2年半ぶりに『ガルパン』が映画館に帰ってきた──。

 全6話と発表されている『ガールズ&パンツァー 最終章』シリーズもついに折り返し地点を迎え、10月6日から後半の一発目にあたる第4話の公開が始まりました。

 話の途中となっているので、今まで『ガールズ&パンツァー』(以下、『ガルパン』)を観てこなかったという人には触れにくい作品と思われるかもしれませんが、第4話は“戦車道とは何か?”を知れるエピソードになっていました。

◆これまでのエピソードとも違う?『ガルパン 最終章』第4話

 『ガルパン 最終章 』第4話は、最終章のシリーズの中でもとりわけ異質なエピソードとなっていました。

 冬季無限軌道杯の試合を追っていく『ガルパン 最終章』ですが、第4話ではその準決勝の試合がたっぷりと描かれます。

 第3話の後半から主人公の西住みほの所属する大洗女子学園と継続高校の戦いが始まりましたが、その最後でチームの要である西住みほの乗る戦車が早々にリタイアしてしまうという窮地を迎えました。今回の第4話ではそんなピンチに陥った準決勝の決着が描かれます。

 主人公機を失ってしまった大洗女子学園は一体どうなってしまうんだ? と心配していましたがフタを開けてみれば“まだ大洗には仲間たちがいるじゃないか”と主人公のみほたちが不在の場合、それぞれのメンバーはどう行動していくのかを描き、各々ができることを駆使して戦っていく熱いエピソードとなっていました。

 この映画の見所はそんな残ったメンバーが、いかにして窮地を乗り切ろうとしていくかというかけ合いがありのままに描かれているところにもあり、キャラクターによっては落ち着いている者もいれば、明らかに狼狽していたりと、“いつもの”メインのメンバーがいない分、いつも以上に多くのキャラクターにスポットがあたっています。

 第4話の見どころはそれだけではありません。準決勝の舞台となる雪山という舞台を生かした戦略の数々がまた見事です。

 いつものような大地よりも柔らかい雪上という地形を利用した戦術をはじめ、雪山だったらこんなアクションもできますよね? という工夫の数々がいくつも盛り込まれています。

 中でも山場のシーンには、このシリーズをあえて劇場で上映する意義を感じさせるような「あっ」と驚く戦車視点の迫力のあるシーンが用意されています。このシーンの臨場感が凄まじく、この映画を“アトラクション”にまで押し上げていると言っても過言ではありませんでした。

 『ガルパン』を知らない人も楽しめるという理由はここにあり、これ一本でも本作の“戦車道”の面白さを実感できるはずです。

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