アメリカ映画市場。今でこそ中国にその立場を譲ろうとしている状態ですが、現在も日本とは比べ物にならない巨大な市場として存在しています。
2018年現在も日本の映画はなかなかここの市場で目立った活躍ができていません。邦画はハリウッド映画に数々の影響も与えてきていると言っても、興行収入といった尺度で観ると大ヒット作品を生み出せないでいるのが現状です。
そんな中、この秋に“とある映画”がアメリカで好成績を収めるニュースが飛び込んできました。その映画が『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』です。
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』とは
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』といえば、2018年8月3日に日本でも公開されたばかりの映画です。
本作は週刊少年ジャンプにて連載中の少年漫画『僕のヒーローアカデミア』を原作に、2016年から3シーズンに渡って放送されたTVアニメシリーズから派生した初の劇場版。総監修、キャラクター原案には原作者の堀越浩平先生がクレジットされており、原作側からのバックアップ万全の作品となっておりました。
そんな『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』が9月25日よりアメリカでも上映をスタートしました。
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』のアメリカでの興行結果は!?
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』のアメリカ公開開始時の上映館数は508館。話題作は3000館や4000館といった館数で上映されるので、それに比べると決して多いとは言い難い数です。
そんな状況の中、アメリカで公開される全ての映画を対象とするBOX OFFICE MOJO集計のデイリーランキングによると、同時期上映作品に『ザ・プレデター』や『ルイスと不思議の時計』といった3000館以上の上映規模を持つ話題作が並ぶ中、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』は初登場5位にランクインしました。興行収入はなんと90万$。日本円にしておよそ1億円のお金が一日で動いたことになります。
その後も本作は着々とスコアを伸ばし10月6日時点の最終的な興行収入結果は570万$に到達。この数字はアメリカの興行収入における『君の名は。』の501万$や、『風立ちぬ』の520万$を越える、歴代日本アニメ映画のアメリカ興収ランキング10位にあたる数字です。十分成功と呼べる結果を残したと言えるでしょう。
『僕のヒーローアカデミア』はアメリカでも人気がある!?
『僕のヒーローアカデミア』はアメリカでそんなに人気なのでしょうか。
実は、もともと『僕のヒーローアカデミア』はアメリカでも人気作品の一つとしてその地位を確立している作品です。NPDの発表するコミック売り上げランキングでは『ONEPIECE』や『ドラゴンボール』、『RWBY』といった作品に並んで、なんとランキングの半数を占めるほどの人気を見せており、まさに今一番キテる作品となっているのです。
世界でもっとも早く一般向けに映画が上映されたのもアメリカが最初だったりします。日本公開がまだスタートしていない7月5日に、北米最大のアニメコンベンション・Anime Expo 2018にて、ワールドプレミアとして『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』は世界最速上映が果たされています。
なぜ本作がこれだけの支持が得られているのかは、掘り下げがいのありそうなポイントですが、元より『僕のヒーローアカデミア』はアメコミヒーローのテイストが強く盛り込まれたキャラクターデザインが特徴的です。ビジュアルの観点からすでに多くのアメリカのファンに受け入れられやすい器量があったのは確実でしょう。
<PR>
『僕のヒーローアカデミア』の今後の活躍にも要注目!
『僕のヒーローアカデミア』のTVアニメシリーズは、この秋第3シーズンを終えて、早くも第4シーズンの制作が発表されています。国内でもまだまだ広がりを見せる作品ですが、この勢いで海外での支持もどんどん広げていって欲しいところです。
未だに邦画はアメリカの市場において、1000万$すらなかなか越えられない状態です。そんな中で小規模公開でありながら目立った興行成績を見せてくれた『僕のヒーローアカデミア』はそれを突破できるポテンシャルを秘めているように感じます。劇場版も第2弾に挑戦すれば、その人気を“プルスウルトラ”させられるんじゃないでしょうか。ヒロアカの今後の海外展開にも要注目です!
(Edit&Text/ネジムラ89)
『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ~2人の英雄~』公式サイト
©2018「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE」製作委員会 ©堀越耕平/集英社