4月より放送開始したアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』(以下『はめふら』)は異世界転生モノの中で悪役令嬢というジャンルを確立した先駆者的作品です。
<画像引用元:https://hamehura-anime.com/ より引用掲載 © 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会>
また、悪役令嬢モノの中でも一番面白いと人気があり、すでに放送された第1話でも、主人公が3回も死にかけるなどのいくつもの見所が登場しました。『はめふら』は第1話から盛り上がり、大変注目を集めています。
今回はそんな大きな期待を寄せられている『はめふら』が、一体どんなアニメなのかを紹介していきます。
主人公はバッドエンドしかないキャラクターに転生? 破滅フラグを回避できるのか?
<画像引用元:https://hamehura-anime.com/story/ より引用掲載 © 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会>
『はめふら』は従来の異世界転生モノと同じように、現代世界で死亡した主人公が転生し新たな人生を送る物語となっています。
他の異世界転生モノとの違いは転生した先の人物が乙女ゲームの登場人物というところです。ありふれたストーリーならば、乙女ゲームの主人公に転生し、物語が始まるのですが、なんと本作では、乙女ゲームの悪役である令嬢に転生してしまいます。
しかも、その悪役令嬢は、乙女ゲームのシナリオ上、最終的に殺されるか、犯罪者として国外追放処分となってしまう過酷なキャラなのです。
主人公・カタリナは8歳の時、ちょっとした事故により頭を強く打ち前世の記憶を取り戻します。そして、この世界が前世でプレイしたことのある乙女ゲーム「FORTUNE・LOVER」と同じ世界であることに、さらには自分が悪役であったキャラクターに転生していたことにも気づいてしまうのです。
転生した悪役令嬢がこのままのシナリオでは死亡、または国外追放処分となる運命を思い出したカタリナはなんとかその破滅の運命を回避し、今度こそは寿命を全うしようと奮闘することになります。
「FORTUNE・LOVER」の物語が始まるのは、舞台である魔法学園へ入学する15歳から。
カタリナは、その時までに破滅の運命をたどるフラグはなんとかして無くそうと行動を起こしていきます。
はたして、全ての破滅フラグを回避しカタリナは無事学園生活を送ることができるのでしょうか。
悪役令嬢とは名ばかり!? 人をタラシ込む主人公
<画像引用元:https://hamehura-anime.com/story/ より引用掲載 © 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会>
『はめふら』のタイトルにもなっている悪役令嬢ですが、これは主人公が前世でプレイした乙女ゲームの設定です。
前世の記憶を思い出す8歳までは、確かに悪役令嬢と呼ばれるのに相応しい傲慢で高飛車な性格をしていたのですが、前世の記憶を取り戻したカタリナは性格も別人のようになります。さらに、破滅フラグを回避するため、本来取るはずだった行動とはかなり違う行動を取っていき……。本来の悪役令嬢とは全く別のキャラクターになっていきます。
そのため、自分のことを悪役令嬢キャラだと思っているのはカタリナ本人だけで、他の登場人物は全くそう思っていません。この物語は、実のところカタリナの独り相撲なのです。また、その独り相撲を観て楽しむ物語でもあります。
<画像引用元:https://hamehura-anime.com/story/ より引用掲載 © 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会>
破滅フラグを恐れるカタリナは、フラグが立たないように行動を開始していくのですが、彼女は「FORTUNE・LOVER」の物語の全容を知っています。
そのため、乙女ゲームの攻略対象となる人物と接した時、本来の主人公であるマリアのイベントをうっかり取ってしまいます。つまり、マリアと発生するはずだったイベントを先にカタリナが済ましてしまうという、ちょっとずるい展開を引き起こしてしまうのです。
その結果、本当はマリアに心を奪われるはずだったキャラクターたちが、カタリナに心を奪われる事態になっていきます。
しかし、当のカタリナはここが「FORTUNE・LOVER」の世界であるという先入観から登場人物たちの好意は、本来の主人公マリアに向けられているものと思い込み自身に向けられている好意に全く気がつきません。
カタリナは、こういった思い込みや「FORTUNE・LOVER」の知識でどんどんキャラクターたちを魅了していきます。
『はめふら』は悪役令嬢や破滅フラグなど不穏な単語が並んでいますが、その単語に踊らされる主人公カタリナを観つつ、実は周りに愛されている彼女を愛でる物語なのです。
何人もの声を使い分ける? 人気声優「内田真礼」さんの演技力が凄すぎる
<画像引用元:https://hamehura-anime.com/story/ より引用掲載 © 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会>
『はめふら』では、破滅フラグを回避するためカタリナが“カタリナTV”という脳内での作戦会議を開きます。
原作や漫画では、全て独り言であり頭の中で考えているだけなのですが、アニメ化にあたり全てに音声がつきました。
そのシーンでは、カタリナ担当声優である「内田真礼」さんが1人5役を務めることになったのです。そして、そのレパートリーがとても豊富であるとSNS上で話題になっています。
脳内会議で登場するカタリナはそれぞれ性格の特徴で分かれており、
・議長カタリナ
・真面目カタリナ
・強気カタリナ
・弱気カタリナ
・ハッピーカタリナ
が登場します。
それぞれ特徴が振られているとはいえ、同じキャラクターの声での使いわけが難しいと言えるでしょう。しかし、内田真礼さんは、その全てを別々のキャラクターではないかと思ってしまうほどの演技で使い分けていました。
そんなことが出来てしまう内田さんの引き出しの多さには驚かされてしまいますね。
『はめふら』は、そんな素晴らしい演技をする内田さんの声を聴くだけで価値のあるアニメとなっています。
――『はめふら』は、ここ最近見なかった新しいタイプのアニメです。最近のアニメに飽きてきた人にオススメのアニメと言えるでしょう。
また、原作の内容から今回のアニメ化は非常にキリのいい所で話が終わりそうです。原作のあるアニメは気持ちよく終わる作品が少ないので、そういった部分も期待出来ます。
まだまだ、始まったばかりですが、『はめふら』は2020年春アニメでは最も期待されているアニメです。ぜひ視聴してみてはいかがですか。
(Edit&Text/天乃ひる)
TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』公式サイト
© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会