『SLAM DUNK』に登場する高校は、湘北以外にも海南大附属、名朋工業、愛和学院、大栄学園など強豪ぞろいですが、実はインターハイを制したのはそれらの高校ではないと原作者自身が言及しています。2025年3月時点でまだ明かされていない、激戦のインターハイを制した高校はいったどこなのでしょうか?
◆トーナメント表から考察できる優勝校
作中ではインターハイのトーナメント表が明かされていています。湘北は左ブロックにあり、愛和学院、海南大附属も同じでした。そして、原作最終回では海南大附属が準優勝だったことが明かされています。そのため、優勝校は海南大附属と同じブロックではなく、湘北高校に勝った愛和学院の可能性はないと考えられ,
優勝校は右ブロックから出ていることが、海南大附属の準優勝という事実から分かります。
「愛知の星」と言われるスーパーエースを擁した愛和学院が、総合力の高い海南大附属と決勝までに当たってしまったことは不運といえるでしょう。山王が敗退した以上、海南大附属と愛和学院の試合が事実上の決勝戦ともいえる激闘だった可能性も否定できません。
山王が敗退したことで、トーナメント全体を大きく揺るがした可能性も十分に考えられます。
大本命の敗退は、インターハイ前に考えていた各校の戦略が大きく変え、全体的にイレギュラーな試合が続いたことで思いもよらない高校が優勝した展開も考えられます。
◆作者曰く、名朋工業、大栄学園ではない
右ブロックの優勝候補の筆頭は名朋工業でしょう。作中でも重要な存在として描かれていた名朋工業の森重寛は、インターハイで花道のライバルになると言われていた人物です。
しかし、YouTubeチャンネル『朝日新聞デジタル』で2018年12月に配信された、「スラムダンクとバガボンドの違いとは 岡田優介選手と井上雄彦さんが対談 (Bリーグ・主役に迫る)」という対談動画では、岡田優介選手が「名朋工業が優勝したのでは?」と質問しましたが、井上雄彦先生は「名朋工業の優勝はない」とコメントしています。
この発言で、インターハイ決勝は「名朋工業vs.海南大附属」という多くのファンの考察が崩れました。
さらに、作中で登場していない高校が優勝という発言もあり、大阪の強豪校・大栄学園という線もなくなりました。それではいったいどこが優勝したのでしょうか?
◆シード校の博多商大付属が有力か?
もっとも可能性が高いのは、山王工業、海南大附属、名朋工業と並んでシード校となっている博多商大附属です。この高校は、実在の高校バスケットボール界の強豪校である福岡大学附属大濠高校や福岡第一高校がモデルだといわれています。
また、もう一つ有力な高校があります。それは井上雄彦先生の出身地である鹿児島県の代表校です。井上雄彦先生は、自身も高校時代にバスケ部員として汗を流し、アメリカの大学への進学を希望する高校生を対象とする留学奨学金を創設するなど、高校バスケへの情熱もある人物です。
さらにインターハイに出場している鹿児島代表の「大隈第二」は、井上雄彦先生の母校「鹿児島県立大口高等学校」と似た名前をしています。
井上雄彦先生は、高校からバスケを始めたにも関わらず主将となるほどの上達を見せています。自分の描いた漫画で母校を優勝させる展開も、ロマンのある説といえるでしょう。
先述した対談では「名朋優勝じゃ嫌だなって。まさに才能っていうか、そういう選手は嫌だなって」とも発言しており、優勝チームは突出した天才がいるワンマンチームではなく、選手のバランスがいい戦術型の高校であるということも分かっています。
花道の「天才ですから」というセリフは有名ですが、「才能」に重きを置く『SLAM DUNK』において、あえて才能だけのチームを否定することで、井上雄彦先生は努力、チームワーク、戦術で戦う高校を讃えたのではないでしょうか。
だからこそ、才能と努力という二つの側面を見事に描いた『SLAM DUNK』という傑作を生んだのかもしれません。
──『SLAM DUNK』はいまだに世界中のファンの心をつかみ、原作の先のストーリーに想いを馳せるファンも多くいます。ファン同士で集まって、インターハイのその後の展開に激論を交わすことも『SLAM DUNK』ならではの楽しみ方なのではないでしょうか。
〈文/アニギャラ☆REW編集部 @anigala01〉
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