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※この記事にはTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』のネタバレが含まれます。ご注意ください。

※本記事はTVアニメ・原作小説『Re:ゼロから始める異世界生活』に関するライター個人の考察・見解に基づくものであり、公式の設定や見解とは異なる場合があります。

 エミリアの母親は、サテラではないかもしれません。

 『Re:ゼロから始める異世界生活』(以下、『リゼロ』)において、ヒロイン・エミリアの出自は物語の核心に迫る重要な謎の一つです。銀髪に紫紺の瞳──その外見からサテラとの血縁を疑うファンは多く、両者の関係は長らく考察の的となってきました。

 しかし、作中に散りばめられた「血の設定」をていねいに拾っていくと、サテラ説には看過できない矛盾が浮かび上がります。そして、もう一人の魔女の存在が、静かに、しかし確かに浮上してくるのです。

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◆母親が「魔女」であることはほぼ確定?

 TVアニメ『リゼロ』2nd seasonでは、エミリアが叔母であるエルフ・フォルトナに育てられてきた過去が明かされています。一方で、実の母親に関しては正体こそ明かされませんでしたが、いくつかヒントとなる重要な発言がありました。

 たとえばTVアニメ第41話では、“強欲の魔女”エキドナが自分の過去と向き合う試練に挑むエミリアに対し、「どうか言ったらどうだい? 魔女の娘」と怒りを込めて言っています。

 さらに第44話では、エミリアたちが暮らすエリオール大森林の封印を解きに来た“虚飾の魔女”パンドラも、出会ったエミリアを見て「だってあなたはどう見ても魔女の娘なんですから」と評しています。

 2人の魔女たちが、こぞってエミリアを「魔女の娘」と言っていることからも、エミリアの実の母親は魔女である可能性が非常に高いと考えられるでしょう。

◆真っ先に思い浮かぶのは「サテラ」

 エミリアの母親が魔女だとすると、やはり真っ先に思い浮かぶのが“嫉妬の魔女”サテラでしょう。作中でも、銀髪に紫紺の瞳を持つハーフエルフであるエミリアは、その特徴的な外見からサテラと同一視されています。

 さらに『リゼロ』は設定一つに意味を持たせているケースが多く、ファンの間でもここまで似ているからには何かしらの伏線があるのでは、と考えられています。しかし、現在までのところ、2人の関係については謎に包まれたままなのです。

 仮に外見的な特徴の一致が血縁関係に由来するものだとしたら、サテラが母親だということも納得ができるでしょう。しかし、サテラがエミリアの母親だった場合、無視できない大きな矛盾が生じるのです。

 それが、エミリアがハーフエルフであることです。叔母であるフォルトナは、「エミリアの髪や目の色は父親譲りだ。」と語っています。この発言からも、エミリアの外見的特徴は、母親に似ているのではなく、父親似だということが分かります。

 ここで重要なのが、エミリアの父親はフォルトナの血のつながった兄だという点です。つまりエミリアの父親は「エルフ」と考えられます。しかし、エミリアは「ハーフエルフ」なので、サテラが母親だった場合、エルフとハーフエルフの子供となり、エミリアはクォーターのエルフとなってしまいます。

 このハーフとクォーターの設定に関しては、作中でも明確に分けて描写されています。たとえば、TVアニメ2nd seasonで描かれたエキドナの聖域の結界は、ハーフの亜人にしか反応せず、クォーターの血には反応しないという設定を元に物語が進んでいました。

 実際、ガーフィールやフレデリカたちが結界を素通りできたのはクォーターだったからとしっかり理由が説明されています。一方で、エミリアは結界に反応してしまい、気を失っていました。このことからも、エミリアはハーフエルフであることは確定しており、サテラが母親であった場合、完全にその血の設定が矛盾してしまうのです。

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◆エミリアに唯一慈愛を見せた「アノ魔女」が母親?

 スバルが招かれたエキドナのお茶会では、サテラを含め7人の魔女が全員登場しています。“暴食の魔女”ダフネ、“傲慢の魔女”テュフォン、“憤怒の魔女”ミネルヴァ、“怠惰の魔女”セクメト、“色欲の魔女”カーミラ……。

 一方、エミリアが試練をクリアし、お茶会に招かれた際には誰一人顔を見せませんでした。しかし、エキドナが作った茶菓子に触れようとした際、見かねて唯一登場した人物がいます。それがミネルヴァです。

 実は、この2人の間には意味深な描写が多いのです。まず、TVアニメ第48話でミネルヴァは、エミリアの背中越しに話しかけ、自分の顔を見ないのが正解だと告げていました。さらに、エミリアに対し、「(母親を)よく知っている。けど話せない。そういう約束だから。」と涙ながらに明言しています。

 母親を知っていると聞いたエミリアは咄嗟に振り返りますが、「悪い子ね」と言いつつも、顔を見せないようにエミリアを胸元で抱きしめていました。そして、優しく頭を撫でていたのです。この行動はエキドナがエミリアに抱く敵意とは違い、確かな愛情を感じられる描写となっていました。

 またアニメでは描かれていませんでしたが、WEB小説版ではミネルヴァの名前を聞いたエミリアが「なんでか、それがひどく懐かしい記憶を刺激するような気がした(中略)親しくしていた誰かを思い起こさせるような不思議な名前」だと心情を吐露しているのです。

 実は、ミネルヴァがエミリアの母親だった場合、いくつか辻褄が合ってくる設定があります。まずは、先ほども触れたハーフエルフ問題です。ミネルヴァは人間の魔女であり、彼女が母親だった場合、エルフと人間が両親となるのでハーフエルフのエミリアが生まれることは必然です。

 さらに、エミリアの兄の代わりだったアーチ曰く、エリオール大森林のエルフたちは、エミリアの母親に大きな恩があると言っていました。実はミネルヴァは、過去にエルフの決死隊を命懸けで助けに行ったことが明かされており、その行動とも重なってきます。

 このように、ミネルヴァがエミリアの母親だった場合、腑に落ちる点が多いのは事実でしょう。しかしミネルヴァが母親だとしても、矛盾点が存在します。

 まず1つ目が、ミネルヴァが亡くなったのは今から400年前であるという点です。エミリアは凍っていた時間を含めてもまだ114歳であり、時系列的な矛盾が生じます。

 続いて2つ目は、エキドナの心情です。エキドナはエミリア同様、母親の魔女に対しても好感情を抱いていないことがうかがえました。しかし、エキドナとミネルヴァたちは生前からの友人であったことが明かされています。

 事実エキドナは、魔女の精神世界である「お茶会」にもミネルヴァを誘っていることから、嫌悪している様子は見られません。仮にミネルヴァが母親だった場合、エキドナの接し方には違和感が残ることになります。

 どちらにせよ、魔女の中でただ一人、ミネルヴァだけがエミリアに対し愛情を持っていることは確かでしょう。しかし、その理由が実の母親だからと結論づけるには、まだ時期尚早なのかもしれません。

 

 ──エミリアの出自に関しては、魔女たちが大きく関わっていることが示唆されています。さらに、現在は物語の主軸から離脱しているパックの過去ともつながっていると推察できます。エミリアは『リゼロ』の中でも中核を担うキャラクターなので、彼女の謎が解き明かされるとき、物語はいよいよクライマックスを迎えるのかもしれません。

〈文/fuku_yoshi〉

《fuku_yoshi》

出版社2社で10年勤め上げた元編集者。男性向けライフスタイル誌やムックを中心に、漫画編集者としても経験を積む。その後独立しフリーライターに。現在は、映画やアニメといったサブカルチャーを中心に記事を執筆する。YouTubeなどの動画投稿サイトで漫画やアニメを扱うチャンネルのシナリオ作成にも協力し、20本以上の再生回数100万回超えの動画作りに貢献。漫画考察の記事では、元編集者の視点を交えながら論理的な繋がりで考察するのが強み。最近では、趣味で小説にも挑戦中。X(旧Twitter)⇒@fukuyoshi5

 

※サムネイル画像:TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』オフィシャルサイトより 『TVアニメ「Re:ゼロから始める異世界生活」第28話 場面写真 (C)長月達平・株式会社KADOKAWA刊/Re:ゼロから始める異世界生活2製作委員会』

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