『デジモンアドベンチャー』(以下、1999年版)から20周年の節目に放送開始された『デジモンアドベンチャー:』(以下、リメイク版)ですが、コロナの影響で第3話の放送後、ひと月半ほどの放送延期を余儀なくされていました。
<画像引用元:http://www.toei-anim.co.jp/tv/digimon/episode/summary/1/ より引用掲載 ©本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション>
6月7日より放送が再開、改めて第1話からのスタートとなり、この機に視聴を開始した方もいるのではないでしょうか? 放送できなかった期間の帳尻合わせで内容に支障が出ないか等の危惧はありますが、ひとまず安心です。
そこで、本記事ではこれまで放送された第1話から第3話までの内容を振り返りつつ、1999年版とリメイク版の違いや見どころとなるポイントを紹介していきます。
――以下、ネタバレを含みます。
時代が追い付いて、説得力が生まれた物語序盤!
<画像引用元:http://www.toei-anim.co.jp/tv/digimon/episode/summary/1/ より引用掲載 ©本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション>
1999年版では、サマーキャンプに来ていた7人(のちに光が加わり8人へ)の選ばれし子供たちがデジタルワールドへ飛ばされてしまい、そこから冒険に出るストーリーが展開されていました。
ところが『リメイク版』では、1999年版の第1話とは異なり太一がキャンプの準備をしている場面から幕開け。その直後にネットワークトラブルに巻き込まれた家族を助けるため、自身の元を訪れていた光子郎とともに駅へ向かった太一の元にデジヴァイスが現れ、ネットワーク空間へ。そこでアグモンと出会い、物語が動き出します。
1999年版でデジタルワールドの異変は異常気象という形で現実に表出していましたが、リメイク版においては、異常事態はデジモンのネットワークへの干渉という、現代社会に寄せる形で説明されています。
おかげで、当時のアニメにあった微妙に腑に落ちない印象が消え、スッと物語に入れるようになっているのがポイントです。
小学生がデジタル端末を持ち歩くことも当たり前になりつつある現代においては、太一のスマホや光子郎のノートパソコンも違和感はありませんね。
1999年版ファンにも嬉しいセルフオマージュ!
<画像引用元:http://www.toei-anim.co.jp/tv/digimon/episode/summary/3/より引用掲載 ©本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション>
太一とヤマトの共闘とそれを支える光子郎。第1~3話で繰り広げられたネットワーク空間での戦闘を見て、『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』を思い出した方も多いのではないでしょうか。
発射されたミサイルが日本に到達するまでのタイムリミットが迫る中、倒れない強敵・アルゴモンへ果敢に立ち向かうものの、あわや間に合わないかという事態に……。
この展開に、もしやと思い画面に食い付いていたところ、白熱するバトルの第2話ラストにはとあるシルエット――そう、「オメガモン」です。
この時は、アルゴモンを退けるとすぐに進化が解けてしまったため、力の片鱗を見せるための演出だったのだと思います。
最序盤で登場したということは半ばで再登場、終盤にはさらにパワーアップした姿が現れるかも!?
いざデジタルワールドへ!1999年版とは様子が違う??
キャンプ場から揃ってデジタルワールドへ飛ばされた1999年版と違い、別々に飛ばされた様子のリメイク版。
アグモンと再会して安堵する太一のほかに、選ばれし子供たちの姿は見えません。
立ち塞がる凶悪なデジモンを退ける中で、デジタルワールドの支配を目論む敵を倒すという明確な目的が生まれた1999年版ですが、今作ではどのようにストーリーで進んでいくのか楽しみですね。
第4話の予告を見る限りでは、ひとまず選ばれし子供たちが合流していく流れが続きそうです。公式のキャラ紹介動画では、1999年版で物語中盤からの参戦だった光とテイルモンへの言及もされており、そのほかにも気になる設定がある模様。
――ここまで、『デジモンアドベンチャー』と『デジモンアドベンチャー:』の変更点や見どころをピックアップしてきましたが、いかがでしたか。
筆者個人としては、完全新作を謳っているだけあって、現時点ではこれまでのシリーズを知らなくても楽しめるような工夫が凝らされていると思います。
2015年から上映された、1999年版と地続きの劇場版『デジモンアドベンチャー tri.』は賛否が分かれただけに、本作は多くの人に受け入れられる作品になってほしいところ。
(Edit&Text/叶梢)
©本郷あきよし・フジテレビ・東映アニメーション