中国出身の多言語アーティスト・Miist(ミースト)さんが主導するグローバル音楽プロジェクト「Could You Lend Me a Smile」が5月9日に始動し、全世界15言語で楽曲とミュージックビデオが同時公開された。
Miistさんは去年の3月に商業デビューを果たしたばかりだが、1年強でインディーズACチャートでは全米1位を獲得した新進気鋭のアーティストだ。
同プロジェクトでは、社会に広がる“孤独”への共感と変革をテーマに掲げている。
発端は、Miistさんが目にした日本でのあるニュースだった。20歳のサラリーマンが孤独死し、何ヵ月も誰にも気づかれなかったという報道に衝撃を受けたMiistさんは「誰かが一度でも彼に微笑みかけていたら、何かが変わっていたのではないだろうか」と語り、この思いを楽曲制作へと昇華させた。
完成した楽曲「Could You Lend Me a Smile(あなたの笑顔、貸してください)」は、グラミー賞受賞チェリスト・松本エルさんとヴァイオリニストのナタリー・ボナンさんが参加し、希望の音色を加えた。
日本語版楽曲では、米・ロサンゼルス在住のシンガーソングライター・しほりさんが訳詞と歌唱を担当している。しほりさんは、水樹奈々さんやももいろクローバーZへの楽曲提供のほか、人気ゲーム「リーグオブレジェンド」主題歌なども担当する経歴の持ち主だ。力強いメッセージを与えてくれる。
本プロジェクトには、グラミー受賞・ノミネート歴を持つアーティスト60名以上が賛同した。リリースされる言語は、日本語・英語・中国語・韓国語・タガログ語・ヒンディー語・フランス語・イタリア語・ドイツ語・ポーランド語・ベトナム語・スペイン語・ポルトガル語に加え、アメリカ手話、スポークンワード、ハワイ語を含む15種類となる。
社会課題をテーマにした音楽作品として、これほどの多言語・多文化による同時展開は前例がないとMiistさんは語る。
「Could You Lend Me a Smile」は、Miistが掲げる「6つの重要な楽曲」プロジェクトの第1弾でもある。“シンプルで力強い行動”をテーマに、「もう一度、笑顔を取り戻すこと」を呼びかける強いメッセージが送られた。
さらに、世界最大規模の音楽ポッドキャスター「パンセオン」の支援により、ポッドキャスト番組『Make Me Smile with Miist』も48エピソード構成でスタートする。
個人的な経験談やインスピレーションに満ちたトーク、楽曲にまつわるエピソードを通して、「笑顔から始まる変化」をリスナーに提案する内容になるという。
世界各地のアーティストが言語や文化を超えて参加するこの取り組みは、かつて世界的に支持を集めた「We Are The World」を想起させる側面もある。音楽を通じた連帯の象徴として、今後の広がりが注目される。
◆配信アルバム情報
▼アルバム「Could You Lend Me a Smile」(Spotify)