◆ジブリっぽいけどジブリじゃない? ジブリの影響力が分かる作品たち

 宮崎駿監督作品以外でも、そこに“ジブリっぽさ”を感じられる映画もあります。そういった作品の多くは、実際にスタジオジブリの作品で活躍してきた人たちの技術がそのまま作品に反映された結果ともいえます。

 たとえば、制作会社のマッドハウスが2003年に発表した『茄子 アンダルシアの夏』にはキャラクターのテイストにどことなくジブリ作品の印象が漂うデザインで作られているのが特徴です。そんな本作は『もののけ姫』や『千と千尋の神隠し』で作画監督に名を連ねた高坂希太郎氏が監督を務めています。

 一時、スタジオジブリが長編制作部門を解散したことを機に、スタジオポノックというアニメーション制作会社が設立されました。

 『借りぐらしのアリエッティ』や『思い出のマーニー』で知られる米林宏昌監督が所属しており、ポノックから2017年に『メアリと魔女の花』が公開されています。

 そんなポノックは新作の長編アニメーション映画『屋根裏のラジャー』を2023年冬に公開予定です。

 またジブリ出身ではないながら、その作風を自覚的に取り入れた作品として、『君の名は。』や『すずめの戸締まり』を監督した新海誠監督が2011年に発表した『星を追う子ども』といった例もあります。

 本作では登場キャラクターなどの動きにどこかスタジオジブリの作品を彷彿させるシーンが度々登場しており、新海誠監督自身がジブリ作品からの影響を明言している、少し変わった映画でもあります。

 宮崎駿監督などジブリを代表するクリエイターがジブリ設立以前に制作した映画、ジブリで活躍してきた人たちがジブリとは別の場所で制作した映画、ジブリに影響を受けたクリエイターが制作した映画……“ジブリっぽさ”を感じさせる映画の理由はこれら3つに分けられるといえます。

※宮﨑駿監督の「崎」は「たつさき」が正式な表記です。

〈文/ネジムラ89〉

《ネジムラ89》

アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレターを配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi

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