全国公開中の長編アニメーション映画『ロボット・ドリームズ』より、メイキング映像が公開された。
このたび公開されたのは、「テーマの考察」と題された映像だ。監督や原作者が登場し、本作のテーマに迫る貴重な映像となっている。
映像は、パブロ・ベルヘル監督が2010年に原作と出会い、「むさぼるように読んだ」と語るシーンからスタートする。「ページをめくるごとに驚きがあり、最後には感動した」と、監督自身が原作に魅了された瞬間が語られる。
続いて登場するのは、原作者のサラ・バロン氏だ。アメリカを代表するグラフィックノベル作家のひとりで、人間のように行動する動物たちを寓話的に描く。
「本当に映画になるとは思わなかったわ!」と驚きを語り、“台詞のないアニメ映画化”という挑戦に驚いたことを明かしている。制作現場を訪れたサラ氏は、監督と対話を重ね、グラフィックノベルでは描かれなかった新しい要素を取り入れることに了承した。信頼を築きながら本作の新たな一面を引き出していった。
本作のテーマについて、パブロ監督は「友情や絆、そしてそのもろさ」だと述べ、「人間の絆も時に危ういものだからね」と付け加える。また「喪失を乗り越えることもテーマだ。人生の中で疎遠になった人や亡くなった人々も、記憶の中で私たちと共に生き続ける」と語り、“人生”という普遍的なテーマを丁寧に紐解く。
最後にパブロ監督は、「本作を見る人たちも誰であれ、思い出の歌や場所があると思うんだ。ニューヨークのような大都市に限らず、幼少期に夏を過ごした村とかね。観客の心を最後まで引きつけることを目指した」と熱いクリエイター魂を見せた。
このメイキング映像には、ほかにも制作秘話が満載だ。映画を観た人も、これから観る人にも必見の映像となっている。
第96回アカデミー賞・長編アニメーション映画賞で宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』と肩を並べた本作の完成度を、ぜひスクリーンで確かめてほしい。
▼メイキング映像
◆映画情報
11月8日(金) 新宿武蔵野館ほか 全国ロードショー
▼ストーリー
大都会ニューヨーク。ひとりぼっちのドッグは、孤独感に押しつぶされそうになっていた。
そんな物憂げな夜、ドッグはふと目にしたテレビCMに心を動かされる。
数日後、ドッグの元に届けられた大きな箱――それは友達ロボットだった。
セントラルパーク、エンパイアステートビル、クイーンズボロ橋……
ニューヨークの名所を巡りながら、深い友情を育んでいくドッグとロボット。
ふたりの世界はリズミカルに色づき、輝きを増していく。
しかし、夏の終わり、海水浴を楽しんだ帰りにロボットが錆びて動けなくなり、ビーチも翌夏まで閉鎖されてしまう。
離れ離れになったドッグとロボットは、再会を心待ちにしながら、それぞれの時を過ごす。
やがてまた巡りくる夏。ふたりを待ち受ける結末とは――。
▼受賞
- 第96回アカデミー賞 長編アニメーション映画賞 ノミネート
- 第51回アニー賞 長編インディペンデント映画賞 受賞
- 第76回カンヌ国際映画祭 正式出品
- ヨーロッパ映画賞 長編アニメーション映画賞受賞
- アヌシー国際アニメーション映画祭 コントルシャン部門 作品賞受賞
- シッチェス・カタロニア国際映画祭 観客賞受賞
- フェロス賞 コメディ映画賞|作曲賞|最優秀ポスター賞 受賞
- ゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞) 脚色賞|長編アニメーション映画賞 受賞
▼コメント・映画評
美しく、想像を遥かに超え、そして温かい ――ギレルモ・デル・トロ
今年一番の感動作 ★★★★★ ――EMPIRE MAGAZINE
オープニングからエンディングまで全てが愛おしい ――FILMBOOK
近年最高のアニメーション ★★★★★ ――THE GUARDIAN
ティッシュペーパー9箱分泣いた ――ROLLING STONE
▼スタッフ
- 監督・脚本:パブロ・ベルヘル
- 原作:サラ・バロン
- アニメーション監督:ブノワ・フルーモン
- 編集:フェルナンド・フランコ
- アートディレクター:ホセ・ルイス・アグレダ
- キャラクターデザイン:ダニエル・フェルナンデス
- 音楽:アルフォンソ・デ・ヴィラジョンガ
- 字幕翻訳:長岡理世
- 配給:クロックワークス
2023年|スペイン・フランス|102分|カラー|アメリカンビスタ|5.1ch
▼公式Webサイト
https://klockworx-v.com/robotdreams/
▼公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/robotdreamsjp
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