◆褒めるときは褒め、叱るときは叱るリーダー
部下がグループに貢献した際、しっかりと褒め、その逆で失敗をした場合ただたんに怒るのではなく、一緒に原因を探って次に生かせるリーダーは部下に好かれる傾向にあります。
ブライト・ノアはホワイトベースの艦長としてアムロを指導します。ガンダムに乗ることを拒むアムロに、ブライトは間髪を容れず殴ります。「親父にもぶたれたことないのに!」という名台詞が生まれた瞬間でした。
ここで注目したいのはアムロを殴ったあとのブライトの言葉です。
「貴様はシャアを超えられるやつだと思っていたが……残念だよ」
とアムロを叱咤しつつも激励しているのです。
まさにアメとムチを使う分けるブライト。そしてシャアという名前を聞いてアムロはハッとし、この一言がまた戦線に戻るきっかけとなりました。
このことから、部下はスパルタだけではついてこないことが分かります。
部下が会社に貢献したとしても、当たり前のように何も言わない上司もいます。それだと、部下のモチベーションは下がり退職のきっかけにもつながってしまうでしょう。
部下が、功績を上げた際はしっかりと褒め、逆に失敗した場合は叱るというようにメリハリをつけて部下と接するのが、優秀なリーダーといえるかもしれません。
アムロが成長を続けられたのも、ブライトの影響が大きいといえるでしょう。
◆「義理と人情」で仕事をこなすリーダー
いつの時代も人を惹きつける魅力があるのは「義理と人情」を持っているタイプのリーダーです。
ジオン軍中将のドズル・ザビは、謀略ばかりのザビ家の中でも異質の存在です。その巨体からは想像できないほど家族や部下に対しては優しく、仁義を通す軍人でした。
こういったタイプのリーダーは、自分が窮地に陥ったとき「あの人のためなら」といった感じで、いざというとき部下から助けてもらえるでしょう。
また、戦艦ラーディッシュの艦長、ヘンケン・ベッケナーは部下との距離感が近いフランクなリーダーです。
部下と別け隔てなく接して、やたら社内で好かれている人が会社に一人はいます。そこにいるだけで、職場の雰囲気が和らぐ人は今の殺伐とした世の中で貴重な人材なのかもしれません。
しかしヘンケンはリーダーとして致命的なミスを犯します。最後は愛したエマ・シーンを救うために戦艦ラーディッシュを盾に自らの命を犠牲にしました。
リーダーは、時として非情な決断をしなければなりません。「義理と人情」タイプにとって永遠の難題といえるでしょう。
──リーダーシップとは、部下や組織を率いて目標に向かわせる能力のことです。
誰もがシャアやギレンになれるわけではありませんが、彼らの生き様からビジネスシーンにおいてのヒントを得られるかもしれません。
〈文/瀬田アキラ 編集・監修/水野高輝(マネーメディア コンテンツディレクター)〉
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