドへの加入という選択は、彼女がルフィを諦めたことを意味するわけではありません。むしろこれこそが最愛のルフィへと近づくための“最短ルート”になる可能性を秘めているのです。

 現在のクロスギルドは、第1082話でバギーが「取りにいくぞォ!!!“ひとつなぎの大秘宝”!!!!」と宣言したことによって、組織全体が「ひとつなぎの大秘宝」の争奪戦へ強制的に参戦することが確定しています。バギーの独断ではあったものの、組織の舵が大きく覇権争いへと切られた事実は変わらないといえるでしょう。

 新世界の覇権争いへ飛び出すということは、同じく海賊王を目指して突き進む「麦わらのルフィ」と、いずれどこかの海で必ず激突、あるいは共闘する道に乗ることを意味しているのではないでしょうか。

 つまりクロスギルドへの加入は、「国を守るための防衛」と「愛するルフィに会うための確実な航路」という彼女が抱える二つの目的を同時に叶える完璧な一手になる可能性があります。

 一方、組織を裏で実質的に仕切っているクロコダイルやミホークにとっても、ハンコックの加入は大きなメリットがあると考えられます。

 第1082話でクロコダイルは「おれ達の“理想郷(ユートピア)”はいかなる勢力にも脅かされねェ「軍事国家」だ──その為に必要なのは…圧倒的な“力”だな……!!」と語っています。

 そんな中ハンコックが加入すれば、世界最強の剣士ミホークの圧倒的な「武力」、クロコダイルの冷徹な「知略」に加え、ハンコックが率いる「九蛇」という覇気を操る強固な“軍隊”、そして彼女自身の懸賞金「16億5900万ベリー」という世界的な注目度と戦力が加わることになるといえます。

 これによりクロスギルドは名実ともにほかの四皇勢力や世界政府に並ぶ巨大戦力となり、彼らが密かに目指す「ユートピア建国」という一大野望も、より現実味を帯びてくるかもしれません。

 ハンコックのクロスギルド加入は、彼女と組織の双方がお互いの目的を達成するための利害の一致によって十分に成立すると考えられます。それは新世界の勢力図を大きく塗り替える、強力な同盟の誕生を意味しているのかもしれません。

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◆最終戦争でハンコックは誰につくのか クロスギルドを揺らす“恋心”

 第956話でハンコックは、自身が七武海になった理由について「わらわ達が王下七武海になったのは強さゆえじゃ」と語っています。

 その言葉が示している通り、圧倒的な実力によって世界政府に認められていたミホーク、クロコダイル、そしてハンコック。この元七武海のメンバーたちが一つの組織に集うことで、クロスギルドは四皇や世界政府に匹敵し、最終戦争の行方を握る最強の「第三勢力」となると考えられます。

 しかしこの組織には、一つだけ予測することが難しい“巨大な爆弾”が存在するのかもしれません。それこそが、ハンコックが胸に秘めるルフィに対する「盲目的な恋心」です。

 最終戦争において、クロスギルドがルフィ率いる麦わらの一味と激突する局面が訪れたとき、彼女はいったいどのような動きを見せるのでしょうか。

 第570話のマリンフォード頂上戦争でハンコックは、王下七武海という政府側の立場にありながら、「“恋はいつでもハリケーン”なのじゃ」と宣言し、ルフィに牙をむく海軍の人間兵器・パシフィスタを次々と破壊していました。

 この前例を踏まえると、たとえ組織の利益やクロコダイルによる命令があったとしても、彼女は愛するルフィのためであればいつでもミホークやクロコダイルを平気で裏切る可能性が十分にあり得ます。

 第1059話でカタリーナ・デボン、バスコ・ショットといった黒ひげ海賊団の強者すらも石化してしまう威力を見せたハンコック。皇帝としての責任と一人の女としての恋心の間で揺れ動く彼女の決断こそが、最終戦争の行方を左右する最大の“ジョーカー”となるのかもしれません。

 

 ──ハンコックがクロスギルドに加わるという展開は、一見するとルフィから遠ざかる選択に見えます。しかし、アマゾン・リリーを守りながら新世界の中心へ進むためには、元七武海たちが集う組織に身を置くことが、もっとも現実的な道になる可能性があります。

 ミホークの武力、クロコダイルの知略、バギーの四皇という看板。そこにハンコックと九蛇が加われば、クロスギルドは最終戦争の行方を左右する巨大な第三勢力へと変わるかもしれません。ただし、ハンコックには何よりも優先される感情があります。もしルフィとクロスギルドが対立したとき、女帝の恋心が勢力図を一気に塗り替える可能性もあるでしょう。

〈文/凪富駿(ONE PIECE担当ライター)〉

《凪富駿》

アニメ・漫画に関するWebメディアを中心に活動するフリーライター。アニギャラ☆REWでは『ONE PIECE』関連記事を担当し、物語の伏線、キャラクターの関係性、名シーンの解釈などを読者目線でわかりやすく解説している。作品を読み返したくなるような記事制作を心がけている。

 

※サムネイル画像:Amazonより 『DVD「ONE PIECE Log Collection “HANCOCK”」(販売元:エイベックス・ピクチャーズ)』

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