全国公開中の長編アニメーション映画『ロボット・ドリームズ』から、アートディレクションの舞台裏を映したメイキング映像が公開された。
このたび公開された映像には、監督やアートディレクターが登場し、アニメーションの画作りに込めたこだわりが詳しく解説されている。
映像は、パブロ・ベルヘル監督が「絵コンテは1年がかりの長い作業で、その後アニメーションに取りかかった。100名のアニメーターを集めて、制作プロセスが始まった」と語るシーンからスタートする。
続けて監督は、アートディレクターのホセ・ルイス・アグレダ氏を紹介し、「アニメーションのアートディレクターは、監督がどんな物語をどう伝えたいのかに合わせることが大事」と、語っている。映像では、制作現場の緻密な作業風景が映し出される。
本作でひときわ目を引くのは、すべての登場キャラクターが擬人化された動物たちである点だ。メイキング映像には、カメレオン、ワニ、ペンギン、ゴリラといった多種多様な動物たちがオシャレな衣服を身にまとい、あいさつを交わすデザイン画も登場する。
原作はグラフィックノベルだが、パブロ監督は「動物たちは、人間のように動き二足歩行させよう」とスタッフと練りながら、“うまく人間に置き換える”工夫を重ねたと明かす。
また、ホセ・ルイス氏は「物語を伝えやすい動物を探した。そして親しみやすく共感を呼ぶデザインにした」とコメント。
映像の最後では、主人公ドッグとロボットのデザインプロセスも紹介され、原作のイラストを進化させていく過程や、ドッグを骨格から設計する緻密な作業が映し出される。
細部に至るまでこだわり抜かれたキャラクターや背景は、観客に親しみを感じさせるだけでなく、人間のような表情や仕草によって物語をさらに豊かにしている。本作は日本公開後、ミニシアターランキングで1位を獲得し、多くの観客からキャラクターへの愛情を込めた感想が寄せられている。
このメイキング映像には、これ以外にも貴重な制作秘話が満載だ。映画を観た人も、これから観る人も楽しめる内容となっている。
第96回アカデミー賞・長編アニメーション映画賞で宮崎駿監督『君たちはどう生きるか』と肩を並べた本作の完成度を、ぜひスクリーンで確かめてほしい。
▼メイキング映像
◆映画情報
新宿武蔵野館ほか、全国の映画館にて公開中
▼ストーリー
大都会ニューヨーク。ひとりぼっちのドッグは、孤独感に押しつぶされそうになっていた。
そんな物憂げな夜、ドッグはふと目にしたテレビCMに心を動かされる。
数日後、ドッグの元に届けられた大きな箱――それは友達ロボットだった。
セントラルパーク、エンパイアステートビル、クイーンズボロ橋……
ニューヨークの名所を巡りながら、深い友情を育んでいくドッグとロボット。
ふたりの世界はリズミカルに色づき、輝きを増していく。
しかし、夏の終わり、海水浴を楽しんだ帰りにロボットが錆びて動けなくなり、ビーチも翌夏まで閉鎖されてしまう。
離れ離れになったドッグとロボットは、再会を心待ちにしながら、それぞれの時を過ごす。
やがてまた巡りくる夏。ふたりを待ち受ける結末とは――。
▼受賞
- 第96回アカデミー賞 長編アニメーション映画賞 ノミネート
- 第51回アニー賞 長編インディペンデント映画賞 受賞
- 第76回カンヌ国際映画祭 正式出品
- ヨーロッパ映画賞 長編アニメーション映画賞受賞
- アヌシー国際アニメーション映画祭 コントルシャン部門 作品賞受賞
- シッチェス・カタロニア国際映画祭 観客賞受賞
- フェロス賞 コメディ映画賞|作曲賞|最優秀ポスター賞 受賞
- ゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞) 脚色賞|長編アニメーション映画賞 受賞
▼コメント・映画評
美しく、想像を遥かに超え、そして温かい ――ギレルモ・デル・トロ
今年一番の感動作 ★★★★★ ――EMPIRE MAGAZINE
オープニングからエンディングまで全てが愛おしい ――FILMBOOK
近年最高のアニメーション ★★★★★ ――THE GUARDIAN
ティッシュペーパー9箱分泣いた ――ROLLING STONE
▼スタッフ
- 監督・脚本:パブロ・ベルヘル
- 原作:サラ・バロン
- アニメーション監督:ブノワ・フルーモン
- 編集:フェルナンド・フランコ
- アートディレクター:ホセ・ルイス・アグレダ
- キャラクターデザイン:ダニエル・フェルナンデス
- 音楽:アルフォンソ・デ・ヴィラジョンガ
- 字幕翻訳:長岡理世
- 配給:クロックワークス
2023年|スペイン・フランス|102分|カラー|アメリカンビスタ|5.1ch
▼公式Webサイト
https://klockworx-v.com/robotdreams/
▼公式X(旧Twitter)
https://twitter.com/robotdreamsjp
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