『SLAM DUNK』には、キャラの元ネタとなったといわれるモノやモデルが存在します。たとえば、三井の名前の由来はお酒だったとか……。また同作には、連載終了から25年以上経った今でも多くの謎が残っています。

◆『SLAM DUNK』 キャラのモデルになった2つの元ネタ

 『SLAM DUNK』には、キャラ名の由来となった元ネタや、実在する人物をモデルに生み出されたキャラが登場しています。

●三井の名前の由来はお酒だった?

 挫折からはい上がった天才プレーヤー三井寿は、『SLAM DUNK』の登場人物の中でも高い人気を誇るキャラクターです。実は、彼の名前には意外な由来があります。

 2008年6月に出版された『漫画がはじまる』(出版社:スイッチ・パブリッシング)の『第一章“SLAM DUNK”を語りつくす』によると、三井の名前は福岡県の株式会社 みいの寿という酒造メーカーが製造している「三井の寿」(みいのことぶき)という日本酒からとったそうです。

SLAM DUNK』の人気にあやかり、湘北バスケ部・三井の「14」番のユニフォームを模したラベルの「三井の寿 純米吟醸 山田錦 +14 大辛口」も販売されています。

『漫画がはじまる』によれば、三井はもともとただの不良役で登場させる予定でした。しかし、体育館での喧嘩シーンを描いているうちに、井上先生が三井に感情移入し、「元・中学MVP」という設定を加え、急遽湘北バスケ部に加入させることになったそうです。

 鹿児島県出身の井上先生にとって、同じく九州発祥の日本酒が名前の由来である三井は、特別な思い入れがあったのかもしれません。

●諸説ある山王・沢北のモデルとは……

 高校生No.1プレーヤーといわれ、湘北戦では凄まじいオフェンス力を披露した山王のエース・沢北栄治。原作者・井上先生の口から明確なモデルがいたと語られたことはありませんが、今なおSNSではさまざまな考察が飛び交っています。

 中でも有力なのが、連載当時、秋田県立能代工業高等学校でエースだった田臥勇太選手です。1996年に能代工業に入学し、現役高校生としては史上2人目の全日本候補選手に選出され、その後、2004年には日本人初のNBAプレーヤーとなりました。

 もう一人の有力候補は、連載当時NBAでオーランド・マジックに在籍していたアンファニー・デオン・ハーダウェイ(Anfernee Deon Hardaway、通称・ペニー)選手です。

 ペニー・ハーダウェイ選手は、2メートルを超える長身と、中からも外からもシュートを決めるオールラウンドなプレースタイルで「次期ジョーダン」と呼ばれていました。そのプレースタイルと髪型が沢北と似ていたことから、沢北のモデルではないかと囁かれるようになりました。

 明確なモデルがいたのかは不明ですが、連載時期と彼らの現役時期が一致することや、井上先生が大のバスケットボールファンであることから、少なくとも沢北のキャラ設定の参考となった可能性は高そうです。

詳しく読む⇒「三井の名前」はお酒が由来? 『SLAM DUNK』 キャラのモデルになった4つの元ネタ

◆『SLAM DUNK』未回収の「伏線」「残った謎」

 『SLAM DUNK』には、熱い試合シーンの陰に未回収のままの伏線や、未解明な謎が多く残されています。どんな伏線や謎が残されているのでしょうか?

●赤木は引退後「バスケ部に復帰」していた!?

 200412月に閉校となった神奈川県立三崎高等学校の各教室の黒板を使って、原作終了から10日後を描いた黒板漫画『あれから10日後-』の公開イベントが行われました。20094月には、その様子を完全収録した『スラムダンク『あれから10日後-』完全版』(出版社:フラワー)が出版されています。

 さらに、2005年1月20日に出版された雑誌『SWITCH』(出版社:スイッチ・パブリッシング)にもイベントの様子が掲載され、花道ら湘北バスケ部のメンバーが表紙を飾りましたが、そのイラストに大きなヒントが隠れています。

 表紙のイラストには、小暮が運転するピックアップ・トラックの荷台に座る流川と三井、ボンネットの上には花道と宮城、そして車体後方に赤木が配置されています。車内の小暮以外はユニフォームを着ていますが、赤木の胸には4ではなく「15」の文字が……。

 湘北の15番といえば、最終話時点で1年生の桑田がつけていた番号(当初は佐々岡が15番、途中で入れ替わった)ですが、湘北で支給されているユニフォームの末番でもあります。

 赤木はインターハイ3回戦で湘北が愛和学院に敗れたあと、受験勉強に専念するために小暮とともに引退しましたが、『あれから10日後-』では、バスケができないストレスで成績が落ちたことが晴子の手紙によって明かされました。

 この事態を受け、「受験のため」という名目で赤木はバスケ部に復帰した可能性があります。既に主将は宮城に代替わりしていますが、先に復帰した三井に次ぐ15番のユニフォームを新たにもらっていたのかもしれません。

 もしこれが伏線であれば、続編の連載が実現した際には赤木と花道のゴールデン・コンビが再び見られるのでは? とファンは期待せずにはいられません。

●原作第2話の見開きで花道が着ていた「JAPAN」のユニフォームは伏線?

 原作第2話「流川楓だ」は、永遠のライバルであり、後にチーム・メイトとなる流川と花道が初対面する回ですが、見開き2ページ目に伏線ともとれる謎めいた花道の姿が描かれています。

 ユニフォームを着て、「No.1」を意味するであろう右手人差し指を立て、正面を向いて立っている花道の姿が描かれていますが、注目はそのユニフォームが、「SHOHOKU」ではなく「JAPAN」の16番であることです。

 さらに、バッシュは花道が当時履いていた体育館シューズではなく、後に手に入れる「エアジョーダン6」でもありません。なぜか流川が愛用している「エアジョーダン5」を履いているのです。

 原作第7話で、花道はバスケ部への入部の意志を固め、勝手に部室に侵入して赤木のユニフォームを着ていましたが、そのときもシューズは自前の体育館シューズのままで、流川のシューズを拝借したことはありませんでした。

 原作の最終話で、流川は全日本ジュニアに選出され、リハビリ中の花道に「JAPAN」と書かれた練習着を見せつける印象的なシーンがありますが、流川のバッシュを花道が履いていたことも然り、花道と流川が「同じように選手として成長していく」ことの暗示かもしれません。

 花道の「JAPAN」ユニフォームは「将来、花道は流川に追いつき全日本のメンバーに選出される」という伏線なのかもしれません。

詳しく読む⇒赤木は引退後「バスケ部に復帰」していた ? 『SLAM DUNK』未回収の「伏線」「残った謎」

〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01

 

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