『葬送のフリーレン』や『ダンジョン飯』は、いずれも“邪道”な内容となっています。ここでいう邪道とは、不正のニュアンスではなく“王道”に対して反対の道を歩んだ作品、という意味合いでの邪道です。
『葬送のフリーレン』では人類との全面戦争に望んだ魔王が討伐されたところから始まり、『ダンジョン飯』では恐るべきモンスターたちを生物的に解釈し食材と見立てていく内容です。
どこかユルさを伴った内容なのですが、そもそもこれらの異世界ファンタジーの“王道”にピンと来ない人は「なぜ冒険するのか?」「そもそもこれはどこなのか?」根本的な部分で混乱する内容かもしれません。これらの作品の正道とはなんなのでしょうか?
◆ベースは『ドラクエ』? 実はそれにも参考にした作品があった?
剣と魔法の力でダンジョンを攻略していく。これらの物語のベースはどこにあるのでしょうか。
日本ではもっともこれらの代表作として名前が上がる作品に『ドラゴンクエスト』(以下、ドラクエ)シリーズがあります。
シリーズ第1作目となる『ドラゴンクエスト』は1986年に発売されたファミリーコンピュータ用のゲームです。このゲームの主人公は伝説の勇者である「ロト」の血を引く勇者。その勇者が、竜王にさらわれてしまった姫を救出するべく冒険に出る内容となっています。
ただし、実はこの『ドラゴンクエスト』にはルーツとなる別の海外のコンピューターゲームが存在することが明かされています。
その作品というのが『ウィザードリィ』という戦士や魔法使いがチームを組んで迷宮を探索していくゲームや、『ウルティマ』という異世界を舞台に悪の権化であるモンデインを主人公の英雄が倒そうとするゲームです。
いずれも1980年代の始めにリリースされ、いわゆるRPG(ロールプレイングゲーム)の礎となりました。