長年お茶の間で愛され続けている『サザエさん』ですが、実はあまり知られていないトリビアや、放送が長期化したことによって、忘れられたキャラクターが存在します。

◆『サザエさん』の意外なトリビア

 磯野家とフグ田家の日常を、ほのぼのとしたタッチで描いた『サザエさん』。1969年10月5日にアニメ第1話が放送され、2024年には放送55周年を迎えました。

 そんな『サザエさん』の中には、トリビアともいえる衝撃の事実や意外な設定が存在します。

●中島の下の名前は「たかし」?

 カツオの親友・中島。彼のフルネームは、長年謎に包まれてきました。というのも、公式Webサイトでは、名字である「中島」としか書かれていないのです。

 さらに、カツオは「中島」、他の同級生は「中島くん」と呼んでいることもあり、彼の下の名前を知る機会はほとんどありませんでした。

 しかし、アニメ放送の中には、中島を下の名前で呼んでいる人物が存在しています。それは、中島の祖父です。

 19733月に放送された「コンビ解消」で、カツオと喧嘩しているところを祖父に見られ、説教される中島。そのとき、祖父は「たかし、だいたいお前は…」と、はっきり中島のことを「たかし」と呼ぶのです。

 フルネームが「中島たかし」と判明した中島。真偽は不明ですが、SNS上では中島の下の名前は「博」(ひろし)だという説もあるようです。

 また、同級生のなかでは、早川さんや橋本、西川の下の名前が未だ明かされていません。今後放送されるエピソードでは、中島のように、不意に彼らの名前が呼ばれるかもしれません。 

●サザエさんは独身時代にバリバリ働いていた 結婚してからも……

 サザエさんは現在24歳。料理、洗濯、裁縫などをこなす専業主婦として磯野家を支えています。主婦のイメージが強いサザエさんですが、実は独身時代はバリバリ働いていました。

 彼女は高校卒業後、出版社「ハロー社」に就職、記者として精を出します。その中では、体験取材の一環で婦人警官として働いたり、作家・菊池寛の接待を行ったりしたことも(漫画『サザエさん』第2巻より)。

 また、短期間ではあるものの、マスオと結婚してからもさまざまな職業を経験しています。

 たとえば、原作では探偵事務所の助手(別冊『サザエさん』「私立探偵入門」より)や、デパートの店員(別冊『サザエさん』「アルバイトの巻」より)を。アニメ版では、大金持ちの湯水家のお手伝いさんとして働いたり(20163月放送「私、お手伝いさんでございます」)、スーパーにパートに出たり(20154月放送「スーパーのお姉さん」)もしています。

 中には、デパートを1日で退職してしまった失敗談も(201312月放送「花のデパートガール」)。多彩な職歴からは、サザエさんのバイタリティの高さがうかがえます。

詳しく読む⇒「中島の下の名前は?」「タマがしゃべった!?」……『サザエさん』の4つの意外なトリビア

◆いつの間にか「消えたキャラ」たち

 TVアニメ放送開始から50年以上にわたってお茶の間で愛され続けている『サザエさん』ですが、長い歴史の中で「いつの間にかいなくなったキャラ」が何人も存在します。

●現在は子供がいないはずが……アナゴさんの子供

 マスオさんの会社の同僚で個性的な顔が印象的なアナゴさんですが、サザエさん公式ホームページで確認すると、現在は奥さんはいるものの子供はいないという設定になっています。

 ところが、放送初期である1973812日に放送された「わが家の昆虫記」というエピソードで、アナゴさんが自分の子供をプールへ連れて行くシーンが描かれていました。

 構成は娘が2人に息子が1人と子だくさんで、長女はワカメちゃんと同世代くらい、末っ子と思しき長男はタラちゃんと同世代くらいの大きさでした。

 アナゴさんは作中では27歳と見かけによらずかなり若い年齢設定となっており、『FODプレミアム』などでこの放送回を観た視聴者からは、子供の年齢から逆算するとアナゴさんは十代で子供を授かったのでは? と推測する声などでSNSが盛り上がりました。

 磯野家の血縁者とその家族以外で海産物の名前が付けられた数少ないキャラであるアナゴさんですが、子だくさんから子供のいない設定への変更点も加味すると、ある意味「謎に包まれたキャラ」といえるのかもしれません。

●いつの間にか引っ越していたお隣さん? 浜さん一家

 磯野家のお隣さんと言えば伊佐坂一家ですが、実はお隣さんは長い歴史の中で何度も変わっており、その中で「浜さん」という一家がかつて磯野家の隣に住んでいたことがあります。

 そもそも現在のお隣さんである伊佐坂さんは、1970830日の放送回「巨匠イササカ氏あらわる」で磯野家の隣に引っ越してきた小説家一家として描かれ始めましたが、1978年に引っ越ししており、1973114日の放送回「どっちが大事」では伊佐坂一家の家があるはずの場所が道路になっているなど、不可解な設定になっています。

 そして、197857日放送回「突然のお隣りさん」にて、一時的に空き家になっていた磯野家の隣の家に浜さん一家が引っ越してきたことが初登場となりました。

 浜さん一家はベレー帽にヒゲ、パイプがトレードマークの画家・浜さんに浜夫人、娘のミツコ、愛犬のジュリーというオシャレ一家で、マイカーで出かけるシーンなども描かれていましたが、1985331日の放送回「早春伊豆長岡の別れその一」、次回「早春伊豆長岡の別れその二」にて、浜夫人が体調を崩してしまい静養のため静岡に引っ越した、という設定により姿を消しました。

 同年721日の放送回「おとなりの大先生」にて、磯野家の隣に伊佐坂一家が再び引っ越してきたことで、磯野家のお隣さんは伊佐坂一家に落ち着きました。

 ちなみに、1970年に登場した初代・伊佐坂家と、浜さん引っ越し後の2代目・伊佐坂家は、家族構成やキャラ名は同じですが、顔つきや性格は異なるものでした。

 その後、浜さん一家については長らく描かれることはありませんでしたが、2009年放送の「磯野家のアルバム」にて、アルバム写真でカメオ出演を果たしました。

詳しく読む⇒実はアナゴさんには「子供」がいた!? 『サザエさん』いつの間にか「消えたキャラ」たち

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

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