◆「あのキャラ」を滝沢カレンさんが演じていた!
今回のキャスト発表で特に驚きの声が目立ったのが滝沢カレンさんの配役でした。滝沢さんが演じたキャラクターは、眞人が青鷺屋敷の中で出会う不思議なキャラクターの一つ“ワラワラ”です。
ワラワラ pic.twitter.com/owrT7bvrTr
— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) August 18, 2023
ワラワラは生き物の総称のようなもので、白くて丸く小さな見た目をしており無数に登場します。
『となりのトトロ』のマックロクロスケや『もののけ姫』のコダマを思わせるキャラクターで、はっきりと言語を喋るような生き物ではないのですが、鳴き声のように声を発していて、ビジュアルだけでなく声からもかわいさがにじみ出ているキャラクターになっていました。
ワラワラは作中に何匹も登場していただけに、滝沢さんも収録が大変だったのではないでしょうか。
◆滝沢カレンさんの「おばあちゃん説」が広まったワケ
今回、滝沢カレンさんの配役に驚きの声が上がったのにも理由があります。
そもそも公式で配役の発表があるまでキャストと役名が一致しなかったのは、エンドロールにキャスト名と一緒に役名が書かれていなかったことに起因しています。
しかも滝沢さんのキャスト名が、竹下景子さんや風吹ジュンさん、阿川佐和子さんといった眞人の屋敷で働くおばあさんたちの役を務めていたであろうキャラクターたちと並んで表記されていたこともあり、滝沢さんもおばあさんたちの内の誰かの声を演じていたのではないかと勘違いしやすい状況にありました。
それに加えてワラワラ自体がはっきりと言葉を喋るキャラクターではないうえに出番が限られていたこともあり、その声からの滝沢さんの特定しにくさに拍車をかけています。
結果的に『君たちはどう生きるか』のキャスト当てには、最難関のキャラクターとなってしまいました。
──こうして公開前から出演の噂が流れるのも『君たちはどう生きるか』が上映前にキャストを発表していなかったからこそ。
情報を事前に発表しないという方針によって、こういったボイスキャスト予想という楽しみ方が生まれたのも、今回の映画のおもしろい現象の一つといえます。
大作映画では早々できない広告方針だと思いますが、映画の情報がほとんど出されないというのも、“映画のお楽しみ袋”としてたまにはアリなのかもしれません。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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