◆スレッタとエアリアルは超常的な「何か」でつながっている

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 本作では、ガンダムは呪いのモビルスーツと呼ばれています。呪いとは、搭乗者の肉体や精神に負荷を与えすぎて、崩壊させてしまう「GUND技術の軍事転用」をさしていると一部のファンはSNSなどで考察しています。

 この説に則って考えてみると過去の「ガンダムシリーズ」でも、機体などを通じて他人同士が脳で直接対話するシーンが多々ありました。本作でも、それと同じように人間の脳に直接働きかける仕様だと考えてよいかもしれません。

 プロスペラはエアリアルには「呪いはない」と主張していますが、本当に存在しないのかも疑わしく謎の多い機体です。

 たしかにプロスペラの主張通り、エアリアルに乗ったスレッタにはこれといった影響がないようにも見えます。

 たとえば、GUNDフォーマットを使用したMSとパイロットの同化率を表す「パーメットスコア」。このスコアが一定値に達すると、機体性能が大幅に上昇する反面、搭乗者への負荷が大きくなるリスクがあるといわれています。

 しかし第9話のシャディクとの決闘で、パーメットスコアは一定値を上回ったにも関わらず、スレッタには何の影響も見られませんでした。

 一方で、彼女は何度もエアリアルと対話をしているシーンがあります。MSが言葉を発する描写はなく、ディスプレイが点滅する程度で会話が成り立っているのです。これはスレッタの脳内にしか聞こえない「何か」があるといえるでしょう。

 第12話でも「呪い」を示唆するシーンがありました。

 武装勢力「フォルドの夜明け」による襲撃を、エアリアルに乗って無事に退けたスレッタ。彼女は宇宙空間にいたまま、地球寮のみんなの無事と、ミオリネの位置が分かったのです。

 もし機体を通して、超感覚的に空間情報をとらえたのだとしたら、やはり「呪い」はあるのではないかと考えられます。

 また、スレッタの精神状態への影響がないとも言い切れません。最も象徴的なのは、第12話でミオリネの窮地に駆けつけたシーンでしょう。

 出撃する前は戦うことを怖がっていたスレッタが、ミオリネに襲いかかる“生身の人間”を叩き潰したのです。血が飛び散る残酷なシーンでしたが、スレッタはまったく気にしていません。ミオリネの口をついて出た「人殺し」という脅えた様子とは裏腹、そんな自覚のない純粋な笑顔でした。

 スレッタは、エアリアルでの実戦を経験したことで「呪い」による影響を受け、人格に変化が生じてしまったのでしょうか……。

 そして第2クールのティザービジュアルが公開されました。ミオリネはスレッタに手を差し伸べ、前に進もうという強い覚悟が感じられます。逆にスレッタの表情はどこかぼんやりとしています。

 もしかすると「呪い」の影響を受けて変容していくスレッタを、ミオリネが必死で引っ張っていくような内容になるのかもしれません。

 ──「呪いはない」というプロスペラの主張が怪しいものになってきた「エアリアル」。そんな機体に娘を乗せるプロスペラの狙いは何なのでしょうか? そして「呪い」は本当に存在しないのか……。

 第2クールでたとえ「呪いはあった」とはっきりしても、ティザービジュアルで描かれているように、ミオリネによってスレッタも前を向けるよう、明るい結末を期待したいですね。

〈文/おちとも @ochitomo8 編集/mizuno〉

 

※サムネイル画像:YouTubeチャンネル『ガンダムチャンネル』より


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