『機動戦士ガンダム 水星の魔女』はシェイクスピアの『テンペスト』が作品のモチーフだといわれていますが、中には「北欧神話」がモチーフになっていると噂されるキャラクターや組織があります。
北欧神話はノルウェーやスウェーデンなどに伝わる土着の神話で、世界の始まりや終わりを詩で口承し、後の学者が文に起こして現代まで伝えられてきました。どんなキャラクターが北欧神話をモチーフにしているのでしょうか?
◆ミオリネの両親のデリングやノートレットは北欧神話がモチーフ?
ミオリネの両親、デリングとノートレットは、ファンの間で北欧神話がモチーフだといわれています。
デリングは北欧神話に登場する同じ名前の神「デリング」がモチーフだといわれ、彼の名前は夜明けに射す太陽の光「曙光(しょこう)」を意味しています。一方のノートレットは北欧神話に登場する「ノート」がモチーフだといわれ、彼女の名前は「夜」を意味しています。
北欧神話のデリングは『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』10章に名前だけ登場。そこではノートの3番目の夫になり、彼女との間に昼の神ダグを授かったと記されています。
ノートもデリングが活躍した物語に登場し、北欧神話の主神オーディンにダグとともに馬車を与えられ世界を周り続けるように命じられました。彼らが世界を周り続けることによって、昼と夜ができあがったと書かれています。
また、北欧神話の中では語られていませんが、デリングとノートの出会いが夜明けを象徴しているとの解釈があります。
作中でのデリングとノートも、見方によっては彼らが出会って立案したクワイエット・ゼロがきっかけとなり、宇宙と地球の平和が築かれました。彼らの出会いが、新しい時代の夜明けとなったといえるかもしれません。
なお、苗字のレンブラントについては北欧神話ではなく、オープニングや作中で雲間から光が射す描写が多いことからこの現象のレンブラント光や、本作が水星と関係があることから、水星にある最大の盆地のレンブラント盆地が元ネタといわれています。