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 TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)は、X(旧Twitter)などのSNSで「神回は何話?」「名シーンが一番多い回は?」といった投稿が目立つアニメです。

TVアニメ『SPY×FAMILY』Season3 キービジュアル ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

<TVアニメ『SPY×FAMILY』Season3 キービジュアル ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会>

 スパイアクション、コメディ、そして家族ドラマという一見相反する要素が高い完成度で融合し、どの話数にも語りたくなる名場面が存在します。

 その一方で、途中から視聴しようとする人の中には「どこから観ればいいのか分からない」と迷ってしまう人も少なくありません。

 特に人気が高く、話題にされやすいエピソードと名シーンにはどのようなものがあるのでしょうか?

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◆おすすめエピソード早見表

 「どの回を観ればいいか分からない」という人向けに、目的別にTVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)のおすすめのエピソードを整理しました。

●とにかく一気にハマりたい人 

 MISSION:1MISSION:5(入学試験〜イーデン校編)。フォージャー家が成立する過程を一気見でき、作品の世界観を最短で理解できます。

●笑いたい&アーニャのかわいさを堪能したい人 

 MISSION:17MISSION:18。顔芸と空回りが連発し、日常コメディとしての完成度が非常に高いエピソードです。

●感動したい/家族の絆を感じたい人 

 MISSION:15(ボンド編ラスト)。事件解決後の余韻が強く、「家族とは何か」を改めて感じさせる名エピソードです。

●アクションと熱さを求める人 

 『Season2』 MISSION:31〜MISSION:35(豪華客船編)。ヨルの戦闘シーンと覚悟が凝縮されたパートです。

◆「最初の一撃」で心をつかむ──入学試験〜イーデン校編(MISSION:1MISSION:5

TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:4 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

<TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:4 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会>

 TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)の序盤、MISSION:1からMISSION:5にかけて描かれる入学試験〜イーデン校編は、シリーズ全体の魅力が凝縮された重要なパートです。

 ロイドが任務のために即席の家族を作り、ヨルが妻役として加わり、アーニャが読心能力で状況をかき回す。この三人の関係性が、わずか数話の中で自然に成立していきます。

 中でも強く印象に残るのが、イーデン校の面接シーンです。試験という形式ばった場でありながら、アーニャが追い詰められた瞬間にロイドとヨルがとして感情をあらわにする展開は、多くの視聴者の記憶に残る名シーンとなっています。

 任務として始まった関係が、確かに「家族」になった瞬間を感じさせる場面であり、この作品がたんなるギャグアニメでは終わらないことをはっきりと示しました。

 さらに、ヘンダーソン先生の「エレガント」という価値観が提示されることで、物語に独自の軸が生まれ、以降の学園エピソードをより印象深いものにしています。

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◆「かわいい」が事件を動かす──ボンド登場〜爆弾テロ事件(MISSION:13MISSION:15

TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:14 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

<TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:14 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会>

 TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:13からMISSION:15にかけて描かれるボンド登場編は、人気エピソードとして必ずといっていいほど名前が挙がるパートです。

 予知能力を持つ白い犬・ボンドとアーニャの出会いは微笑ましさに満ちていますが、物語は爆弾テロ事件という緊迫した展開へと一気に進んでいきます。

 このエピソードが高く評価される理由は、フォージャー家それぞれの能力が家族として噛み合う点にあります。

 ロイドの冷静な判断、アーニャの読心、ボンドの未来視が連動し、事件が解決へ向かう流れは非常に爽快です。シリアスな状況を描きながらも、物語の根底には常に家族の温かみがあり、視聴後には安心感と心地よい余韻が残ります。

 ラストでボンドがフォージャー家の一員として迎え入れられる場面は、「新しい家族」というテーマを象徴する名シーンとして、多くのファンの心を掴んでいます。

◆「いい話だな〜」が積み重なる──学園の日常回で光るアーニャの顔芸と成長(MISSION:17MISSION:18MISSION:21

TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:17 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

<TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:17 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会>

 大事件やバトルが起きない学園の日常回は、TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)の人気を支える重要な要素です。

 MISSION:17「ぐりほんさくせんを決行せよ」では、アーニャの独特な発想と空回りがテンポよく描かれ、思わず笑ってしまう名シーンが満載です。

 MISSION:18「家庭教師の叔父」では、家族や周囲の大人たちとの距離感が少しずつ縮まり、フォージャー家の日常が安定していく様子が描かれます。

 そしてMISSION:21では、アーニャの小さな嫉妬や戸惑いといった感情がていねいに表現され、彼女の精神的な成長を感じ取れます。

 SNSなどで切り抜かれやすいアーニャの顔芸も、こうした失敗と挑戦の積み重ねがあるからこそ名シーンとして成立しており、作品全体の説得力を高めています。

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「母、つよい」が更新される──『Season2』 豪華客船編(MISSION:31〜MISSION:35)

TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:33 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

<TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)MISSION:33 場面写真 ©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会>

 TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)Season 2の中でも特に評価が高いのが、MISSION:31から始まる豪華客船編です。

 このエピソードではヨルが護衛任務に就き、普段の穏やかな母親像とは異なる覚悟と強さを見せます。

 激しい戦闘シーンも見どころですが、このエピソードの本質はヨルの内面描写にあります。

 家族と過ごしたいという気持ちと、仕事として人を守る責任。その間で揺れるヨルの葛藤がていねいに積み重ねられ、終盤の選択につながっていきます。

 特にクライマックスの一連の流れは、ヨルというキャラクターを象徴する名シーンとして、多くの視聴者の心に強く残りました。

 

 ──TVアニメ『SPY×FAMILY』(スパイファミリー)の名シーンは、派手な事件回だけに限られません。家族の何気ない会話や、アーニャの小さな成長、ヨルの迷いと覚悟など、日常の中にこそ記憶に残る場面が数多く存在します。

 笑いたいとき、心を温めたいとき、物語に没頭したいとき。目的に応じて話数を選べば、必ず自分にとっての神回に出会えるはずです。

〈文/相模玲司〉

《相模玲司》

大学卒業後、編集プロダクションに入社。メンズファッショ誌の編集に従事したのち、フリーランスの編集・ライターとして独立。アニメ・漫画関連のムック本の制作や、週刊誌のWeb版の取材記事の作成に携わる。

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※サムネイル画像:Amazonより 『「TVアニメ『SPY×FAMILY』公式スタートガイド ANIMATION×1st MISSION」(出版社:集英社)』

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