◆大切な人との思い出を作っておく
社会人になると生活の中心が仕事になり、人と会う時間が減ってしまう人が多いでしょう。しかし、時間を作り大切な人と思い出を作ることで、お別れした後でも思い出を振り返り心の整理ができます。
作中では、フリーレンがオレオールを目指す旅のなかで、ヒンメルたちとの冒険を思い返している様子が随所で見受けられます。このフリーレンの行動はヒンメルを「偲んでいる(しのんでいる)」といえるでしょう。
「偲ぶ」とは過去や遠くにいる人を思い出し懐かしく思うことを意味し、故人を偲ぶ場合には、亡くなった人を思い出し懐かしく思っていることをさします。この行為は思い出すことで過去と現在に区別をつけ、心の整理をつけていると考えられます。
葬儀の現場でも故人を偲んでいられる場面は多く見られました。たとえば、通夜振る舞いで友人同士が集まり故人との思い出を語っている場面は偲んでいるといえるでしょう。また、お通夜が終わったあとに遺族が故人の側に集まり、静かに思い出を振り返っているのも偲んでいるといえます。
フリーレンがヒンメルを偲んでいるのも、葬儀の場面で故人を偲んでいるのも、思い出があるからこそできる行為です。故人との思い出がなければ故人を偲ぶことはできなくなり、いつまでも心の整理ができず、心の片隅に引っかかったままになるかもしれません。
時間を作るのは簡単な行為ではありませんが、お別れの際に大切な人を偲ぶためにも、時間を捻出して大切な人との思い出を作ることが大切です。