2020年秋『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』リメイク版の放送が開始しました。

ダイの大冒険 キービジュ<画像引用元:https://dq-dai.com/news/2020100601.php より引用掲載 © 三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 © SQUARE ENIX CO., LTD.>

 『ダイの大冒険』は1989年~1996年の間に「週刊少年ジャンプ」で連載されていた漫画です。

 近頃アニメ化された漫画原作作品の中ではかなり古い作品ですよね。24年前ともなれば、丁度今アニメ業界で仕事をしている人たちが、少年少女だった頃連載されていた作品とも言えます。昔読んでいたというアニメファンもいるのではないでしょうか。

 そんな古い作品である『ダイの大冒険』が今更リメイクされたのは、今でも根強い人気があるからでしょう。途中で打ち切りになってしまった旧アニメ版『ダイの大冒険』を惜しむ声は昔から多かったですよね。

 ではなぜ、これほどまでに『ダイの大冒険』は人気が高く、愛され続けるのでしょうか。

 今回は、そんな『ダイの大冒険』の人気の秘訣について迫っていきます。

◆連載終了から24年たった今も人気のある『ダイの大冒険』はどんな物語なのか?

 『ダイの大冒険』のストーリーを未読の方に簡単に説明すると、勇者に憧れる少年が悪の魔王を討伐するまでの冒険譚というような感じになります。

 主人公・ダイが魔族に苦しめられている国々へ赴き、仲間たちと魔族を倒すのが主な流れ。この物語はそんなストーリーの中、唯一無二の仲間との出会いや別れ、強敵たちとのアツい戦い、そしてキャラクターたちの精神的肉体的成長などの少年漫画らしい要素を全面に出しているのが特徴です。

 超定番のストーリーとも言えますが、最近は魔王と手を組む勇者や、魔王が主人公になるなど、少し外してくるストーリーも多いので、『ダイの大冒険』のようなオーソドックスな物語は1周回って逆に新鮮さを感じるかもしれません。

 また、『ダイの大冒険』は余計な要素を入れず、定番の展開を丁寧に描いているのも特徴です。そのため、魔王を倒すという目的がブレず、話の方向性が分かりやすくなっています

 最近のアニメはどこが終わりなのか、主人公が何を目指して物語が進んでいくのか、それらがはっきりしないことが多いですよね。そういった終わりの見えない物語に疲れてしまったアニメファンにピッタリの作品と言えるでしょう。

 そんな『ダイの大冒険』は、かの有名なゲーム『ドラゴンクエスト』と世界観を共有しており、登場するモンスターや魔法等の技には同じものが多く存在します。そのため『ドラゴンクエスト』をプレイしていた視聴者には非常に取っ付き易い作品であり、また懐かしい作品とも言えるでしょう。

 『ドラゴンクエスト』のように剣と魔法の世界なので、ファンタジーアニメが好きな方にもオススメの作品となっています。

◆30代、40代に大人気!王道だが、盛り上がる展開が人気の秘訣

ダイの大冒険 デロリン かっこいい 画像<画像引用元:https://dq-dai.com/episode/ より引用掲載 © 三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 © SQUARE ENIX CO., LTD.>

 『ダイの大冒険』が今尚人気である理由の一つに、読者が語り継ぐようなアツい展開が多いことがあげられます。

 その人気は根強くインターネット上でも、漫画で盛り上がるシーンと言えば、度々『ダイの大冒険』のシーンが上がるほど。「読んだことはないけど、一部シーンだけは知っている」という方もいるのではないでしょうか。

 例えば、このセリフです。

「…今のはメラゾーマでは無い…メラだ…」

 これは大魔王バーンが勇者ダイたちに圧倒的な力の差を示したシーンになります。知っている方も多いでしょう。ダイたちが活躍した場面ではありませんが、多くの読者の心に残っているシーンの一つです。このシーンで「これからダイたちはどうやってこの大魔王を倒すんだ」と手に汗握った読者は多いハズ。

 この場面のように『ダイの大冒険』は、ピンチの演出が非常に上手いです。

 「本当に負けてしまうのでは?」と毎回思わされます。

 実際、負けてしまう展開や痛み分けになる展開も多いので、一つ一つの展開をドキドキしながら楽しめるのが人気の秘訣になっているのかもしれません。

 他には、序盤からいきなり魔王が攻めてくる展開があります。これも文字通りピンチを演出した展開で、修行が始まったばかりのダイのところへ魔王が襲いかかる絶体絶命の場面です。序盤の山場となっており、始めてダイが苦戦する戦いであり、これからの戦いの過酷さを示した戦いでもあります。

 序盤にも関わらず、クライマックス級の盛り上がりを見せるので、アニメでも注目の場面です。

 ピンチ以外の盛り上がる展開としては、以前は敵だったキャラクターが仲間になることがあげられます。熾烈を極める戦いの中、かつての敵が助けに駆けつける展開には胸が熱くなるでしょう。こういった展開があるため『ダイの大冒険』ファンには「敵だったあのキャラクターが好きだ」という方が非常に多いです。

 このように『ダイの大冒険』は、盛り上がる見所や山場の多い作品となっています。そういった部分が人気の秘訣になっているのではないでしょうか。

◆キャラの成長物語がアツい!勇者になっていくストーリーが人気の秘訣

ダイの大冒険 ポップ かっこいい 画像<画像引用元:https://dq-dai.com/character/?char=popp より引用掲載 © 三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 © SQUARE ENIX CO., LTD.>

 『ダイの大冒険』は、勇者が魔王を倒す物語であるのと同時にキャラの成長を描いた物語でもあります。物語の要所要所でキャラクターの成長が描かれており、終盤には「あのキャラクターがこんなにも立派に」と読者を感動させました。

 そんな成長が見られるキャラクターはなんと主人公・ダイではなく、その仲間であるポップ

 肉体面で大きく成長していくダイも注目なのですが、『ダイの大冒険』が人気を集める理由の一つとしてポップの精神面での成長があげられます。

 ポップは勇者ダイの仲間であり、魔法使いである少年です。特殊な血統が多いダイ一行の中で唯一、一般人の間に生まれた子供で、多少魔法が使える以外は本当に普通の少年として描かれています。強大な敵が現れれば、恐怖に怯え、時には逃げ出してしまうことも。弱い相手には調子に乗るお調子者でピンチに陥れば涙も流します。

 序盤はダメな少年そのもので、本当に勇者の仲間なのかと疑ってしまうほど。そのあまりのダメっぷりにジャンプ編集者から「このキャラとっとと殺そう」とまで言われていたそうです。

 しかし、そんなポップは多くの戦いや修行を経てカッコ悪い魔法使いからカッコイイ魔法使いに成長していきます。序盤は足手まといだった魔法使いが終盤には大魔王を倒すために必要不可欠な魔法使いにまで成長する様子は感動ものです。

 また、ポップの注目して欲しい部分は、勇気を持って強大な敵に立ち向かっていくダイとは違い、恐怖と戦いながら敵に立ち向かっていく点です。どちらも同じ勇気に思えますが、ポップの方には人間らしさがあります。そして、その人間らしさが多くの読者からの人気を集めていました。

 こうった人間らしい弱さや、それを克服した彼のかっこよさに惚れ込んだ読者は非常に多いです。『ダイの大冒険』で好きなキャラクターを尋ねられればポップと答えるファンは大勢いるのではないでしょうか。

 このように『ダイの大冒険』には目が離せなくなってしまうキャラクターの成長があります。そういった点が人気の秘訣となっているのかもしれませんね。

 

 ――『ダイの大冒険』の放送はまだ始まったばかりです。

 ここでは『ダイの大冒険』の人気について軽く触れましたが、まだまだ語っていない魅力が、この作品にはたくさんあります。

 ぜひアニメで確認してみてください。

(Edit&Text/天乃ひる)


ドラゴンクエスト ダイの大冒険 アニメ公式サイト

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