<この記事にはTVアニメ、原作漫画『【推しの子】』のネタバレが含まれます。ご注意ください。>

 現在、第2期が放送中の『【推しの子】』は、芸能界のリアルな世界を描くだけでなく、サスペンス要素もあり、作中に謎や伏線が散りばめられています。ファンの間では、タイトルの【】や目の星についてなど、多くの考察がされているようです。

◆インタビューに黒川あかねがいなかった理由は?

 さまざまな考察を生んだ単行本1巻に収録されている「15年の嘘」のインタビューについて、最新15巻で重大な事実が判明しました。

15年の嘘」のインタビューとは、アイの殺傷事件を描いたドキュメント映画「15年の嘘」のキャストや関係者などへのインタビューシーンです。当初より、このインタビューは最終回へつながる重要な伏線が隠されていると、ファンの間で考えられてきました。なかでも、特に考察されてきたのは黒川あかねがインタビューにいない理由です。

 あかねは主要人物なうえに、「15年の嘘」でアイが所属していたB小町の元メンバーを演じています。あかねと同じく主要人物で、一緒にB小町の元メンバーを演じている有馬かながインタビューされているのに、あかねがいないのは不自然でしょう。

 また、ほかにもファンの間では、有馬のインタビュー発言があかねのことを示唆しているとの考えもあります。有馬は、インタビューで「天才だってナイフで刺されればお陀仏です」と発言していました。天才はアイをさしているように思えますが、有馬はあかねの実力を認めていたので、あかねのこととも解釈できるでしょう。このことから、あかねは途中で死亡するとの見方もあったのです。

 しかし、最新15巻で、このインタビュアーがアイを殺した黒幕のカミキヒカルだと発覚しました。

 あかねは得意なプロファイリングと優れた考察力で、早いうちに黒幕がカミキヒカルだと気づいています。一方、カミキ自身も15巻であかねが自分のことをつけ回しているのを察していました。このことから、おたがいに警戒してあかねのインタビューシーンが無かったと考えられるでしょう。

◆タイトルの【】の意味とは?

 本作のタイトルの【】には原作者の赤坂アカ先生から意図があると語られており、どのような意味があるのかファンの間で考察されています。

 以前、TSUTAYAのインタビューで赤坂先生はタイトルの【】のことを尋ねられると、「意図的に二重にしていて、作中の演出で使用するプランはあります」と回答しました。この回答からファンの間では【】の意味について、さまざまな考察がされているのです。

 また、インタビューでは作中で【】が使われたことに触れていて、考察するうえでのヒントとされています。

 作中で【】が使用されたのは「2.5次元舞台編」の「東京ブレイド」の出演メンバーが顔合わせの後に本読みを行ったときのことです。有馬と劇団ララライの看板役者・姫川大輝が迫真の演技を見せ、演出家の金田一敏郎が「アレとどう戦うか 必死になって考えちまうもんなんだよ 【役者なら】」と発言していました。

 ほかにも、TSUTAYAのインタビューでは触れられていませんが、「15年の嘘」のインタビューでも【】が登場しています。単行本では連載時にはなかった「インタビュー【アイドル】編」「インタビュー【マネージャー】編」などが加筆され、作中での役割に応じて【】がついていました。

 一般的に【】は隅付き括弧と呼ばれ、強調したいときに使われますが、本作では単なる強調で【】が使われているとは思えません。

【】が登場するときは役者やアイドル、元経営者など職業や肩書などで使用されていますが、【】が使用されているときは同じ言葉でも違う意味を持っている可能性があるでしょう。

2OPにも出てくる幼女の正体は?

 2期のOPにも登場した長い髪の幼女は、未だに謎が多く、正体がはっきりしていません。

 謎の幼女は8巻で登場だし、アクアやルビーが転生者なのを知っている謎が多い人物です。ほかにも、公表されていないアイの出産やゴローが殺害されたこと、ゴローを殺害した人物がアイの殺人事件にも関与していることなど、さまざまな情報を知っていました。そんな彼女の正体は、ファンの間ではさまざまな考察を生んでいます。

 彼女の正体についてよく候補に上がるのは、神様という説です。単行本13巻でもアクアに「まるで神様だな」と言われたとき、「君達が神をどう定義しているか次第だと思うよ」と返答していました。このことから、定義によっては神様といえる存在なのでしょう。

 なお、神様の中でも彼女が登場した高千穂は天岩戸に関連していることからアメノウズメや、芸名にツクヨミを使用していることからツクヨミが正体に挙げられています。

 しかし、彼女自身が「芸能は私の司る所じゃない」と発言していることから、芸能の神であるアメノウズメの可能性は低いでしょう。また、ツクヨミも芸名以外の関連性はないため、まだ断定できません。

 そんな中、単行本15巻で謎の幼女の前世が、さりなとゴローに助けられたカラスと考えられる描写が描かれました。このことから、ファンの間では謎の幼女の正体はカラスが転生した姿だと考える人が増えたようです。

◆特徴的な目の星の意味とは?

 本作の特徴でもある目に描かれた星はまだ謎が多く、ファンの間でもさまざまな考察が飛び交っています。

 当初、アクアとルビーの母親である星野アイは両目に、アクアは右目に、ルビーは左目に星が描かれていたことから、星は遺伝的なものと考えられていました。

 しかし、アイになりきったあかねの両目にも星が現れ、カミキヒカルや女優の片寄ゆらといった目に星を持つ人物が登場し、ほかの意味もあるとの見方が増えます。

 そして、単行本10巻で星が描かれる目について「人を騙す眼 嘘を真実だと思わせる力 役者にとって最高の資質」と語られました。このことから、目の星はスター性やカリスマ性を表していると考察する人が増えたのです。

 また、ほかにも、負の感情を抱いた時には星が黒くなったり、復讐相手がいなくなったと思ったアクアの瞳からは星が消えたりしていました。これらの描写から、目の星は感情にも大きく左右されるとも考えられています。

 まだどのような人の目に星が現れるのかはっきりしていませんが、瞳に星を持つ人は総じてスター性やカリスマ性があること、感情によって左右されることは間違いないでしょう。

 

 ──テレビアニメ2期も絶賛盛り上がっている中、原作は最終章へ突入しています。ファンの間で長らく考察されてきたこれらの伏線や謎が回収される日もおそらく近いでしょう。

〈文/林星来 @seira_hayashi

《林星来》
フリーライターとして活動中。子供の頃から培ってきたアニメ知識を活かして、話題のアニメを中心に執筆。アニメ以外のジャンルでは、葬儀・遺品整理・金融・恋愛などの記事もさまざまなメディアで執筆しています。

 

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