『ひぐらしのなく頃に』(以下、ひぐらし)シリーズ待望のリメイク編ということで、『ひぐらし』2020年版の放送が開始されました。

 初アニメ化が14年も前ということで、『ひぐらし』を初めて観る視聴者も多く、リメイク放送には多くの期待されていたのですが、第2話で衝撃の事実が明かされます。それは、『ひぐらし』2020年版リメイクとは仮の姿で、今回のアニメ化が『ひぐらし』業という続編だったことです。

ひぐらし キービジュ<画像引用元:https://higurashianime.com/ より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会>

 『ひぐらし』を1期から観ている視聴者にとっては「うわっ久しぶりにひぐらし騙された」「続編が観られるなんて、最高に盛り上がってきた」とテンション高めなのですが、初見の視聴者にとっては、シリーズの多い『ひぐらし』の続編では観る気力が沸きませんよね。

 『ひぐらし』業は『ひぐらし』シリーズの中で言えば、5期に相当します。今更観返すには、多すぎますよね。

 そこで今回は、シリーズを観なくても『ひぐらし』業が楽しめるように12期で放送された重要な内容を中心に紹介していきます。

※以下、『ひぐらしがなく頃に』、『ひぐらしがなく頃に 解』のネタバレを含みます。

◆ホラーサスペンス 「日常」と「狂気」が織り成す『ひぐらしのなく頃に』とは?

 『ひぐらし』とは、雛見沢で起こる連続不審死事件と、それに翻弄される主人公たちを描いた作品です。ホラーサスペンスモノなので、この作品では大勢の人が死んでしまいます。死亡する瞬間の残虐な映像も作中では流れるため、グロいシーンが苦手な方には向いていないかもしれません。

ひぐらし 竜宮レナ かわいい 画像<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_001.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのく頃に製作委員会>

 ホラーサスペンスと言いましたが、終始殺伐とした雰囲気の作品ではなく、日常パートでは田舎の学校に通う主人公たちの楽しそうな生活が描かれています。ギャグシーンなども多いため、『ひぐらし』という作品のことをよく知らないと事件が起こるまでホラーサスペンスだと気づかないでしょう。その日常と狂気の落差が『ひぐらし』の特徴でもあるのです。

 この物語では視聴者と主人公たちが共に不審死の原因を追っていく形で物語が進んでいきます。しかし、これでは普通のサスペンスモノと変わりませんよね。『ひぐらし』がこれほど大ヒットし、高い人気を得ているのは、サスペンス要素以外にも2つの特別な要素があったからです。

 その一つが、ループ要素。『ひぐらし』は1つの事件を描いた作品ではなく、雛見沢を舞台に複数の世界で起きた事件を描いた作品になります。数話完結式で、物語完結後は同じ舞台、同じ登場人物、同じ時間軸で別の事件が発生する1種のパラレルワールドのような物語になっているわけです。

 ここでポイントなのが、全ての話が完全に独立しているわけではなく、繋がっている点です。

 ループ要素といったように、これらの世界は一人の主人公が何度も経験している事件の一部になります。『ひぐらし』では、主人公が死ぬと新しい雛見沢へループする設定になっているのです。この物語は、不審死事件を追いながらも、主人公が運命づけられた死の原因を回避する作品でもあるということです。

ひぐらし 竜宮レナ かわいい 画像02<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_001.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのく頃に製作委員会>

 そして、『ひぐらし』をサスペンス作品として面白くしているもう一つの要素が、雛見沢症候群です。この雛見沢症候群とは、発症すると極度の人間不信や疑心暗鬼に陥り、異常な妄想や行動を起こすなどの症状が見られる精神病のようなもの。雛見沢に住む人間全員が感染しており、強いストレスや雛見沢から離れることによって発症。1度発症するとその症状から、さらにストレスを溜め込みどんどん症状を悪化させることになるたちの悪い病気でもあります。正確には病気ではなく、雛見沢の風土にしかなじまない寄生虫なのですが、そこまで関係ないので『ひぐらし』でのみ登場する病気という認識で問題ありません。

 『ひぐらし』で起こる不審死事件や殺害、死亡事件は大体この雛見沢症候群を発症させた人間が犯人になります。これが『ひぐらし』をサスペンス作品として面白くし、起こる事件を複雑化させているのです。通常事件は、犯行に及んだ動機がちゃんとありますよね。しかし、この雛見沢症候群による事件は、本来はこんな事件を起こす必要のなかった人物が事件を起こしていきます。そのため、事件の真相が複雑化するのです。

 『ひぐらし』では、同じ舞台、同じ登場人物、同じ時間軸であるにも関わらず、事件の犯人が毎回異なります。また、犯人の動機や行動も大きく変化するので、事件の真相が明かされるまでは、どうしてそんな事件が起こったのか全く分かりません。

 そういった側面もあるため、基本的に『ひぐらし』は事件が起こり、登場人物たちが死亡してしまうまでを描いた事件編と事件の真相が明かされる解答編の2つがセットで全ての物語が理解できる形式を取っています。

 解答編で、事件の真実が見えた時の驚きはどの作品よりも大きいので、興味がある方ぜひ、『ひぐらし』シリーズを観てください。

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◆『ひぐらし』業ではパラレルワールドでの記憶が重要? 各世界で何が起こったのか?

ひぐらし 圭一 かっこいい 画像<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_004.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのく頃に製作委員会>

 『ひぐらし』業第1話は、圭一がバットを持って虐殺している映像から始まりました。これは時間軸的には未来の出来事であり、また別の世界で起こった出来事になるのですが、圭一がこの事件の記憶を思い出したようなシーンがありましたよね。『ひぐらし』では、こうした記憶の蘇りが事件を未然に防ぐ重要な要因となっていきます。

 もしかすると、『ひぐらし』業でも今後他の登場人物も記憶を思い出し、事件解決の助けになるかもしれません。そこでここでは、『ひぐらし』1期、2期で登場した事件について軽く紹介していこうと思います。

 『ひぐらし』の物語は事件編と解決編がセットなので、同時にご紹介。

ひぐらし 竜宮レナ かわいい 画像03<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_004.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会>

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▼鬼隠し編、罪滅し編

 鬼隠し編は圭一が、罪滅し編はレナが主人公の物語。

 鬼隠し編は『ひぐらし』で1番ポピュラーな話で、現在放送中の『ひぐらし』業もこのストーリーをなぞっています。

 この事件では、圭一が雛見沢症候群を発症し、仲間であるレナ、魅音が自分を殺そうとしていると錯乱。自衛のためと2人を殺害し、最終的には圭一自身も自殺してしまいます。

 事件編は、圭一視点で描かれるため、本当に大きな陰謀に巻き込まれ、圭一が殺されようとしているように思えます。しかし、解答編で明かされたのは、全てが雛見沢症候群によって引き起こされていた妄想であること。事件の真実は錯乱した圭一が仲間を虐殺しただけ、というなんとも後味の悪い物語になります。

 『ひぐらし』業第1話冒頭で流れた圭一がバットを持っていたシーンは、まさにこの2人を殺害した瞬間です。

 罪滅し編では、圭一ではなくレナが雛見沢症候群を発症し、仲間を殺そうとします。しかし、鬼隠し編で仲間を信じきれず虐殺したことを思い出した圭一によってレナの犯行は止められることに。雛見沢症候群を抑えることのできた非常に稀な例となりました。

 この罪滅し編では、雛見沢症候群による死者はでませんが、雛見沢大災害という別の事件により、結局村人は全滅することになります。

ひぐらし 園崎魅音 かわいい 画像<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_004.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのく頃に製作委員会>

▼綿流し編、目明し編

 魅音と詩音の双子が主人公である物語。

 綿流し編では、事件そのものが、目明し編では、事件の真実が中心の物語になります。この一連の物語はトリックの効いた非常に『ひぐらし』らしい事件で、最もサスペンスっぽい事件と言えるかもしれません。また、作中でもかなりグロい描写が多く、『ひぐらし』で話題に上がる残忍なシーンはほとんどがこの物語のシーンです。

 この事件は魅音の双子の妹である詩音が雛見沢症候群を発症し起こした事件。雛見沢で起こった失踪、死亡事件の黒幕が実家の園崎家であると勘違いした詩音が、姉魅音と入れ替わり、数々の殺人を犯した事件になります。

 綿流し編では、完全に姉である魅音の犯行だと描かれていたのですが、目明し編で、全ては魅音を捕え一人二役を演じていた詩音の仕業だと判明した驚きの事件でした。また、レナ以外の登場人物全員が死亡するというかなり悲惨な結末を迎えた物語でもあります。

ひぐらし 北条沙都子 かわいい 画像<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_001.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのく頃に製作委員会>

▼祟殺し編、皆殺し編

 圭一と沙都子が主人公である物語。

 祟殺し編では、圭一そして沙都子の2人が雛見沢症候群を発症します。

 この物語では、沙都子が虐待されていると知った圭一が虐待の原因であるおじを殺害。死体を隠蔽します。しかし、なぜか死体が消えてしまう事態に。混乱した圭一は事件を一部の人間に打ち明けるものの、雛見沢症候群により周囲が自分を陥れようとしていると錯乱。最終的に圭一は、救うはずだった沙都子に橋から突き落とされ死亡するというなんとも救いのない結末になりました。

 皆殺し編では、同じように沙都子がおじから虐待を受けているものの、圭一は短絡的な殺人に及ばず、行政機関の力を頼ろうとします。この物語では、誰も雛見沢症候群を発症しないだけではなく、圭一、レナ、詩音それぞれが自分の殺人を犯した世界線の記憶を思い出し、雛見沢症候群発症の原因を回避する非常に稀な世界線となりました。

 また、雛見沢で起こる事件の黒幕が判明する物語でもあります。この一連の不審死事件が雛見沢症候群だけで起こされたものではなく、雛見沢症候群を細菌兵器として利用しようとしている組織が関わっていること。雛見沢の住人を雛見沢大災害という事件で殺そうとしている原因が組織にあることが明かされる物語となりました。

 この世界では、雛見沢症候群で死ぬことのなかった圭一、レナ、魅音、詩音、沙都子、梨花の全員が組織の人間に殺されてしまいます。

▼祭囃し編

 梨花が主人公である物語。

 これまでのバッドエンドではなく、ハッピーエンドを迎えることのできた世界。『ひぐらし』業に繋がっている世界とも言えます(正確には、この世界において、何らかの理由で死んだ梨花が『ひぐらし』業の世界へループ)。

 この物語は、雛見沢症候群ではなく皆殺し編で明かされた組織と戦うストーリーです。今まで傍観者だった梨花が積極的に事件解決に乗り出します。圭一、レナ、魅音、詩音、沙都子に全ての秘密を打ち明け、仲間の力を借り組織を妨害、人為的に起こされていた雛見沢大災害を防止しました。

 今まで謎だった、過去の連続不審死事件全ての謎が明かされる物語でもあり、『ひぐらし』全体の解答編でもある物語です。

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 これらが、『ひぐらし』1期、2期で起こった事件の内容になります。『ひぐらし』業では、これ以上詳しい事件の情報が必要になることはないと思いますが、どの事件もあらすじだけの紹介になっているので、事件の詳細が知りたい方はぜひ、『ひぐらし』1期、2期を観てみてください。

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◆『ひぐらし』真の主人公にして、最重要人物である古手梨花とは?

ひぐらし 古手梨花 かわいい 画像<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_002.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会>

 『ひぐらし』は一人の主人公が見ているループ世界だと最初に紹介しましたが、その主人公は誰だと思いますか。

 普通に考えれば、圭一が主人公だと思いますよね。実際にアニメでは、圭一を中心として物語が描かれています。しかし、実は『ひぐらし』真の主人公は別にいるのです。

 薄々勘付いているとは思いますが、それはどの物語でも脇役に徹している梨花なのです。

 最初に紹介したように、この『ひぐらし』という世界自体、梨花が観測している無数にある世界の1つのできごと。梨花はいわゆるゲームのプレイヤーみたいな存在です。梨花がなぜそんな特殊な存在になっているのかと言いますと、梨花は雛見沢でおやしろ様と呼ばれる存在を体に宿している巫女の様な存在であることが理由になります。そして、そのおやしろ様(羽入)の力で、全てのループ世界を体験しているのです。これが物語の主人公であるが所以になります。

 羽入は梨花に付いている神様のような存在で、基本的は梨花にしか認知できません。梨花の相談役であり、一緒に運命に抗う存在と言ったほうが分かりやすいでしょうか。

 また、梨花が特別な存在である理由の一つに雛見沢症候群の女王感染者であることが上げられます。女王感染者とは、梨花の実家である古手家に現れる特殊な感染者のことで、特別な役割があるわけではありませんが、雛見沢の住人が女王感染者から離れすぎると雛見沢症候群を発症します。

 さらに、女王である感染者が死亡すると雛見沢に住む住人全員が雛見沢症候群を発症することに。

 つまり、梨花と雛見沢は運命を共にしているということですね。

 そして『ひぐらし』という物語自体、そんな主人公である梨花がこの昭和586月に殺される運命から抜け出すという物語なのです。

 本来なら、必死で死の運命に抗うのですが、『ひぐらし』が始まるのはすでに何度もループを経験したあとの世界から……。

 そのため『ひぐらし』序盤の梨花は、数々のループにより己の無力さをしった梨花は積極的に運命を変えることを諦め、ただただ偶然による回避を待つようになってしまいました。梨花が雛見沢症候群を発症させた仲間たちをあまり積極的に助けようとしないのはこれが原因になります。どれだけあがいても無駄な結果に終わるという諦めのようなものがあるわけですね。

ひぐらし 古手梨花 かわいい 画像02<画像引用元:https://higurashianime.com/story/001_003.html より引用掲載 ©2020竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会>

 しかし、『ひぐらし』終盤で圭一が梨花に運命は変えられることを教えます。それにより梨花は再び運命に抗うため、行動し祭囃し編でついに昭和586月に死ぬという運命を乗り越えたのです。

 SNS上で、『ひぐらし』業が蛇足と言われる原因はここにあります。せっかく数々のループを乗り越えて唯一無二の未来へたどり着いたにも関わらず、なぜか梨花は再び、昭和586月以前に戻ってしまっています。これでは、圭一が梨花や仲間たちと共に勝ち取った未来がなかったことになってしまっていますよね。

 あの大団円をなかったことにしてまで、『ひぐらし』業はどんなエンディングを迎えるのでしょうか。今後の展開に注目です。

 

 ――『ひぐらし』は多くの謎、トリックを持った作品でしたが、そのほとんどはこれまでの物語で明かされています。『ひぐらし』業では、なぜ再びこの時間に戻ってきてしまったのかが、物語の重要な部分になるのではないでしょうか。

 『ひぐらし』業はこれまでの『ひぐらし』のように複雑怪奇な事件になるほどの謎は残されていないので、『ひぐらし』シリーズの触りだけを知っていれば楽しめると思います。

 『ひぐらし』業が面白ければ、他のシリーズも観てみてはいかがでしょうか。

(Edit&Text/天乃ひる)

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TVアニメ「ひぐらしのなく頃に 業」公式サイト

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