『ONE PIECE』のルフィ役や『ドラゴンボール』のクリリン役など、数々の人気キャラクターを演じ、女優・声優として活躍している田中真弓さん。そんな田中さんには、驚きのエピソードがいくつもあります。

◆フジテレビのアナウンサー試験に最後まで残る!?──どんなに落ちても諦めなかった結果

 1982年出版の『ジ・アニメ』4月号(出版社:近代映画社)で、田中さんはかつてフジテレビのアナウンサー試験を受け、最終選考の5人にまで残った過去を明かしています。

 しかし、内定には至らず。当時の田中さんは舞台女優を目指し、文学座や青年座など数々の劇団に応募するもことごとく落選。

 1994年出版の『アニメV 』5月号(出版社:学習研究社)によると、「あなたは背が低いし、小顔で、全てが小作りで舞台栄えしない」「妖精や子供など、役柄が限られてしまう」と落選の理由を告げられたことを明かしています。

 2000年出版の『山寺宏一のだから声優やめられない! 声優・山寺宏一と30人の声の役者たち』(出版社:主婦の友社)内のインタビューでは、入学金を支払えば入れて、お客の状態でも活動できるといった形態の養成所でも田中さんだけが不合格になったことを打ち明けています。

 それでも諦めなかった田中さんは、数十年後、フジテレビの看板アニメ『ONE PIECE』で主役を射止めます。かつてアナウンサー試験に落ちたフジテレビで長くルフィの声を演じていることに、不思議なつながりを感じます。

◆アドバイスした相手が人気キャスターに!?──檜山沙耶さんの人生を大きく変えた一言とは

 フリーアナウンサーの檜山沙耶さんは、田中さんの一言がきっかけで人生が大きく変わりました。

 2022年6月に『TWON WORKマガジン』で公開された「気象キャスター・檜山沙耶インタビュー「オタ活(趣味)は生きる糧。失敗しても帰れる場所があると頑張れる場面がたくさんあります」という記事で、檜山さんは、大学生のころからボイストレーニングを受けるなど声優を目指していたことを明かしています。

 ある日、檜山さんと舞台の仕事をした田中さんは、「ナレーションのほうが向いていると思う」とアドバイスしました。この一言がきっかけで檜山さんは気象キャスターの道に進み、多くのファンから支持される存在となりました。

 檜山さんは出演した番組などでマンガやアニメ好きを公言しており、「自分のためだと思ってやっていたことも、好きなことを続けていけば意外と活かされるんだなって」「これまでにやってきたことは全て無駄じゃなかったんだなって思います」「というのも、ありがたいことに、最近はアニメ関係の番組のMCのお仕事をオファーいただくことが増えまして」「やっぱり自分の好きなことが仕事になるのは、すごく幸せなことだなと実感しています」と語っています。

 田中さんの一言があったからこそ、今の檜山さんがあるといっても過言ではないでしょう。

◆渡辺正行さんの元婚約者だった!?──破局後、夫と子供を会わせた結果

 1977年ごろ、田中さんは激団テアトル・エコー劇団の仲間だった「コント赤信号」の渡辺正行さんと交際をスタートさせ、婚約まで至ったことがあるそうです。

 このことは1985年出版の『女性セブン』(出版社:小学館)などで報じられたものの、当時はそれほど話題にはなりませんでした。

 その後、2人は破局し、それぞれ別の相手と結婚しています。

 しかし、1988217日放送のフジテレビ系『火曜ワイドスペシャル』の「輝け!2回オールスター実家大賞」にて、田中さんは渡辺さんの元婚約者として番組に出演。田中さんは夫と幼い息子を渡辺さんに紹介し、「番組大賞」を受賞しました。

 田中さんは、夫で声優の柴本浩行さんと一度離婚しています。2022年放送のフジテレビのドキュメンタリーバラエティー番組『セブンルール』で、「舞台もやってるし、一緒に芝居やってるし、うちに帰っても芝居の話になってしまう。それがなんか煮詰まってきてしまって」と離婚理由を明かしています。

 しかし、同番組で、息子が柴本さんを連れてきたことがきっかけで再び同居を始め、復縁したことも発表しました。

「一旦別れていろんなこと経験してきてるから、今の状態ってベストなんですよ」「私は別に嫌で別れたわけじゃないから、けんちゃん(柴本さん)が私のこと嫌になって出て行ったので。それに関して私は今全然幸せだと思ってます」と語る田中さんの言葉は、人生の奥深さを感じさせます。

◆なぜルフィ役に決まった?──先にゾロの声優が決定した結果

 田中さんは『セブンルール』に出演したとき、ルフィ役に選ばれた理由を語っています。

「何回かオーディションがあって。(ルフィ役を)男の人でやりたいっていう人と、女でいきたいっていう人と、新人でやりたいかっていう。新しい声で」と、ルフィ役を演じる声優には複数の選択肢があったそう。

 そんな中、「新人の中井和哉くんが、先にゾロに決まったの」「『じゃあ、ルフィはベテランか』っていう風になったときに、私が浮上してきたっていう」「あとあと聞いたら、もともと尾田(栄一郎)先生は『パズーの人(田中)がいい』と言っていたんですって」と、原作者の尾田栄一郎先生が、『天空の城ラピュタ』に出演していた田中さんをルフィ役に希望していたことを明かしました。

 また、田中さん自身は「『ONE PIECE』の漫画は読まない」ことをセブンルールの一つとして挙げています。

 

 ──人気声優になるまでの道のり、や過去の恋愛、結婚、そして復縁。田中さんの人生は、まさに波乱万丈です。

 それでもルフィのように明るく笑い飛ばして活動してきたからこそ、田中さんは多くの人に愛されているのかもしれません。

〈文/花束ひよこ〉

 

※サムネイル画像:Amazonより

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