はい、またもやゲームの話題に戻ってまいりました。思い返せばPCゲームや家庭用ゲームにドはまりしていた時期は、男性向けから女性向けまで沢山のゲームを手あたり次第……いえ、幅広くプレイしまく……いえ、経験させていただきました。
そんな数あるゲームの中で未だに「何でああいう設定だったんだろう?」「あの展開は正解だったのか?」という疑問が残ったままの作品が幾つかあります。
今回はそんな作品をモヤモヤした疑問と共に紹介していきます。
大本命なのに●なし?『Piaキャロ3』
最初の作品はこちら。2001年にF&C FC02から発売された男性向け18禁恋愛アドベンチャー+恋愛シミュレーションゲーム『Pia♥キャロットへようこそ!!3』(略称、Piaキャロ3)。
Piaキャロットの本店でアルバイトをしている主人公(神無月明彦)が美崎海岸に新規オープンする4号店のヘルプを打診され、本店で働くバイト仲間の高井さやかのことを気にしながらも4号店へ向かい新たな出会いを経て恋愛模様が動き出す……というストーリー。
ここで着目したいのが主人公、既にヒロインに片思い中です。最初は特定の相手を定めずノーガードで入って登場人物の中から好みの子を見つける訳ではないんだ……とまずそこにビックリ。
そしてもう一つ語らずにはいられないのが「特別扱いのヒロイン」と称される、メインヒロイン・高井さやか。
画像の左側にデカデカと載っている彼女、そう彼女です! 可愛いですよねー、まさにヒロインに相応しいビジュアル。
ゲームをプレイする前から彼女に決めていました。
ストーリーを進めながら考えるのはさやかのこと。だってこれは18禁ゲームなんだもの、当然そういうシーンもあるんだよね。なら、やっぱりさやか一択だ!
そんな期待に胸躍らせながらプレイを続けた私を待っていたもの、それは……まさかのHシーンがないという事実。
……え? どういうこと?? 思わず新手のバグかなと思いました。そうなんです、何とさやかちゃん、メインヒロインでありながら肝心のHシーンがなく、主人公の妄想という形で処理されてしまうんです。
もちろんストーリーは骨太で、主人公との微妙な関係に悩むさやかの繊細な感情が描かれたシナリオは素晴らしい出来です。
でも……でも……Hシーンがない(号泣)。
プレイ当時はこのやり場のない気持ちをどうしようかと思いましたが、そんな思いを全て受け止めてくれるヒロインがいました。その人物は、4号店店長代理・羽瀬川朱美。
彼女はとにかくセクシーシーンが多い! 序盤から一糸まとわぬ姿を披露したかと思えば事ある毎にHシーンが組み込まれており、しまいにはお店でもイタしそうになる始末。
18禁ゲームを満喫したい、でもさやかが好きなんや……という方は、さやかをクリアした後間髪入れずに朱美をプレイするとバランスが取れるかもしれません。
ヒーローがまさかの●●●『星の王女』
次の作品は2003年にゲームメーカー「美蕾」より発売された、女性向恋愛アドベンチャーゲーム・第一弾『星の王女』。
男性向け18禁ゲームが台頭していた時代に、女性向け18禁ゲームの先駆けとしてリリースされた作品です。
女性向け18禁とは何か? 男性向けは女性声優の甘いボイスが楽しめる……そう、女性向けは逆に男性声優が頑張っちゃうのです!!!
当時はあまりの斬新さにヘッドフォンなしでは聞くことができませんでした。
主人公は19歳の女子大生。両親は仕事の都合で海外で暮らしており、血のつながらない兄と二人暮らし、兄は売れっ子のコピーライターです。
憧れの大学に通い始め、優しい兄に見守られながら幸せな日々を過ごす主人公。でもある日、両親の突然の死という不幸が彼女を襲います。そして追い打ちをかけるかのように唯一の支えだった兄までもが病で倒れてしまう。
その後何とか兄は意識を取り戻しますが、両親の残してくれた思い出の家を回収しようとするヤクザに付け狙われたりと不幸の連鎖が続き、主人公は々な境遇に巻き込まれていきます。
そんな中、兄を支えながら強くたくましく生き抜く彼女はやがて運命の相手と恋をするのですが、ここで彼女(主人公)の恋愛相手(攻略対象者)に注目してみたいと思います。一部ピックアップすると、
・イケメンのデザイナーの卵 ←まさに定番・王道ですね。
・かなり年上の敏腕弁護士 ←東大も出ています! 玉の輿最有力候補。
・主人公の幼なじみ ←これも定番。将来性はなさそうですがまあいいでしょう。
・ヤクザ ←組の幹部で地上げをしています。
という、職業も年齢も幅広いラインナップで……あれ? 何かおかしな人が混じっていたぞ??
ちょっと振り返ってみましょう。恋愛相手としてあげた殿方たちの一番下にいるのは、そう、ヤクザです! しかも限りなくチンピラ寄りの!!
他の攻略対象はデザイナーや弁護士、幼馴染はサブキャラですがサッカー選手になるかもしれないし、他にも大学助教授や医師など素敵職業が目白押しだというのに、その中になぜチンピラが……?
しかもヤクザでは鉄板の組長の息子でもなければ、知的インテリ系でもなく、若頭でもない。ごくごく普通のチンピラ。
よくぞこのそうそうたるメンバーと同じ土俵にあがってきたものです。
その上、出会いも最悪なら(自分の家を地上げしようとしている訳だし)初エッチも最悪(殆ど無理やりです)ハッピーエンドも普通(大富豪にはなれません)。
うん、デザイナーか弁護士にしようかな。
ちなみに一番幸せにしてくれそうな弁護士・古賀雅也。彼には大きな落とし穴がありました。シナリオを進めていく中で選択肢を間違えてしまうと……日本と海外で遠距離となった挙句、ある日ふらっとやって来て、「あっちで素敵なパツキンと知り合ったからお前もういらない」と振られてしまうのです。弁護士恐るべし……。
そしてこのゲーム、翌年2004年に「2」が出ていて、処女作でサブキャラだった幼なじみと大学の助教授、医師がメインキャラとして登場するのですが、何と! 兄は既に他界していました。
……お兄ちゃん(涙)。
――今回は「何で?」と感じたゲーム、トップツーを披露しましたが、他にも色々と語りたい作品が残っているので、またの機会にご紹介させていただきたいと思います。
そしてやっぱり18禁ゲームたるもの18禁がないと物足りないんだなと、『Piaキャロ』を通して改めて思い知った今日この頃です。
(Edit&Text/彩乃)
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