現在放送中のTVアニメ『僕のヒーローアカデミア』の第5シーズン！ 観てますか？
私は原作をすでに読んでいるということもあり、リアルタイムで追えずに溜まってしまっている状況なのですが、先日急遽最新回を慌てて先行して観たエピソードが存在します。
それが第5シーズン第16話ーー通算104話目に当たる「お久しぶりですセルキーさん」。
【#ヒロアカ アニオリ回先行カットが来た!】
7/17(土)放送『僕のヒーローアカデミア』5期第16話(通算104話)「お久しぶりですセルキーさん」の場面カット解禁! 今回はアニメオリジナルエピソード!https://t.co/JKO02nRIj3夕方5:30読売テレビ/日本テレビ系全国29局ネットでON AIR!#heroaca_a pic.twitter.com/kkZdMxDcSm
— 僕のヒーローアカデミア "ヒロアカ"アニメ公式 (@heroaca_anime) July 15, 2021
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なんとこのエピソードは海が舞台の水着回！ 加えて原作にはないアニメオリジナルエピソードということで、慌てて観ました。水着に興味ないなぁという紳士淑女の諸君も多いと思いますし、もちろん私もそ水着に釣られたわけではないのですが、実はこのエピソード、多くの人にぜひおさえておいてもらいたい回だったりします。なぜならこのエピソード、冗談抜きでよくできているなぁと思わされた回にもなっていたのです。
果たしてこの第104話『お久しぶりですセルキーさん』はどこがよくできていたのでしょうか？
◆「お久しぶりですセルキーさん」はどんな話？
第104話「お久しぶりですセルキーさん」の主人公はデクくん……ではなく、女性ヒーローチームがメインとなるエピソード。麗日お茶子、蛙吹梅雨、波動ねじれの三人プロヒーローであるリューキュウの事務所へインターンへ向か宇野ですが、そんなリューキュウの元に密輸船を取り締まるためのチームアップ要請が舞い込み、その任務へ向かうというエピソードとなっています。
あらすじだけ聞くと、とても水着回とは思えないのですが、“ある理由”で麗日お茶子、蛙吹梅雨、波動ねじれ、さらにはシリウスといった女性ヒーローたちが海辺にて水着で戯れ、バーベキューをするという思わぬ平和なパートが登場します。
ちなみに原作者の堀越耕平先生も自身のTwitterにて、放送回に合わせたイラストを投稿してくれています。
今日アニメです pic.twitter.com/oRqfWGu4Yn
— 堀越耕平 (@horikoshiko) July 17, 2021
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◆びっくり！水着回でありながら○○回だった！
そんなある一定層に需要がありそうな『お久しぶりですセルキーさん』の回なのですが、実はこのエピソード、最後まで観るとあるもう一つの大きな仕掛けが用意されていたのでした。その仕掛けというのが、映画とのタイアップです。
『僕のヒーローアカデミア』といえば、2021年8月6日より、劇場版第3弾である「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE ワールドヒーローズミッション』が公開をスタートし、多くの都市で緊急事態宣言発令下という逆風の中、シリーズ最大ヒットも狙える好成績を収めています。
映画では、世界中でヒーローたちが戦うエピソードが描かれるのですが、実はこの104話『お久しぶりですセルキーさん』はそのエピソードと地続きとなっており、実は前日譚にあたる内容となっていたのです。
エピソードの最後に映画の重要なキャラクターとなるフレクト・ターンがチラリと映る点は映画を観た人ならハッとさせられるシーンなのですが、そのほかにも、密輸しようとしていたものが映画でもキーアイテムの一つとなる“トリガー”という薬だったり、映画の舞台となる“オセオン”という国が会話の中で登場したりと、随所に映画への繋がりが見つかります。
これまでのTVアニメ作品でも、劇場版公開に合わせて、直前の放送回に映画とリンクさせる仕掛けを設けることがありましたが、『僕のヒーローアカデミア』のすごいところは、そのタイアップ回に“水着回”を持ってくるというアイデア。脱帽です。多くの男子が水着に惹かれて、このエピソードを観たのではないでしょうか。
◆しっかり考えられている第５シーズン
実はそもそも現在放送中の『僕のヒーローアカデミア』の第5シーズンが、劇場版の内容を踏まえたような編成になっていることも忘れてはいけません。
「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE ワールドヒーローズミッション』はデクたちが、エンデヴァー事務所にインターンに訪れているというまさに現在TVアニメで放送しているエピソードとリンクするようにできています。
ただ、実はこのインターンへ赴くエピソードは、原作とは語られる順番が違います。本来原作では、インターンのエピソードの前に、ヴィラン連合たちがメインとなるエピソードが存在するのですが、TVアニメシリーズではその内容を飛ばして放送を実施しています。
オープニング映像などでは、そのヴィラン連合たちがメインとなるエピソードに登場するキャラクターの姿も描かれているので、放送する予定はあると思われます。そんな中であえて原作とは描く順番は前後させているのは、リアルタイムでアニメを観ている人たちが最大限に映画を楽しめるようにという工夫と言えるでしょう。
そういった映画とTVアニメの連携が取れているのも、今回の映画のヒットの要因の一つかもしれませんね。
そんなわけで、私のようにまだTVアニメのエピソードを追いきれていないという人も、映画「僕のヒーローアカデミアTHE MOVIE ワールドヒーローズミッション』を観に行く前に『お久しぶりですセルキーさん』のエピソードだけでも、観ておくのをオススメします。
映画と連動しているんだから、しょうがないんです。水着回だから観るとかじゃないんです。水着回とか関係ないんです（なんども唱えながら）。
〈文/ネジムラ89〉
《ネジムラ89》
アニメ映画ライター。FILMAGA、めるも、リアルサウンド映画部、映画ひとっとび、ムービーナーズなど現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。缶バッチ専門販売ネットショップ・カンバーバッチの運営やnoteでは『読むと“アニメ映画”知識が結構増えるラブレター』（https://note.com/nejimura89/m/mcae3f6e654bd）を配信中です。Twitter⇒@nejimakikoibumi
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アニメ映画ライター。『FILMAGA』、『めるも』、『リアルサウンド映画部』、『映画ひとっとび』、『ムービーナーズ』など現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。映画『ミューン 月の守護者の伝説』や映画『ユニコーン・ウォーズ』のパンフレットにライナーノーツを寄稿するなどその活動は多岐にわたる。noteでは『アニメ映画ラブレターマガジン』を配信中。
