※この記事にはTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』のネタバレが含まれます。ご注意ください。
※本記事はTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。
『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、『リゼロ』)では、スバル、アルが異世界からの転移者であることは多くのファンが知るところですが、実はラムもその可能性が高いです。作中でさりげなく描かれてきた「あの描写」を並べてみると、見逃せない共通点が浮かび上がってきます。
◆転移者に共通するのは「日本語?」
スバルと同じ世界から転移してきた存在で、現在作中で明かされている人物が、TVアニメ第1期でプリシラの騎士として登場したアルデバランです。
実は原作小説第4巻で、アルはスバルに対し自らが異世界から召喚された人間であることを明かしています。しかも、スバルと「同郷」だと告白しているのです。
ちなみに、TVアニメでは原作での一連のやり取りがカットされていましたが、YouTubeで公開されている短編アニメ『Re:ゼロから始める休憩時間(ブレイクタイム)』第55話で、改めてアルとスバルが同郷であることに言及されています。
さらにスバルと同郷の異世界人の可能性が示唆されているのが、三英傑の1人である『大賢人』フリューゲル。TVアニメ第19話で描写されていましたが、フリューゲルの大樹には「フリューゲル参上!」と日本語が刻まれていました。スバルもロズワール邸で「ナツキスバル参上!」と書いていたから、スバル当人もフリューゲルが異世界から来た存在だと疑っています。
ここで注目したいのは、スバルと同郷だと疑われているアルとフリューゲルは、どちらも「日本語」がカギとなっている点です。実は、この「日本語」に着目した場合、もう一人同郷から来た可能性が出てくる人物がいます。
それが、作中序盤から登場しているピンク色の髪がトレードマークのラムです。
◆不自然すぎるほど出てくるラムと日本ネタの接点
実は、ラムと「日本語」については作中序盤から謎が残されています。そもそも、リゼロの世界では共通文字として、イ文字、ロ文字、ハ文字という独自の言語体系が存在します。当然ながら、ひらがなやカタカナ、漢字などは、リゼロ世界には存在しません。しかし、ラムはなぜか「ひらがな」をスバルに会う前から知っていました。
それ以外にも、『リゼロ』世界にはない、日本特有の慣用句やことわざにも精通している描写が多いのです。
たとえば、TVアニメ第8話で村に呪詛師を探しに行く際、ラムとレムが同行することをラムが「両手に花というやつよ」と表現しています。さらに第23話でもラムが「飼い犬に手を噛まれるとはこのことね」と言っていました。
実はアルが自分もスバルの同郷であると信じてもらうために使ったのが、日本のことわざや慣用句なのです。アルの場合は、「風が吹けば桶屋が儲かる」「来年の話をすると鬼が笑う」を例にしていました。つまり、日本特有のことわざなどをなぜラムが知っていたのか、という疑問が出てくるのです。
さらにラムの場合、日本語だけではなく英語も使っている描写もあります。TVアニメ第40話では「ここ一番の時、妙にタイミングのいい男だわ」とスバルを評価しています。ちなみに原作では、ガーフィールとオットーが「タイミング?」と首を傾げており、「タイミングよ。間がいいだけの男」とラムが言い直しているのです。
実は、作者の長月達平先生は、過去にWeb読者に向けて質問を募集したことがあります。そこで『リゼロ』で使われている言葉についての質問に、「代替する言葉がないものは現代語を使用している」と回答しています。
ラムの場合、「タイミングのいい」という言葉の直後に「間がいい」という代替の言葉を使用しています。つまり、長月先生が代替できなかった言葉を使用したのではなく、ラムがきちんと意味を理解したうえで使用していることは明らかな描写となります。
そもそもラムだけはスバルを初対面の時から「バルス」と呼んでいます。「バルス」といえば、日本人なら多くの人が知っているであろう『天空の城ラピュタ』に出てくる滅びの呪文です。また、鬼族で「ラム」というのも、日本で人気のある『うる星やつら』のヒロイン・ラムちゃんを連想させます。
さらに、長月先生がシナリオ監修をしているOVA『Re:ゼロから始める異世界生活 Memory Snow』では、雪まつりの採点に不服だったラムが「か~ら~の~?」と某芸人のお決まりフレーズで採点の見直しを迫る場面もあるのです。
もちろん『リゼロ』では、数多くのアニメや漫画作品などのパロディがあるので、一概に根拠とはいえません。しかし、読者や視聴者が驚くような伏線を張ることで有名な長月先生なので、実はこういった小ネタが後に重大な真実に繋がってくる可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。
どちらにせよ登場キャラクターの中で、ラムが突出して「日本ネタ」と関わりがあることは明らかでしょう。
◆ラムに残された謎は転生者である示唆?
ラムと「日本」の関連に着目してきましたが、それ以外にもラムが異世界から来た可能性が示唆されているのです。それが、スバル以外に異世界から来たことが確定しているアルとの関係性……。
アルは、ラムが存命であると知った際に激怒したり、レムのことをラムと勘違いしたり、2人が過去に接点があったことが匂わされています。アルは双子の姉妹であるレムとは因縁がないのに、ラムとだけ何かしらの因縁がありそうなのです。
これもラム周りでは大きな謎となっており、仮に『リゼロ』世界の過去で接点があれば、少なからずレムとの関わりも残されていそうですが、そういった描写は今のところありません。
ラムは先述の通り「ひらがな」を知っていた謎があり、アルは異世界から召喚された存在です。両者の接点が『リゼロ』世界にないのだとすれば、地球での接点を疑うのは自然な流れではないでしょうか。
ちなみに、現時点で異世界から来たと確定している人物、スバルとアルデバランには、それぞれ星の名前がついているという共通点があります。奇しくも、ラムにも星を表す意味があるのです。英語で“Aries the Ram”、「牡羊座」を意味します。
ラムの正体がどうであれ、少なくともラムが過去に「異世界」と接点があった可能性は高いのではないでしょうか。
──仮にラムが地球出身だった場合、生まれながらに鬼族だったことから、スバルやアルのような転移者ではなく、転生者の可能性が高くなりそうです。余談ですが、ラムは赤ん坊のころから異常な強さを発揮しており、ポテンシャルの高さがうかがい知れます。その潜在能力は、長月先生曰く、「角が折られずあのまま成長していたら作中5本指に入る実力を有している」レベルだそうです。
もしかすると、ラムは転生する際にチート能力を得ていた、なんて「異世界モノあるある」の展開があったのかもしれません。
〈文/fuku_yoshi〉
《fuku_yoshi》
出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5
※サムネイル画像:TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイトより 『TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」第5話 ©長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活1製作委員会』



