2019年下半期は、海外のアニメ映画が熱い。
東京アニメアワードフェスティバルの長編コンペディションでも選出されてきた『ロング・ウェイ・ノース地球のてっぺん』や『アヴリルと奇妙な世界』といった傑作や、ミッシェル・オスロ監督の最新作『ディリリとパリの時間旅行』や、レイモンド・ブリッグズ氏原作の『エセルとアーネストふたりの物語』といった注目作などなど。
夏から年末にかけて、怒涛のラッシュが続いています。
しかし、いかんせん爆発的なヒットにまで繋がっていない!
いずれも魅力的な作品なのですがどうしても、シネコン(たくさんスクリーンを抱えた映画館)のメジャー作品の影に隠れてしまって、知るひとぞ知る作品止まりになってしまっているのが、少し寂しくもあります。
そんな中、とある海外のアニメ映画が満員御礼の大盛況となっているのをご存知でしょうか。
その名も中国のアニメーション映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) The Legend of Hei』(以降、『羅小黒戦記』)です。
こんにちは!クロです(^-^)
ツィッターをはじめました!
9月20日から9月29日まで、池袋HUMAXシネマズにいますよ。
観に来てくださいね。ニャー(//∇//) pic.twitter.com/eBneJkrexi— 羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)_official (@officia85728299) September 21, 2019
日本公開から、たちまち大盛況の『羅小黒戦記』!
『羅小黒戦記』は、当初は2019年9月20日(金)〜9月29日(日)の10日間にかけて、池袋HUMAXシネマズでの限定上映ということで、日本上陸を果たしました。公開間も無く連日、全席完売。それどころか、あっという間に予約が集中し、9月25日時点で全日分のチケットが売り切れになってしまうという人気でした。この勢いにのって、池袋HUMAXシネマズでは上映を1週間延長。さらには、京都・出町座や、東京・ユジク阿佐ヶ谷、愛知・名古屋シネマテークと、徐々にその上映館を拡大していき、各地でも大入りの集客状況となっています。
『羅小黒戦記』(ロシャオヘイセンキ)
【出町座】
10月26日(土)~https://t.co/lujXzpEcVU
【ユジク阿佐ヶ谷】
11月16日(土)~https://t.co/Lxw04ylRbP
【池袋HUMAXシネマズ】
11月16日(土)~https://t.co/SYxhzqpyRg
【名古屋シネマテーク】
11月23日(土)~https://t.co/jWKz4N8UyI pic.twitter.com/82hFhltWkm— 羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)_official (@officia85728299) November 13, 2019
『羅小黒戦記』とは一体何?
この『羅小黒戦記』、ポスターだけを見ると可愛い猫の映画なのかと思わされてしまいますが、ちょっと違います。どんな映画かをざっくり言ってしまうと、“人間の世界に溶け込んで生活する妖精たちが、異能力バトルを繰り広げる作品”です。
主人公は黒猫の姿をした妖精の羅小黒(ロシャオヘイ)。羅小黒の特別な能力をきっかけに、人間を憎む妖精達と、人間と共存に努める妖精たちの間で争いが始まり、人間界を巻き込む大事件へと発生していきます。
もともとこの『羅小黒戦記』は中国のWEBアニメで人気を博した連続作品です。2011年の登場当初は、小規模な個人制作アニメでしたが、時間を経て人気を拡大し、スタッフの拡充も経て、今回の長編劇場版の公開となりました。本作は中国においても3億元を超えるヒット作品になっており、もともと人気が出る素質はあったと言えるかもしれません。
『羅小黒戦記』の素敵なキャラクターデザイン
『羅小黒戦記』のなにが魅力かと言えば、一言では語りきれないのです。
『ドラゴンボール』ばりのスピーディーなアクションも推していきたいし、主人公の羅小黒の成長劇としても感動的だったりと、様々な切り口で魅力を語りたくなる作品となっております。そんな様々な魅力の中でも、今回なんといってもピックアップしておきたいのが、キャラクターデザインの部分です。
一見人間と相違ない見た目の妖精や、かと思えば明らかに獣の姿をした妖精など、その姿は千差万別。初めて『千と千尋の神隠し』を観た時に感じた不思議な体験で、個性豊かなそれぞれのビジュアルを眺めているだけも楽しい映画でした。東洋ファンタジーの魅力がつまった造形は、日本人にとっても馴染み深いものに感じられるのではないでしょうか。
#羅小黒戦記豆知識
无限(ムゲン)~霊属性-金 空間系-己界(コカイ)。
ムゲンのキャラクター設定は結構早い段階で決めました。今度は、ふむ…より近代的な服を着させたいですね~😬#羅小黒戦記 pic.twitter.com/I6v70c58e7— 羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)_official (@officia85728299) October 23, 2019
そして、さり気なく色男が盛りだくさんな映画となっていることも抑えておきたい部分です。フーシーやムゲン、シューファイやロジュ……などなど、メインどころから脇役に到るまでイケメン揃いで、男の私でも見惚れてしまう美青年映画でもあります。モチロン、狐の妖精のシュイちゃんなど可愛い女の子も居るので、そちらの需要も手堅く抑えてくれているのが抜け目なかったりもします。
上映拡大?今後の動向にも要注目
大盛況の『羅小黒戦記』は今後の活躍にもまだまだ期待ができそうです。公式Twitterアカウントでは、参加型企画の #ロシャオヘイ描いてみた を展開したり、WEBアニメシリーズの紹介などを実施しています。11月11日には、満を持して日本版公式ウェブサイトがオープン。上映情報以外の発信も、より活発化しています。
◆羅小黒戦記公式ホームページ:https://heicat-movie.com/
2019年は『羅小黒戦記』の他にも、歴史的興行成績をあげた『哪吒之魔童降世』といった作品や、スマッシュヒットを果たした『白蛇:縁起』が登場するなど、中国のアニメーション映画界からも、気になる作品が続々と登場してきています。
2019年下半期は、海外のアニメ映画が熱い。と冒頭で述べましたが、地球スケールで観たら海外というよりも……中国のアニメ映画が熱い。と言ってもいいのかもしれません。何百館規模で公開されるシネコン向け映画にも負けないほどの素敵な体験がつまった『羅小黒戦記』。ぜひお近くで観る機会があれば、見逃さないで欲しい一本です。
(Edit&Text/ネジムラ89)