◆最も能力が高いもしくは期待されている人物が、存分に力を発揮できる環境を作る
東京の強豪校である梟谷には、全国でも5本の指に入ると言われる絶対的エース・木兎光太郎がいます。スパイクに関してはパワーも技術も突出しており、それぞれ味方には安心を、敵には警戒心を与える影響力の高い選手です。
ただ、木兎は精神的な浮き沈みが激しく、調子の良いときは八面六臂の大活躍をする一方、一度沈むとしばらく使い物にならなくなってしまいます。
彼の調子は試合の行く末を大きく左右するので、チームメイトたちはどうにか彼の気持ちを引っ張り上げようと手を尽くしていました。チームの勝利のためにエースが活躍できる状況を作って待つことが、梟谷流のチームワークの形なのです。
新しくチームを組むとき、これから取り組む作業に向いている高い実績や能力を持っている人物や、将来的な活躍を期待されている新人がメンバーに選出されることもあるかと思います。
そのような場合には、チームアップの意図をくみ取り、中心人物をサポートする形で業務にあたるとスムーズに進行できるかもしれません。
もちろん任せきりにするのではなく、適切なコミュニケーションを図りながら、チームとして最も機能しやすいスタイルを模索していきましょう。
──チームメンバーが変われば、協力の仕方も自然と変わるものです。
自分たちがどのような意図で集められたメンバーなのかを把握し、どのようなスタイルで業務を進めるとより効率的なのかをしっかりと共有することで、全員がのびのびと自分の能力を発揮できるチームに仕上がっていきます。
チームワークの形は一つだけではありませんので、状況に応じて柔軟に対応できる余裕を持ちましょう。
〈文/粂原もみじ 編集・監修/水野高輝(マネーメディア コンテンツディレクター)〉