全世界 2800 万ダウンロードを超える⼈気⾳楽ゲームをアニメーション映画化した劇場版『DEEMO サクラノオト-あなたの奏でた⾳が、今も響く-』の公開後、⾳楽への⾼評価を受けて 3⽉9⽇(⽔)にトークイベントが東京・新宿の新宿バルト9にて開催された。オフィシャルレポートが到着したので、ここではそのイベント内容を紹介したい。

 主⼈公・アリスの声を担当した⽵達彩奈さんに加え、主題歌、およびイメージソングを制作した梶浦由記氏、応募者 1400 名を超えるオーディションを経て主題歌「nocturne」を担当する歌姫に選ばれた Hinanoさん、藤咲淳⼀総監督、松下周平監督が揃って登壇し、劇中の⾳楽について熱く語った。

 ⽵達さんは、デビュー以前から梶浦氏のファンであり、しかも別作品で⻑く⼀緒に仕事をしてきたものの、直接顔を合わせるのはこの⽇が初めてとのことで、⼀緒の舞台に⽴てることに感激しきり。「初めてご挨拶をさせていただきながら半泣きでした!完全にオタクスイッチが⼊っちゃって、めちゃ早⼝でしゃべっちゃいました!」と興奮した⼝調で語る。

 ちなみに、藤咲総監督もこれまで梶浦氏と仕事をした経験があり、⻑い付き合いながらも「前にお会いしたのは 20世紀です(笑)」と久々の再会であることを明かす。今回、梶浦氏にお願いすることについて「梶浦さんは僕と誕⽣⽇が同じで8⽉6⽇なんですけど『しし座ってこういう⼈だよね』ってイメージがあった(笑)」と冗談めかしつつ「昔から、いろんな⾳を⼊れ込んで、サンプリングで独特の⾳を作るのはわかっていたので、梶浦さんが『DEEMO』を作るとなるとナイーブな曲なのでどう表現するのか?楽しみではありました。上がってきた曲を聴いて『やっぱりすげぇな、この⼈は』と思いました」と感嘆する。

 松下監督は楽曲について「かなりお任せでした」と梶浦氏に⼀任していたと明かす。最初に⼩説版を読み、脚本を読み、「最後まで⾏けなかったけど(苦笑)」ゲームもプレイしてから、作曲に取り掛かったという梶浦氏。「イメージソングは制作のはじめの段階で作ったんですが、いろんな資料をいただいて、私が『DEEMO』という作品に感じたイメージを全部ぶち込んだものです。主題歌のほうは、もっと雄弁でないといけないし、⽇本語歌詞が付くのでいろんなことを考えて作りました。もともと、ピアノが主役と⾔っていいくらい⼤事な作品なので、⼥の⼦の声とピアノの⾳が、普通の歌物よりも少しピアノが前に出るように作りたいと思いました。ピアノのメロディが少し⽴つように――ピアノの⾳が絡んで、離れて…となるようにしたのと、あとは闇と光のバランスが⼤事だなと思っていました」と制作のプロセスを明かしてくれた。

 そんな梶浦氏の楽曲について、⽵達さんは「120%、いや、200%くらい…崇拝レベルでサイコーって思いました!」と絶賛の⾔葉を贈る。

 そして、梶浦氏の⼿による主題歌「nocturne」を歌ったのが、ちょうどイベント前⽇(3⽉8⽇)に16歳の誕⽣⽇を迎えたHinanoさん。1400 ⼈を超える応募があったオーディション当時は 14 歳の中学3年⽣だったが、⾃⾝が選ばれた時の⼼境について「⼼臓が張り裂けるんじゃないかってくらい、嬉しかったのを覚えています」と初々しい表情で語る。

 梶浦氏によると、歌姫がHinanoさんに決定した当時、主題歌は「フレーズだけがあった」状態だったという。「曲として、ピアノのフレーズがないと映画の制作ができないので、何となくメロディはあったけど、歌として完成させるのは、どなたが歌うか決まってからのほうがいいし、⾔葉も誰が歌うかによって変えたいので、曲が完成したのは(Hinanoさんに)決まってからです」と明かす。

 Hinanoさんは、最初に⾃⾝の歌声が⼊った本作を鑑賞したときのことについて「試写会で最初に観たんですが、もうすぐ『nocturne』が来るぞ…という流れで待ち構えて、流れた瞬間に感動と、いままでのオーディションだったり、梶浦先⽣のレコーディングだったりとか、思い出がワーッとよみがえってきて、感情が抑えきれないくらい、⼼が温まりまくりました!」と述懐。既に⾃ら劇場に⾜を運んで「4回観ました!」と笑顔を⾒せた。

 本作は劇場によって、ドルビーサラウンド 7.1ch の⾳響環境での上映を楽しむことができるが、藤咲総監督は「我々が⼀番良いと思っているところに近づけて流していただけて、沁みる感じでよかったです」と絶賛。松下監督もそもそも本作を制作するにあたって「最初のコンセプトとして“⾳楽モノとは何ぞや?というのを藤咲さんとも考えて、⽬指してきた」とうなずく。

 梶浦氏は、声優のセリフと⾳楽が分離した環境で楽しめる7.1chの環境を絶賛し「とくに⾳楽がすごく⼤事な作品なので、⾳楽のボリュームも普通の映画の倍くらいあります。ちゃんと⾳楽を⽴たせているのがこの映画の素晴らしいところで、完全に“⾳楽劇”になっている」と称賛を惜しまない。

 ⽵達さんも「⽴体的な素晴らしい⾳楽はもちろん、⾬の⾳、雷の⾳など、⾃然からの⾳や、⾜⾳ひとつに⾄るまで繊細で、歩いている時も左から歩いてくるのか? 右から歩いてくるのかもわかりやすいし、こだわり抜かれて作られているのを感じました」と臨場感の素晴らしさを強調する。

 最後にHinanoさんは「ひとつひとつの⾳が『DEEMO』の重要なピースになっていると思うので、劇場でまた⾒たいと思った⽅は友⼈を誘っていただいて、その際には『nocturne』もぜひ注⽬していただけたらと思います!」と呼びかけ、⽵達さんも「私ももう1回、⾜を運んで観たいと思います。みなさんも何度でも⾜を運んで楽しんでいただけたら」と語り、温かい拍⼿の中でトークイベントは幕を閉じた。

◆映画情報

新宿バルト9ほか全国劇場にて絶賛公開中

<90秒予告

▼キャスト

  • ⽵達彩奈
  • 丹⽣明⾥(⽇向坂 46)
  • 鬼頭明里
  • 佐倉綾⾳
  • 濱⽥岳
  • 渡辺直美
  • イッセー尾形
  • 松下洸平
  • ⼭寺宏⼀

▼スタッフ

  • 原作:Rayark Inc.「DEEMO」
  • 総監督:藤咲淳⼀
  • 監督:松下周平
  • 脚本:藤咲淳⼀、藤沢⽂翁
  • キャラクターデザイン:めばち
  • 主題歌制作:梶浦由記
  • 主題歌:Hinano「nocturne」(PONY CANYON)
  • 制作:SIGNAL.MD Production I.G
  • 製作・配給:ポニーキャニオン

▼公式サイト

https://deemomovie.jp/

▼公式 twitter

@DeemoMovie(https://twitter.com/DeemoMovie

⇒オリジナルサイトで全ての写真を見る(全2枚)

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